カンヌ監督賞受賞!! ソフィア・コッポラ最新作インタビュー

2018年2月23日


撮影:ホンマタカシ

大胆にも1971年のドン・シーゲル監督×クリント・イーストウッド主演の『白い肌の異常な夜』と同じ物語を女性の視点から描いた『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』。この野心作で、第70回カンヌ国際映画祭において、女性として史上2人目の監督賞を受賞したのが、アメリカでいま最も期待されている女性監督であるソフィア・コッポラだ。南北戦争下の瀟洒(しょうしゃ)な屋敷で起こる7人の女とひとりの男の間で繰り広げられる物語。この心理スリラーでソフィアは初めてジャンル映画に挑戦し、新境地を開拓した。傷つきやすい少女の世界を脱皮したソフィアの欲望の行方とは?

私がやりたいのはこれなんだという実感


(C) 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

ソフィア・コッポラ(以下ソフィア):「映画監督の仕事をするようになって正直、ほっとしたわ。それまでは、自分が本当になにをすべきかわからずもやもやしていた。そういう葛藤って私だけ特別じゃなくて、若い時には誰にでもあることだとは思うけれど」

ソフィア・コッポラは、短篇を経て1999年に『ヴァージン・スーサイズ』で長篇デビューした20代後半を振り返る。もちろん、ソフィアは、映画業界のド真ん中で育ってきた。わずか0歳の時、父親のフランシス・フォード・コッポラの代表作『ゴッドファーザー』(1972年)に赤ちゃん役で出演、その後も映画のセットやロケ現場を遊び場に育ったのだ。10代から女優をはじめ、写真家、ファッション・デザイナー(映画の衣裳も手がけた)など興味の赴くままに、さまざまな分野にチャレンジし、辿り着いたのが映画監督だったというわけである。

ソフィア:「寄り道というわけじゃないと思うの。ヴィジュアル、ファッション……すべて私が好きなものが映画の中には詰まっている。私がやりたいのはこれなんだという実感があったわ」

デビュー以来、3~4年に1本のペースで新作を発表。2作目の『ロスト・イン・トランスレーション』(2003年)は東京でゲリラ・ロケを敢行した低予算映画ながら、アカデミー賞4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞。4作目の『SOMEWHERE』(2010年)はヴェネチア国際映画祭で金獅子賞(最高賞)を受賞と着実にキャリアを築いてきた。そして、6作目の本作、『TheBeguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(2017年)では、カンヌ国際映画祭で女性監督として2人目となる監督賞を受賞という快挙を成し遂げた。


NOと言われたら、YESと言わせる方法を考える


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ソフィア:「女性監督は確実に増えているし、変化も感じているわ。その変化はもっと進めばいいと思う。でも、大切なのは、自分がやりたいことを把握して、貫くこと。私も(経験を積んだ)今でも“NO”と言われることはよくある。でも、落胆したり、諦めたりしない。説明の仕方を変えたり、アプローチ方法を変えたりして、どういう風に“YES”と言わせられるか考えるの。自分の信じているものを作り続けていきたいから」

創作の原動力となるのは、

ソフィア:「居心地のいい場所に留まらないで、自分の世界を押し広げること」

知らないこと、経験したことのないことへの挑戦は、いつでもエキサイティングな経験だとソフィアは言う。

ソフィア:「『椿姫』のオペラ(※2016年にローマ歌劇場で上演されたヴェルディの傑作『椿姫』を演出。その舞台を記録したドキュメンタリー『ソフィア・コッポラの椿姫』は2017年に劇場公開された)の演出を手がけたこともその理由よ。ヴァレンティノ(・ガラヴァーニ)から依頼された時には驚いたわ。舞台演出の経験もなく、オペラに造詣が深いわけでもない。でも、新しいことに対するチャレンジだと思った。怖かったけど、やってよかった。一から成し遂げたという実感は、自信になったと思う」

 

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(原題:The Beguiled)
2017年・アメリカ・1時間33分 監督・脚本:ソフィア・コッポラ 撮影:フィリップ・ル・スール 美術:アン・ロス 衣装:ステイシー・バタット 出演:ニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニング、コリン・ファレル、ウーナ・ローレンス、アンガーリー・ライス、アディソン・リッキー、エマ・ハワード 配給:アスミック・エース、STAR CHANNEL MOVIES ◎2月23日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて (C) 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

取材・文:立田敦子/制作:キネマ旬報社

『TheBeguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』で新境地を開拓したソフィア。インタビューの後半では、本作との出会いや信頼する女優たちとの裏話も! 記事全文は、こちらから↓