甲斐みのりのコラム「東京映画散歩」

第15回:浅草

『acteur(アクチュール)』7月号の連載「東京映画散歩」。第15回目に訪れたのは浅草。国分太一主演「しゃべれどもしゃべれども」や森田芳光監督「の・ようなもの」と二つ目の落語家を描いたもの、浅草演芸ホールが登場する大林宣彦監督「異人たちとの夏」「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」に「海の若大将」とシリーズ映画の舞台にもなったお江戸の繁華街。日本屈指の観光地でありながら、下町らしい風習や人情、そして風景に出会える町を散歩しました。本誌で紹介した、「浅草今半別館」「アンヂェラス」「浅草観音温泉 」「珈琲天国」「マルベル堂」の他に、おすすめの浅草をご案内します。

写真1

捕鯨船

ビートたけしの歌「浅草キッド」で煮込みしかないと歌われる、
くじら料理の店。しかし実際、品書きは豊富。
たけしに憧れ訪れる若手芸人が後を絶たず、
店の壁には直接サインがぎっしりと書き込まれている。
芸人だけでなく、ちばてつやや原哲夫といった漫画家のサインも。
テントには「鯨(ゲイ)を食って芸を磨け!!」という言葉が。
台東区浅草2-4-3 03-3844-9114

写真2

浅草 正ちゃん

通称「ホッピー横丁」と呼ばれる居酒屋通りの名店。
創業は昭和26年、屋台からはじまった。
近くに場外馬券場があるので、
土日は競馬新新聞片手の競馬ファンで埋まることも。
カウンターは数席、
あとは店の外に出されたテーブル席で飲み食べする。
名物は大きなどっしり大きな豆腐が入った牛すじの煮込みと、
それをごはんにかけた牛めし。
台東区浅草2-7-13 03-3841-3673

写真3

犬印鞄製作所 雷門通り店

昭和28年創業の、帆布鞄の工房。
ラベルに描かれているのは、犬と鞄の絵。
物資が不足していた戦後、
救助犬の首につけられ大切なものを安全に運んだ鞄ににちなむ、
店の名とマーク。滋賀県高島市で生産される帆布生地を使い、
職人が一枚ずつ手作りする。
バッグ類だけでなく、ブックカバー、帽子、財布なども充実、
色や柄も豊富。
台東区浅草1-6-2 03-3841-7219

写真4

洋食 ヨシカミ

「うますぎて申し訳ないス!!」というキャッチコピーと
コックさんイラストでおなじみの洋食店。
昭和26年、10席のカウンター席のみで誕生するも、
元の商売人や芸人に愛され大繁盛。
席数も増え、オープン前から行列ができることも。
ステーキ、シチュー、卵料理、パスタ、サンドウィッチと、メニューの数も多く、
古きよき昭和の味わい。
台東区浅草1-41-4 03-3841-1802

写真5

待合室

競馬のある日には店内のテレビに競馬中継が映し出される広々とした喫茶店。
ジャズライブが開催されたり、夜はカラオケタイムがはじまったり、
浅草らしいフリーダムな雰囲気が漂う。
2階は「部長室」という名の麻雀店で、
毛筆での手紙教室や、抒情歌を唄う教室など
八十歳を越えた先生が教えてくれる趣味の講座も開講される。
台東区浅草2-4-3 03-3841-1214

甲斐みのり

文筆家。旅や散歩、お菓子や手土産、クラシック建築にホテル、雑貨に暮らしなど、女性が好み憧れるモノやコトを主な題材に、雑誌や書籍に執筆。数校のカルチャースクールで、まち歩き講座の講師をつとめる。著書に『乙女の東京』『お菓子の旅』など。

 バックナンバー

第19回:向島界隈

第18回:高円寺

第17回:築地

第16回:東京駅~丸の内

第15回:浅草

第14回:渋谷

第13回:上野駅

第12回:上野恩賜公園

第11回:人形町

第10回:雑司が谷

第9回:聖蹟桜ヶ丘

第8回:椎名町

第7回:新宿

第6回:阿佐ヶ谷

第5回:東京タワー

第4回:神楽坂

第3回:井の頭公園

第2回:谷根千

第1回:神保町

帯

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