監獄で育った天才少女の成長記にクギづけ!「オクニョ 運命の女(ひと)」2018年8月28日

(C)2016MBC

監獄で育った天才少女の成長記にクギづけ!「オクニョ 運命の女(ひと)」

「宮廷女官チャングムの誓い」「トンイ」など困難に立ち向かうヒロインを世に送り出してきた韓国時代劇のヒットメーカー、イ・ビョンフン監督が、監獄で育った少女を主人公に描いた最新作「オクニョ 運命の女(ひと)」。現在、NHK BSプレミアムで放送中の話題作を、時代背景とともにご紹介します!

「オクニョ 運命の女(ひと)」

監獄で育った天才少女の成長記

時代劇の傑作「ホジュン」「商道〜サンド〜」を生み出した黄金のコンビ、イ・ビョンフン監督とチェ・ワンギュ作家が14年ぶりに再タッグ! 朝鮮王朝時代の監獄・典獄署(チョノクソ)で生まれ育った少女オクニョが逆境を乗り越え、知恵と勇気で自らの道を切り開いていく姿を描く。

現代の刑務所にあたる典獄署の仕組みや囚人たちの様子などを、興味深いエピソードを交えて紹介しながら朝鮮時代の裁判制度にも踏み込み、現代の弁護士にあたる外知部(ウェジブ)を本格的に取り上げ、後半では緊迫感溢れる裁判シーンも描かれる。

深掘り!ドラマの背景

ドラマを見ながら「なるほど!」と思える史実を解説

ユン・ウォニョン(左)とチョン・ナンジョン(右)
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ユン・ウォニョンとチョン・ナンジョン

劇中でチョン・ジュノが憎めないキャラクターとして演じている権力者ユン・ウォニョン。史実では、朝鮮代13代王の明宗(ミョンジョン)の即位から文定大妃(ムンジョンテビ)の死までの約20年にわたり最高権力者として君臨した。ドラマにも出るように都だけで8軒の屋敷を持ち、季節ごとに全国各地から賄賂が贈り届けられたという。

一方、パク・チュミが演じているチョン・ナンジョンは両班(ヤンバン)の庶子として生まれ、妓生(キーセン)になったのち、ユン・ウォニョンの側室となる。ナンジョンのとりこになったウォニョンは本妻と縁を切ってナンジョンを正妻に迎え、追い出された本妻はその後、ナンジョンが用意した毒入りの食事を食べて死んだといわれている。ナンジョンは蓄財にも長け、ウォニョンの権勢を背景に専売・買い占めなどを行って財を築いた。

権力欲といい、財物欲といい、似たもの夫婦の2人は、文定大妃の死後に失脚。ナンジョンは毒薬を飲んで自害し、その5日後、ウォニョンも彼女のあとを追ってこの世を去った。

明宗(左)と文定大妃(右)
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明宗vs文定大妃 心優しい息子と野心家の母

劇中で何かとオクニョを気づかう王様、第13代王の明宗。史実では、文定王后(のちの文定大妃)が第11代王の中宗の王妃になって17年目に得た待望の息子だった。文定王后はわが息子を王位に就けるため、第12代王の仁宗(インジョン)暗殺を繰り返し企てたが、一方では彼女自身も、反対派に明宗を暗殺される危機感を抱き、夜中に明宗を別の寝殿に移したこともあるという。明宗即位後は8年にわたって垂簾聴政を行い、卓越した政治感覚で反対派を排除して朝廷を掌握。明宗の親政が始まってからも影響力は衰えず、死ぬまで権力を振るった。

一方の明宗は、誕生と同時に権力闘争の渦中に放り込まれ、強力な母の庇護(ひご)のもとで育った。心優しく聡明(そうめい)だったが母親に逆らうことはできず、母親に叱られては涙を流していたことから「涙の王」と呼ばれる。ドラマに描かれたように、ユン・ウォニョンの専横を知った明宗が怒っているとの話を聞いた文定大妃が明宗を呼びつけ、「今の王があるのはユン・ウォニョンのおかげ」と叱りつけたとの話も伝わっている。

記事の続きは、韓国時代劇が100倍面白くなるガイドブック『韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史 2019年版』に掲載しています。「オクニョ 運命の女(ひと)」や「医心伝心~脈あり!恋あり?~」「七日の王妃」など話題の新作から旧作まで、韓国時代劇のあらすじや見どころ・相関図を紹介しながら、時代背景や事件など史実まで、わかりやすく解説したムックです。

「オクニョ 運命の女(ひと)」

 

 

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文:白井美友紀/構成:『韓国ドラマで学ぶ韓国の歴史2019年版』編集部(キネマ旬報社)

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