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【新刊『台湾エンタメパラダイス vol.19』より】 服役中の国際的監督が獄中で製作、そして、短編作品賞を受賞!本物の受刑者と刑務官による映画とは

2017年10月16日


(C)台北電影節


 『きらめきの季節/美麗時光』(01)や『愛が訪れる時』(10)ほか数々の秀作を生み出し、国際的にも知名度の高い台湾のチャン・ツォーチ監督。だが、2013年に強姦罪で起訴され3年10カ月の刑を言い渡され入獄した。
 今年開催された第19回台北映画祭(台北電影節)で短編作品賞を受賞したのは、獄中のチャン・ツォーチ監督が刑務所での生活を綴った短編小説を映画化した『鹹水雞的滋味』だった。
 テーマは「母の愛」。ある受刑者の面会に刑務所へ来た母親が末期ガンで、もうこれが最後の面会になるということを母から聞かされた受刑者の心情が、日々の生活の様子と共に描かれる。監督のコメントによると、この映画で描かれていることは全て真実だそうだ。
 チャン・ツォーチ監督の2015年の長編『酔生夢死』(日本では東京フィルメックスで上映された)は監督が服役中にもかかわらず、同年の第17回台北映画祭で最高賞である100万元グランプリをはじめ、長編作品賞、主演男優賞など賞を総なめにした。台湾はなんと懐が広いのだろうと驚いたが、今回獄中での映画製作が実行され、しかも製作は「法務部矯正署台北監獄」だ。チャン・ツォーチが全てを教えこんだ受刑者が制作スタッフを務め、俳優も受刑者と本物の刑務官である。
 台北映画祭の授賞式では、チャン監督の代わりに刑務所の副所長がトロフィを受け取った。その後チャン監督はというと、受賞から約1ヶ月が経った8月に、受刑者の更生に寄与したということで、刑期満了を待たずに仮釈放請求が認められ、仮釈放された様子が現地の各メディアで報道された。
 この短編『鹹水雞的滋味』は、生命教育の短編映画として台湾の「法務部矯正署台北監獄」の公式サイトで誰でも見られるようになっている。

臺北監獄生命教育短片『鹹水雞的滋味』


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