誰かに教えたくなるシネマ<12月号>

2018年11月30日

誰かに教えたくなるシネマ

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毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開ながらの傑作など、様々な掘り出し映画との出会いを提供します!

<12月リリース作品>

“可愛い!”のオンパレード!

『オンネリとアンネリのおうち

 

  アット エンタテインメントより11月21日リリース

 

 

(C) Zodiak Finland Oy 2014. All rights reserved.

【STORY】

仲良しの少女、オンネリとアンネリ。それぞれの家で居場所のないふたりはある日、手紙とお金の入った封筒を見つける。正直に警察に届けたことからそのお金をもらうことになったふたりは、素敵なお家を買うことになり……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

偶然手に入れたお金で超絶可愛いお家を購入し、ふたりだけの生活を始めた女の子たちのお話。色違いの服を着て無邪気に過ごすふたりのキュートさに加え、続々登場する北欧ならではのアイテムがいちいち可愛い! そして魔法が使えるご近所さんやユルさ全開のお巡りさんなど……この物語に悪い人なんて出てきません! というより、ちょっとお金に目がくらんだ泥棒ですら憎めない。そんな、観た人をやさしい気持ちにさせる作品です。さすが北欧児童文学……おそるべし。

 

絶望を共有するふたりの目覚め

『ビューティフル・デイ

 

  クロックワークスより12月4日リリース

 

 

Copyright (C)Why Not Productions, Channel Four Television Corporation, and The British Film Institute 2017. All Rights Reserved. (C)Alison Cohen Rosa / Why Not Productions

【STORY】

元軍人のジョーは、行方不明者の捜索を請け負うスペシャリスト。ある日、彼の元に行方不明となった議員の娘を救いだす依頼が舞い込む。彼女が少女専門の売春宿にいるのを見つけると、いつものように救出しようとするが……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

「少年は残酷な弓を射る」のリン・ラムジー監督と、怪優ホアキン・フェニックス、そして音楽はレディオヘッドのギタリスト、ジョニー・グリーンウッド。すべてが主役! な逸品。ホアキン演じる男は、重いPTSD で自殺願望に悩まされる中、救出したのは同じくとんでもない環境に置かれた少女(超絶美人)。トラウマをさらなる絶望で破るような衝撃の展開の連続なのに、映像はやけに静謐でクール。彼らと同様に『今ここで生きていない』と感じるならば、この映画は心のど真ん中を射るはず。



男の謎に秘めた、本作の想いとは……。

『海を駆ける

 

 アミューズソフトより12月5日リリース

 

 

 

(C) 2018“The Man from the Sea”FILM PARTNERS

【STORY】

インドネシア、バンダ・アチェのNPO 法人で働く貴子。ある日海岸で正体不明の日本人らしき男が発見される。貴子はその男をしばらく預かることになるが、その周りで少しずつ不可思議な現象が起こり始めていて……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

海から打ち上げられた謎の男、ラウ。彼の謎と津波の被害に遭った人々の痛みを軸にしつつ、アチェの美しい風景や若者達の淡い恋模様を心地よく描く。そして不思議な力を持ち、人々を見守るように過ごす彼は一見、救世主のように映るが、そんな期待を覆すかのような衝撃のラスト。最後まで、残酷さと美しさを共存させるように描いたこの物語が伝えたかったメッセージは何なのか。この男は何者なのか。本作のキャッチコピーを改めて見た時、その答えに少し、近づけたような気がした。



学校生活のあれやこれが凝縮

『世界でいちばん長い写真

 

 キングレコードより12月5日リリース

 

 

 

(C) 2018 映画「世界でいちばん長い写真」製作委員会

【STORY】

高校写真部の宏伸は引っ込み思案なうえ、人物を撮るのが苦手で部長の奈々恵に怒られてばかり。しかし高校最後の夏休み、360度の長い写真が撮れる珍しいカメラと出会い、その現像した写真を見て今までにない感動を味わう。

 【オススメCOMMENT】                                                              

カメラが主題だからか、一歩引いて物語を綴る本作。何気ない日常をしっかり映し、丁寧に積み重ねて、主人公や周りの人たちの描かれない日々の様子さえ想起させる。また、松本穂香演じる写真部の部長でクラス委員という女子が秀逸。本当の自分を隠して、何者かを演じていなければ済まないような学校という窮屈な世界で、別に好きでこんな役回りでいるんじゃないんだからと、いつも気を張って不機嫌な顔でいる彼女の、ふと見せる素の部分が健気で、つい応援したくなります。



こんなニコケイが観たかった。

『マッド・ダディ

 


  ポニーキャニオンより12月5日リリース

 

 

 

(C) 2017 Mom & Dad Productions, LLC

【STORY】

家族4 人で何ら変わらない日常を過ごすブレント。ある日親が実の子供を殺害したという陰惨なニュースをテレビで目にする。国中がパニックに陥る中慌てて帰宅した彼は、愛しい我が子を見た瞬間、何かがはじけ飛び……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

「あの頃描いていた未来ではないけれど、まあまあ幸せ」という若干のくすぶりと共に日々をやり過ごす両親たち。ある日突然タカがはずれ、本来守るはずの子供を殺しに走るという、まったく笑えない状況に。ニコケイも手にハンマーを掲げてどこまでも子どもを追っかけまくる。その表情の楽しそうなこと、いや、恐いことと言ったら。さらには自分の父親まで出てきて今度は自分が追いかけられる、というファミリーチェイスには恐怖ながらも爆笑必死。ニコケイの最高傑作です。



宇宙人はやっぱ、いるってよ!

『UFO -オヘアの未確認飛行物体-

 


  ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントより12月5日リリース

 

 

 

(C) 2018 Cincy Dawn, LLC. All Rights Reserved.

【STORY】

アメリカの国際空港で白昼、謎の飛行物体が利用客などに目撃される。報道でその騒動を知った数理科学を専攻する大学生のデレクは、飛行物体がメッセージを送っていたことを解明していく。しかしそれを監視する謎の組織は……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

UFO と聞くだけでザワザワしてしまうが、実際の事件が基であるということでさらにザワザワ。しかも謎に迫っていく主人公に重要な“気づき”を与える教授役に、「X-ファイル」のスカリーこと、ジリアン・アンダーソンとくれば申し分なし。全体に硬質で不穏な緊張感が流れる一方、彼女未満な女の子との微妙な距離間だったり、同室の友達のイケメンな描写などが丁寧に描かれ、UFO ものにありがちなB 級感漂う作品とはひと味違って、懐かしい青春ものが観たい人にもお薦めです。



■前回の誰シネ(11月リリースタイトル)は
こちらから


 

(C)Maipo Film AS Subotica Ltd. Sirena Film s.r.o.

【STORY】

19 世紀半ばのノルウェー。貧しい家庭に育つ三人兄弟の末っ子エスペンは、政略結婚から逃れてきた王女・キリステンと出会い惹かれあうが、彼女はトロールに拉致されてしまう。エスペンは兄弟らと共に救出に繰り出すが…。

 【オススメCOMMENT】                                                              

18歳までに結婚しなければ、王女はトロールにさらわれるという期限つきの伝承は末恐ろしい。王女を見つければ彼女と国の半分をもらえることから、己の欲望真っしぐらの王子と、家を焼いてしまったがためにお金が必要な村の子エスペン兄弟たちが、水中、洞窟の中をかけめぐり、巨大トロールに出会うため、あの手この手で大奮闘。トム・ホランド似のイケメン、エスペンのトロール撃退術は目からウロコ…。夢のような幻覚を見せるあの金色の林檎は、ある意味毒リンゴより罪なアイテムかも。