実話をもとに描く青春物語『世界でいちばん長い写真』高杉真宙インタビュー

2018年6月1日


撮影=近藤誠司

実話をもとに描く青春物語『世界でいちばん長い写真』高杉真宙インタビュー

「過去の出来事を、作品を通して知っていただくことは僕のやりたいことの一つでした。伝えることが役者の仕事だと思っていましたから」

そう爽やかな笑顔で語るのは高杉真宙。昨年も主演映画『逆光の頃』をはじめ、『PとJK』『トリガール!』『散歩する侵略者』などの映画や連続ドラマ「セトウツミ」に次々と出演した彼の最新主演映画『世界でいちばん長い写真』は、映像化もされている『武士道シックスティーン』『ストロベリーナイト』などの著者の誉田哲也が、実話をもとに書いた同名小説の映画化。本作で高杉は、ギネス記録を持つパノラマカメラと出会ったことで、目的が持てずにいたモノクロの人生を色鮮やかなものに変える主人公の高校生・内藤宏伸を演じているのだ。

「昨年の8月に、“世界でいちばん長い写真”が実際に撮られた知多半島(愛知県)の高校で、そこの制服を着て撮影したんです。カメラも展示されていた本物をお借りしました。いまはそのカメラで撮影はできないんですけど、フィルムの入れ方や撮り方を教えてもらいましたし、すごく重みを感じましたね。劇中に出てくるあの分厚いデカいフィルムも実際のものです。自分の想像より大きいし重いし、迫力もあったけれど、このスケールだからあの長さの写真が撮れるということがわかったのはよかったですね」

宏伸を演じるのは難しかった


撮影=近藤誠司

写真部に所属する宏伸は、消極的で引っ込み思案。自分の考えを口にしないから部長の三好奈々恵(松本穂香)に怒られてばかりいるが、「彼は僕と似ているところが多い」と高杉は言う。

「僕も写真は好きだけど、宏伸と一緒で、撮るのは人ではなく風景ばかり。消極的なところも似ていたのかなと思うし、仕事以外ではそこまで主張しないところも彼に近いかもしれません。仕事の現場では自分から発信しないと何も変わらないから言いますけど、性格的に、言わなくても大丈夫だなと思ったら発言を控えます。そこは、ただ内気な宏伸とは違いますね」

役柄と素の自分が微妙に近くて微妙に異なるが故に、「宏伸を演じるのは難しかった」と振り返る。

「どの作品に入っても僕の自信は簡単にへし折られるんですけど(笑)、この作品でもそれがありました。自分の場合は現場に入って、その雰囲気を感じながら役のことを知ったり、セリフの意味を理解することが多いんです。でも、今回は宏伸の気持ちが最初のうちはわからないことが多くて。監督や誰かに指摘されたわけではないんですけど、自分の中でうまくいってないな、宏伸と合致していないと思うことがあったんです」

その気がかりは役と真摯に向き合い、自分との折り合いをつけていく作業をきちんとしていることの証だが、それを検証する言葉の端々には、高杉のこだわりが感じられて面白い。例えば、「今回は、主演だから座長ですよね。座長になると現場の居方も変わるんじゃないですか?」という質問をした時の彼の言葉。少し耳を傾けてみよう。

みんなが楽しみながらいい作品を作れる環境にしたい


撮影=近藤誠司

「基本的に、自分の中には座長だからみんなを引っ張っていこうという意識はないんですよね。ただ、できるだけ現場の雰囲気は良くしたくて。みんなが楽しみながらいい作品を作れる環境になるといいなといつも思っているけれど、その空気は自分がわざわざ何かをしなくても、挨拶をちゃんとしたり、当たり前のことを積み重ねて、それを崩さなければ作れると思っているんです。逆に基本的なことができていないと、現場の空気が悪くなる可能性がありますからね」

インタビューの続きは『キネマ旬報NEXT Vol.20』に掲載。今号は『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』で表紙・巻頭特集を行った。山下智久のほか、山下健二郎×岩田剛典、佐野玲於×中川大志×高杉真宙×横浜流星、新田真剣佑、福士蒼汰ら新作公開を控える期待の俳優陣のインタビューを掲載している。(敬称略)

『世界でいちばん長い写真』
(6月23日(土)~シネ・リーブル池袋・イオンシネマ全国順次ロードショー)
監督・脚本:草野翔吾 原作:誉田哲也 出演:高杉真宙、武田梨奈、松本穂香、水野勝、吉沢悠、小松政夫 配給:スターキャット、キャンター
公式サイト:sekachou.com/ツイッター(@nagai_shashin)

スタイリスト=石橋修一/メイク=堤 紗也香
取材・文=イソガイマサト/制作:キネマ旬報社

インタビューの続きや『キネマ旬報NEXT Vol.20』の『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』表紙・巻頭特集の詳細はこちらから↓