誰かに教えたくなるシネマ<6月号>

2019年5月30日

誰かに教えたくなるシネマ

wayf_bord

毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開ながらの傑作など、様々な掘り出し映画との出会いを提供します!

<6月リリース作品>

ラストは達成感&スカッと感!

マイ・プレシャス・リスト

 

 松竹より5月22日リリース

 

 

(C)2016 CARRIE PILBY PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【STORY】

NYに暮らすキャリーは、ハーバード大学を飛び級で卒業するも仕事につかず、友人もいないコミュニケーション能力ゼロの屈折女子。ある日唯一の話し相手であるセラピストから、6つの課題が書かれたリストを渡される。

 【オススメCOMMENT】                                                              

「6才の時何してた?」と聞かれれば「石油会社に抗議の手紙を書いてた」と答えるパンクな女の子キャリー。同級生とは気が合わず、クズな大学教授(イケメン)のせいで恋愛にも臆病な彼女が、幸せになるためのあるリストをこなしていく。基本ふてぶてしい彼女だけど、ペットの金魚に話しかける姿は少しあどけないギャップがあって可愛い。不器用ながらも懸命にリストをクリアしていく姿にも元気をもらえます。そして最後に成し遂げたある出来事には、拍手&ガッツポーズです!

 

とりあえず真面目に生きよう

『暁に祈れ

 

 ハピネットより6月4日リリース

 

 

(C)2017 - Meridian Entertainment - Senorita Films SAS

【STORY】

イギリス人ボクサーのビリーはタイで麻薬中毒になり、稼いだ金をドラッグに費やす日々を送っていたが、逮捕され収監されてしまう。凶悪な囚人たちで溢れかえる刑務所で生き抜く中で、ムエタイとの出会いが彼を変えていく。

 【オススメCOMMENT】                                                              

いっそ死んだほうがましだ、と思わせる圧倒的な生き地獄感が恐ろしい。しかし、そんな所であっても、一般房や、凶悪な者たちの房、主人公ビリーが辿りつくムエタイチームの房などがあって、暴力と恐怖によって支配を敷く凶悪犯たちとは対照的に、ムエタイの男たちは、ストイックで相手へのある種の敬意と仲間意識が厚い。まったく次元の異なる世界が同居する混沌に酔う。もがきながらムエタイに出会ったビリーから次第に険しさが消え、何かを悟ったような面構えになる終盤に感動。



罪と愛が混じりあう悲恋の島

『軍中楽園

 

 マクザムより6月4日リリース

 

 

 

(C) 2014 Honto Production Huayi Brothers Media Ltd. Oriental Digital Entertainment Co., Ltd. 1 Production Film Co. CatchPlay, Inc. Abico Film
Co., Ltd All Rights Reserved

【STORY】

1969年、中国と台湾が対立していた時代。台湾の青年隊・バオタイは、砲弾が降り注ぐ攻防の最前線にいた。「特約茶室」を管理する831部隊に配属になった彼は、「軍中楽園」と呼ばれる娼館で、どこか影のある女と出会う。

 【オススメCOMMENT】                                                              

40年間にわたって公然の秘密だった軍公認の娼館が舞台。戦争の緊張を包み込むかのように存在する娼婦の島は、どこか牧歌的で温かい。娼婦のニーニーと友情を紡いでいくバオタイだが、彼女にはある秘密があり、拭いきれないその罪の重さがふたりの間を阻む。小悪魔な娼婦と未来を約束しようとする老兵が、愛ゆえに引き起こす惨劇も衝撃的だ。想い合っていながらも結ばれない男女の関係が、哀しくて美しい。『モンガに散る』の監督×イーサン・ルアンのタッグが再び見られる艶やかな群像劇。



殺傷能力抜群のミライ型軍用犬

『A-X-L アクセル

 

 インターフィルムより6月5日リリース

 

(C) 2018 LAKESHORE ENTERTAINMENT PRODUCTIONS LLC AND OPEN ROAD FILMS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

