甲斐みのりのコラム「東京映画散歩」

第8回:新宿

『acteur(アクチュール)』での連載「東京映画散歩」。第8回目のテーマは、西武池袋線椎名町。周辺にはかつてアトリエ村が点在し、画家、詩人、音楽家が暮らし「池袋モンパルナス」と呼ばれていた時期があったり、手塚治虫はじめ名だたる漫画家たちが若き日を過ごした「トキワ荘」が所在したことで、漫画の聖地と称される町。本誌マップでは、市川準監督「トキワ荘の青春」(96)、アニメ「時をかける少女」(06)を思いおこしながら歩くための散歩道を紹介しています。西武新宿線中井駅周辺の、アニメ「時をかける少女」のモデルとなった場所も地図に記載しているので、あわせてご覧ください。

写真1

「トキワ荘」跡入口

トキワ荘は、昭和27年から昭和57年まで存在した木造アパート。
映画「トキワ荘の青春」で当時の様子が再現されている。
現在、跡地には出版社が建ち、当時の面影を見てとることはできないが、
漫画の聖地として訪れる人が後を絶たず、
跡地の入口には案内看板がおかれている。
豊島区南長崎3丁目(現・日本加除出版の所在地)

写真2

南長崎花咲公園

地元住民の要望で設置にいたった
「トキワ荘のヒーローたち」という記念碑のある公園。
上部にはブロンズ模型のトキワ荘が、台座部分に、
トキワ荘に入居していた10人の漫画家の自筆のサインと似顔絵が刻まれる。
寄り添っているのは、トキワ荘完成当時の住所が記された昭和風情の電柱。
豊島区南長崎3-9-22

写真3

紫雲荘

「紫雲荘」とは、週刊誌の仕事で忙しさを増した赤塚不二夫が、
トキワ荘の他に仕事部屋として借りたアパート。
窓を開けるとトキワ荘で、窓越しに会話ができるような位置関係だったそう。
赤塚が過ごした部屋の特別公開もおこなわれているので、
トキワ荘通りのブログなどでチェックを。
豊島区南長崎3丁目

写真4

ほんだ薬局

映画「トキワ荘の青春」では主人公として描かれ、
若い漫画家たちのリーダー的な存在だった、テラさんこと寺田ヒロオ。
「チューダー」と名付けた焼酎のサイダー割をよく飲んでいたことにちなんでつくられた
サイダー味のあめを販売する薬局。
トキワ荘跡巡礼をする人たちの定番みやげに。
豊島区南長崎2-2-3 03-3951-2268

写真5

瀧乃家

トキワ荘通りと呼ばれる一帯からは少し離れているけれど、
漫画好きなら訪れてみたい蕎麦屋。
赤塚不二夫、ジョージ秋山、ちばてつや、横山光輝、諸星大二郎、山田紫はじめ、
著名な漫画家たちのサイン色紙が壁に飾られている。
「雪男」や「巣ごもり蕎麦」など、ここにしかない品書きも。
新宿区下落合4-26-8 03-3954-1231

甲斐みのり

文筆家。旅や散歩、お菓子や手土産、クラシック建築にホテル、雑貨に暮らしなど、女性が好み憧れるモノやコトを主な題材に、雑誌や書籍に執筆。数校のカルチャースクールで、まち歩き講座の講師をつとめる。著書に『乙女の東京』『お菓子の旅』など。

 バックナンバー

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第12回:上野恩賜公園

第11回:人形町

第10回:雑司が谷

第9回:聖蹟桜ヶ丘

第8回:椎名町

第7回:新宿

第6回:阿佐ヶ谷

第5回:東京タワー

第4回:神楽坂

第3回:井の頭公園

第2回:谷根千

第1回:神保町

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