甲斐みのりのコラム「東京映画散歩」

第4回:神楽坂

『acteur(アクチュール)』9月号の、連載「東京映画散歩」第4回目で案内したのは、その名の通り坂と路地が多く、閑静で上品な神楽坂。特に大正時代に賑わいをみせた花街らしい風情が今もなお残っています。いろいろな小説にも登場する街にまつわる映画のおはなしは本誌でどうぞ。こちらでは紹介しきれなかった名所やお店を紹介します。

写真1

赤木神社

学問芸術や火防の神「岩筒雄命(いわつつおのみこと)」と
「赤城姫命(あかぎひめのみこと)」が御祭神。
明治時代には坪内逍遥が演劇の勉強会を開催したり、
島村抱月などが出入りする文化芸術発信の場でもあった。
数年前に本殿はじめ境内全体が整備され洗練されすてきに。
カフェもあり。
新宿区神楽坂1-10 03-3260-5071

写真2

紀の善

あんみつ、ところてん、おしるこ、夏はかき氷や白玉をはじめ、
釜めしやぞうにまでも味わえる甘味処。
特に餡と生クリームが添えられた抹茶ババロアが人気で、
豊川悦司主演のドラマで主人公の大好物として登場したことも。
昭和23年の創業で、明治~大正時代にはお寿司屋さんだった。   
新宿区神楽坂1-12 03-3269-2920

写真3

別亭鳥茶屋

ときどきぴょこんと猫が飛び出してくる、
風情ある石階段の途中に建つ、うどんすきで有名な料理屋。
近くに本店もあるけれど、とりわけ別亭が人気なのは、
ランチ限定の親子丼のため。
ふわとろの卵に食感のよい鶏肉が絶品。
17種類もの具材が入ったうどんすきも、お昼は特別価格に。
新宿区神楽坂3-6 03-3260-6661

写真4

jokogumo

週に数日、不定期で営業する、暮らしの道具や食材の並ぶ店。
木々が茂る公園のすぐ前にあって、店の佇まいからして
「なにかが見つかりそうな予感」をぴかぴかと放つ。
作り手の心が形そのまま表れたような、天然素材の手仕事道具たち。
日々の生活の仲間探しや、贈りもの選びに。
新宿区神楽坂6-22 03-5228-3997

写真5

相馬屋

江戸時代に紙漉き職人の店「相馬屋源四郎商店」として創業。
明治の中期頃までは和半紙があたりまえだった原稿用紙を、
尾崎紅葉の助言で洋紙として売り出し、
夏目漱石、坪内逍遥、石川啄木、北原白秋など、
数々の文豪たちに愛されるように。
200字詰、400字詰があり、私は便箋として使用。
新宿区神楽坂5-5 03-34941717

甲斐みのり

文筆家。旅や散歩、お菓子や手土産、クラシック建築にホテル、雑貨に暮らしなど、女性が好み憧れるモノやコトを主な題材に、雑誌や書籍に執筆。数校のカルチャースクールで、まち歩き講座の講師をつとめる。著書に『乙女の東京』『お菓子の旅』など。

 バックナンバー

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第18回:高円寺

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第16回:東京駅~丸の内

第15回:浅草

第14回:渋谷

第13回:上野駅

第12回:上野恩賜公園

第11回:人形町

第10回:雑司が谷

第9回:聖蹟桜ヶ丘

第8回:椎名町

第7回:新宿

第6回:阿佐ヶ谷

第5回:東京タワー

第4回:神楽坂

第3回:井の頭公園

第2回:谷根千

第1回:神保町

帯

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