【STORY】

アメリカ軍によって秘密裏に開発された軍用犬ロボット「A-X-L」は、意思疎通が可能な究極の殺戮マシーンだった。ある日、A-X-L は実験中に故障し、郊外に放置されてしまう。それを青年・マイルズが偶然発見して……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

人間への忠誠心と従順さは残し、殺傷能力はMAXにしたロボット犬。一度パートナーと認証した相手の言うことしか聞かず、民間人でも獲物と見なせば攻撃一直線のなかなかの暴れ者。殺人犬でありながら、同時にペットのような可愛さも見せる軍用犬に魅せられ、彼を守りぬくのはイケメン、マイルズ。A-X-Lが持つハイテク機能や大破からの奇跡の生還、そして驚きの再起動まで、決して遠くない未来のハイテクノロジーが垣間見えてワクワクできる。見守り少女のベッキー・Gも可愛くて良い。



意味は分からないが怖すぎる

『霊的ボリシェヴィキ

 


 キングレコードより6月5日リリース

 

 

 

(C)2017 THE FILM SCHOOL OF TOKYO

【STORY】

集音マイクが仕掛けられた廃工場に集まった男女。かつてあの世に触れたことがあるという彼らの中のひとり、幼い頃に神隠しに遭い不思議な違和感を抱いて生きてきた由紀子は、その正体を探るべくこの集まりに参加したが……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

廃工場で男女が恐怖体験を語り合うという本作、当然参加者のキャラが立っている。神隠しに遭ってから不気味な囁きが聴こえるヒロインを筆頭に、場を乱す参加者には杖で折檻する女霊能力者、かつて自分には“力” があったと隙あればぐいぐいアピールしてくるウザいおばさん、付添いで来ただけみたいな体でいながら一番エグい過去を持つイケメン風の男など、暗い人たちが負のオーラ全開で語る話は恐ろしく、笑っていいか迷ってしまう恐怖描写と合わせて、独りで観るのが嫌になります。



眩しくて苦い青春時代のリアル

『チワワちゃん

 


 東映ビデオより6月12日リリース

 

 

 

(C) 2019『チワワちゃん』製作委員会

【STORY】

仲間たちといつも集まるミュージックバーで、“チワワ”に出会ったミキ。皆で毎晩遊びふけっていたものの、次第に日常に戻っていったミキたちだったが、ある日東京湾で起きた殺人事件の被害者が“チワワ”だったことを知る……。

 【オススメCOMMENT】                                                              

可愛くて自由奔放な女の子“チワワ”。女子的には嫉妬要素満載だけどなんか憎めなくて、男子はその奔放さに困惑しつつも結局飲まれてしまう。そんな不思議な魅力がある彼女への主人公の心情には心底共感するが、時折発するチワワの言葉も妙に心に刺さるので、まるで自分の青春時代にもチワワみたいな子がいたんじゃないかという気がしてくる。彼女は一体何を抱えていたのか……。眩しさと輝かしさの中に苦さと危なっかしさが垣間見える、そんな青春の光景に見事に心を奪われてしまった。



■前回の誰シネ(5月リリースタイトル)は
こちらから


 

(C)Maipo Film AS Subotica Ltd. Sirena Film s.r.o.

【STORY】

19 世紀半ばのノルウェー。貧しい家庭に育つ三人兄弟の末っ子エスペンは、政略結婚から逃れてきた王女・キリステンと出会い惹かれあうが、彼女はトロールに拉致されてしまう。エスペンは兄弟らと共に救出に繰り出すが…。

 【オススメCOMMENT】                                                              

18歳までに結婚しなければ、王女はトロールにさらわれるという期限つきの伝承は末恐ろしい。王女を見つければ彼女と国の半分をもらえることから、己の欲望真っしぐらの王子と、家を焼いてしまったがためにお金が必要な村の子エスペン兄弟たちが、水中、洞窟の中をかけめぐり、巨大トロールに出会うため、あの手この手で大奮闘。トム・ホランド似のイケメン、エスペンのトロール撃退術は目からウロコ…。夢のような幻覚を見せるあの金色の林檎は、ある意味毒リンゴより罪なアイテムかも。