甲斐みのりのコラム「東京映画散歩」

第17回:築地

『acteur(アクチュール)』11月号の連載「東京映画散歩」。第17回目に訪れたのは、東京の台所と呼ばれる築地。かつて外国人居留地が置かれ、横浜や神戸に並ぶハイカラな町だった一帯は、「築地魚河岸三代目」「魚河岸帝国」、築地市場が舞台の作品の他にも、「銀座化粧」「長屋紳士録」「天国は待ってくれる」と、さまざまな映画に映し出される。市場で舌鼓を打ったあとは、腹ごなしに築地映画散歩を。

写真1

波除稲荷神社

江戸時代に築地の埋め立て工事がおこなわれた際、
荒れた海から御神体が見つかり波がおさまったことから、
厄除の神社として信仰される。食の町・築地の守り神らしく、
境内には、すし塚、海老塚、玉子塚、活魚塚、鮟鱇塚が。
日本一の獅子頭が鎮座し、
それを神輿で担いで練り歩く「つきじ獅子祭」の間は、
築地の町中が熱気に満ちる。
中央区築地6-20-37 03-3541-8451

写真2

築地小劇場跡

大正13年、土方与志と小山内薫によって開設された、
日本初の新劇の常設劇場跡。
新劇とは、伝統的な歌舞伎のことを指す旧劇に対し、
写実的なヨーロッパ流の近代演劇を表した言葉。
チェーホフやゴーリキなど海外の翻訳劇の他、
武者小路実篤や坪内逍遥などが創作した戯曲も演じられた。
今はビルの外壁に記念碑が飾られている。
中央区築地2-11あたり

写真3

カトリック築地教会

東京都の歴史的建造物と中央区の文化財に選定される
東京で最古のカトリック教会。
明治4年にひらかれた稲荷橋教会が前身で、
現在の建物は昭和2年築。ギリシア神殿風の聖堂は、
石造りに見えながら実は木造建築という珍しい作り。
かつて築地が外国人居留地だった頃の面影を伝える。
ドラマ「ガリレオ2」はじめたびたびドラマのロケ地に。
中央区明石町5-26 03-3541-8185

写真4

聖路加国際病院聖ルカ礼拝堂

明治33年からの歴史があり、映画「震える舌」、小津安二郎「彼岸花」
「殺人遊戯」に映し出される聖路加病院の礼拝堂。
関東大震災やその後の火災を経て、現在の建物は昭和11年に建てられたもの。
完成当時は全ての病室から屋上の十字架を見ることができ、
患者さんを精神的に支える大切な役割を果たしていたという。
中央区明石町10-1 03-5550-7043

写真5

築地市場場内水神様通り

築地市場場内の名店街。「吉野家」一号店で牛丼、
「禄明軒」は昔ながらの洋食、「豊ちゃん」でとんかつ、
ピザは「トミーナ」、甘味処「茂助」でだんご、
喫茶「木村家」で朝のコーヒー、
「龍寿司」と「岩佐寿司」で江戸前寿司、
「中栄」ではインドカレー、中華「ふぢの」で中華ラーメン。
どの店に入っても間違いなしの老舗・名店揃い。
中央区築地5-2-1築地市場1号館

甲斐みのり

文筆家。旅や散歩、お菓子や手土産、クラシック建築にホテル、雑貨に暮らしなど、女性が好み憧れるモノやコトを主な題材に、雑誌や書籍に執筆。数校のカルチャースクールで、まち歩き講座の講師をつとめる。著書に『乙女の東京』『お菓子の旅』など。

 バックナンバー

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第18回:高円寺

第17回:築地

第16回:東京駅~丸の内

第15回:浅草

第14回:渋谷

第13回:上野駅

第12回:上野恩賜公園

第11回:人形町

第10回:雑司が谷

第9回:聖蹟桜ヶ丘

第8回:椎名町

第7回:新宿

第6回:阿佐ヶ谷

第5回:東京タワー

第4回:神楽坂

第3回:井の頭公園

第2回:谷根千

第1回:神保町

帯

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