ご挨拶

 1919年に創刊した映画雑誌『キネマ旬報』の90年以上にわたる発行を背景に、「キネマ旬報映画総合研究所」は日本の映画・映像産業の発展に寄与すべく、その調査・研究を目的に設立しました。長い歴史の上に培われた映画・映像産業界との深い関わりと作品情報の蓄積をもとに、映画・映像ソフトの文化的側面、ビジネス的側面を総合的に研究する機関です。映画興行、テレビ放送、パッケージソフトなどの既存のメディアに加え、動画配信の成長著しい昨今の映像視聴マーケットのなかで、ユーザーの視聴動向は日々刻々と変化を遂げています。また、世界に目を向ければ、ハリウッドの世界進出が大きく進捗を図る一方で、東アジアでは、韓国エンタメ産業が近隣諸国への輸出を拡大、中国では高い経済成長率に支えられて映画・映像市場も急速に伸長するなど、これまで高い国内需要に支えられてきた日本の映像産業界も国際化を強く意識すべき時期に差し掛かっています。こうした国内外の市場環境の変化に日本の映画・映像産業はいかに対応すべきか、その指針となるべく調査・研究、そして提言を、当研究所では映画・映像産業専門の機関として事業を展開してまいります。皆様のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

キネマ旬報映画総合研究所 所長 四方田浩一