甲斐みのりのコラム「東京映画散歩」

第13回:上野駅

『acteur(アクチュール)』3月号の連載「東京映画散歩」。第13回目に訪れたのは、明治16年に開業し、東京の北の玄関口として多くの人が行き交う上野駅。「東京暮色」「晩菊」「女中っ子」「一粒の麦」「また逢う日まで」「君の名は」「ゼロの焦点」「ALWAYS三丁目の夕日」……数々の映画の、上京したり東京から去るシーンに登場します。本誌では、そんな上野駅周辺の食の老舗や演芸小屋を巡る散歩を。webではご紹介しきれなかった立ち寄り処をご紹介します。

写真1

松坂屋上野店

呉服店よりはじまり、百貨店としては明治40年からの歴史。
日本ではじめてエレベーターガールが導入されたモダンな店で、
現在もエレベーターホールや階段に、
ルネサンス様式の厳かで華麗な装飾が見られる。
夏目漱石や西条八十が歌に詠み、「秋日和」ではセリフの中、
「煙突の見える場所」はじめ数々の映画に威厳ある姿が映し出される。
台東区上野3-29-5 03-3832-1111

写真2

大統領

上野駅のガード下にあり、「馬のモツ煮込み」や「くさや」が名物のもつ焼き酒場。
「安くて、早くて、うまくて、居心地よし」の店として親しまれ、
近くには本店よりも広くてこぎれいな支店もオープン。
ご近所にあり、入口で立ち飲みもできるレストラン「肉の大山」の、
「やみつきメンチ」100円も、その名の通り、やみつきに。
台東区上野6-10-14 03-3832-5622

写真3

上野風月堂 本店

「パンダアイスクリーム」に「パンダパフェ」、「パンダホットケーキ」など、
上野名物といえるパンダモチーフのおやつが並ぶ和洋菓子の店。
その歴史は江戸時代にまでさかのぼり、ゴーフルや東京カステラが名物。
作家・小島政二郎の小説の題材になったり、
横山大観やサトーハチロー、宇野千代、数々の芸術家や作家に愛された。
台東区上野1-20-10 03-3831-3106

写真4

アメ横センタービル

戦後、食料不足に悩む人々によって
自然に発生した闇市がアメ横のはじまり。
芋アメを売る店が多くあったことからその名で呼ばれるように。
「アメ横センタービル」の前身は「近藤マーケット」と呼ばれ、
現在の建物が築かれたのは昭和58年。
地下街にはアジア各国の食材がずらりと並び、
まるで異国の商店街。食材を調達するのにも便利。
台東区上野4-7-8 03-3831-0069

写真5

お江戸上野広小路亭

平成8年の開亭と、芸能が盛んな上野の中でも比較的新しい演芸場。
毎月1日~15日には落語芸術協会による寄席が定席で開催される。
その他にも、立川流、円楽一門の落語や、伝統芸能、講談、
マジックやモノマネショー、若手芸人のお笑いライブなど幅広く公演。
昼の部と夜の部があり、だいたい2000円ほどでたっぷり芸能を楽しめる。
台東区上野1-20-10 03-3833-1789

甲斐みのり

文筆家。旅や散歩、お菓子や手土産、クラシック建築にホテル、雑貨に暮らしなど、女性が好み憧れるモノやコトを主な題材に、雑誌や書籍に執筆。数校のカルチャースクールで、まち歩き講座の講師をつとめる。著書に『乙女の東京』『お菓子の旅』など。

 バックナンバー

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第13回:上野駅

第12回:上野恩賜公園

第11回:人形町

第10回:雑司が谷

第9回:聖蹟桜ヶ丘

第8回:椎名町

第7回:新宿

第6回:阿佐ヶ谷

第5回:東京タワー

第4回:神楽坂

第3回:井の頭公園

第2回:谷根千

第1回:神保町

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