甲斐みのりのコラム「東京映画散歩」

第9回:蹟桜ヶ丘

『acteur(アクチュール)』7月号の連載「東京映画散歩」。第9回のテーマは、スタジオジブリ映画「耳をすませば」(以後、「耳すま」と略)のモデルとなった、聖蹟桜ヶ丘。本誌では、駅前にある映画の中の地球屋をイメージしたポストや、主人公の雫が父が働く図書館へ向かうため駆け降りた階段、杉本が雫に告白する神社や、地球屋がある設定のロータリーなどご紹介しています。その他にも、映画の場面と重なり合う東京郊外の、坂や丘や川のある風景を辿ります。

写真1

聖蹟桜ヶ丘駅

図書館で働く父へ弁当を届けに行く雫は、
電車の中でムーンという名の不思議な猫に出会う。
猫とともに降りた駅の風景も、聖蹟桜ヶ丘駅がモデル。
「耳すま」の舞台となったことにちなんで、
今年の4月から、駅で流れる列車接近メロディーが、
映画で主題・挿入歌として流れる「カントリー・ロード」に。
劇中の日本語詞は雫が訳した設定。
多摩市関戸1-10-10

写真2

「耳をすませば」モデル地案内マップ

聖蹟桜ヶ丘駅西口にある、「耳すま」に登場するアンティークショップ・
地球屋をかたどった「青春のポスト」の隣に、町歩きに親切な案内マップが。
地図で紹介されているところどころを歩けば、映画の中に入り込んだような心地に。
けれどもこちらのマップにはいない、劇中の場面と重なる風景がまだまだ随所に。
本誌マップと併用をどうぞ。
多摩市関戸1-10-10

写真3

いろは坂

劇中では、幾重に曲がりくねった坂道の途中「いろは坂桜公園」がある場所に、
雫の父が働く図書館がある設定。
雫が地球屋から図書館に向かうため駆け降りる急な階段も
映画ファンにはときめける場所。
そして、この高台をのぼりきったところで待っているのが、
杉村が雫に告白した神社や、地球屋が建つ設定のロータリー。

写真4

天守台(関戸城跡)

いろは坂をのぼりきり、いろは坂通りを進むと
道の左手に「天守台」の案内看板が。
劇中にも似たような看板が登場し
「天守の丘」という文字が刻まれている。
この小高い丘陵にはかつて関戸城が築かれ、
鎌倉幕府軍と討幕軍が合戦を繰り広げたという歴史あるところ。
物見台の役割を担った場所らしく、辺りからの見晴らしはすばらしい。

写真5

ノア洋菓子店

本誌でも写真付きで紹介している、桜ヶ丘ロータリー前の洋菓子店。
「耳すまサブレ」の販売もあり、映画ファンにやさしいご主人。
カウンターの上には、雫が書いた物語の主人公、
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵、通称バロンの人形が。
バロンは映画「猫の恩返し」にも登場。
背景に写っている飾りガラスに描かれているのは地球屋。
多摩市桜ヶ丘2-2-9 0423-73-0660

甲斐みのり

文筆家。旅や散歩、お菓子や手土産、クラシック建築にホテル、雑貨に暮らしなど、女性が好み憧れるモノやコトを主な題材に、雑誌や書籍に執筆。数校のカルチャースクールで、まち歩き講座の講師をつとめる。著書に『乙女の東京』『お菓子の旅』など。

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