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Vol.054

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□┓  メルマガ KINEJUN Vol.054
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こんにちは、キネ旬メルマガ事務局 森岡です。

5月と言えば五月病。新入社員は緊張の日々が続き、ふと忍び寄るヤマイ……。
新しい環境に慣れようと真面目に頑張りすぎるのも考えもの。
時には何も考えずに笑えたり、泣けたり、ハラハラする映画を観て、気分を変えてみては?
映画を観る目的は時と場合、人によってさまざまですが、人を元気にさせる映画は確実に
ありますよ。

それでは五月病とは全く無縁のキネ旬スタッフが送る、キネ旬メルマガをお楽しみください。



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□┓  目  次
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1.『キネマ旬報』5月下旬号は、ソクーロフ、アルモドバル、カウリスマキ

2.『acteur アクチュール』7月号、6月5日発売!

3.エンタメ旬報――誰もが魔美のパパではない

4.キネ旬総研 エグゼクティブ・ディレクター 掛尾良夫の『斬る!』 

5.BOOK REVIEW ――『仕事をつくる―私の履歴書』/安藤忠雄 著

6.インフォメーション

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□┓ 1.『キネマ旬報』5月下旬号は、ソクーロフ、アルモドバル、カウリスマキ
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■『キネマ旬報』5月下旬号は、ソクーロフ、アルモドバル、カウリスマキ

5月下旬号の特集は『映画の想像力 リアルとフィクションのあいだ』。
ソクーロフ「ファウスト」アルモドバル「私が、生きる肌」
カウリスマキ「ル・アーヴルの靴みがき」。
ロシアの見者、スペインの偏執狂、フィンランドの職人。それぞれの最新作をきっかけに、
映画の想像力とは何かを考えます。

魂をあらゆる方法で探求するファウスト博士。彼は尻尾の生えたせむしの高利貸・マウリ
ツィスに導かれ、遠近法が狂い曲面レンズで歪んだような街に森に岩山に導かれていく。。
ゲーテ『ファウスト』から、自由自在に発想されたソクーロフ「ファウスト」。

この怪物的傑作をロシア文学者亀山郁夫さんが書く。ソクーロフ「太陽」に出演、そのマ
ジカルな現場に目居合わせた佐野史郎さんが語る。

そして「私が、生きる肌」。
天才形成外科医が、娘を辱めた美男子を、亡き妻そっくりに全身整形を施す。
元男で見た目は美女とのセックスシーン、マッドサイエンティストの報復劇から、性転換
・整形手術を強制された元美男で外見は美女の復讐劇へ。物語の折り返し点における、主
人公の交代。

倒錯に倒錯を重ねる問題作を、ラテンアメリカ文学者の野谷文昭さんが書く。
ミュージシャンの菊地成孔さんが、ヒッチ的にフロイト的に語る。

さらに「ルアーヴルの靴みがき」。
老夫婦の愛情。密航者の保護、市井の人びとの連帯。迫る警視、難病、そして絵に描いた
ような大団円……。もはやひとつの“ジャンル”と言える見事な職人技をフランス文学者
の野崎歓さんが書き、“日本のカウリスマキ”山下敦弘監督が語る。

そして川口敦子さんによる『映画で世界を変えること』。50年代生まれの彼らに“映画と
生きる覚悟”を見る。

書きことばと話しことば。ソフト&ハードに映画の現在と未来を想像する特集です。

(『キネマ旬報』編集部 平嶋洋一)


『キネマ旬報』の詳細はこちらから
http://www.kinejun.com/kinejun/tabid/62/Default.aspx


■『キネマ旬報臨時増刊 映画作家 森田芳光の世界』刊行!

昨年12月20日、61歳という若さで急逝した森田芳光監督の追悼特集号を刊行しました。
森田監督が、1981年に「の・ようなもの」で商業映画の監督デビューを果たし、以後、話題
作・問題作を次々と発表して、30年間にわたり日本映画界のトップを走り、新風を吹き込ん
できたことは、いまさら言うまでもありません。

昨年末から「追悼の大特集を!」という熱い声を読者の方々から多数いただき、それを受け
て、キネマ旬報臨時増刊として1冊まるまるの追悼号を作りました。

伊藤克信、宮川一朗太、小林薫、仲村トオル、鈴木京香、三田佳子、深津絵里、役所広司、
木村佳乃、佐々木蔵之介、塚地武雅、北川景子、豊川悦司、松山ケンイチ、堺雅人、橋本文
雄、角川歴彦、原正人、野村敏哉、竹内伸治(すべて敬称略)ら森田組の俳優、スタッフの
方々らに、森田監督への想いをたっぷり語ったいただきました。

森田監督ファン、映画ファンの方々にこの本を読んでいただき、森田監督の27作品をこれか
らも見続けていってほしいと、切に願っております。

現在、発売中です。

(『キネマ旬報』 前野裕一)

http://www.kinejun.com/book/detail/tabid/89/pdid/kinema_No1610/Default.aspx


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□┓ 2.『acteur アクチュール』7月号、6月5日発売!
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■6月5日(火)発売の「acteur アクチュール」7月号は、7月11日に公開を控える、
映画「苦役列車」で、ひねくれ者の主人公・北町貫多を好演している森山未來の巻頭
特集です。

撮影秘話、出演を決めた出来事など、役に挑む森山未來の素顔が楽しめる内容です。

第2特集は、本誌にて「憂鬱な夜を救ってくれる本といる」を連載中のピース・又吉
直樹の大特集です。本人へのロングインタビュー、人生の中で影響を受けてきた人や
もの、収録現場取材などを予定しています。
芸能界きっての読書家でキモカッコイイ・又吉直樹の世界に迫ります。

そのほか、香取慎吾、吉沢悠、妻夫木聡、筧利夫、檀れい、井上芳雄、渡部篤郎など
のインタビューに加え、レギュラー企画・池田鉄洋の「いざ、会いにゆきます。僕の
好きな人に」には及川奈央が登場。今回も充実の内容でお届けします。

(『アクチュール編集部』川村夕祈子)

『アクチュール』の詳細はこちら
http://www.kinejun.com/acteur/tabid/72/Default.aspx


■「アクチュール・ステージ#4」
5月9日(水)発売の「アクチュール・ステージ#4」の巻頭は、現在全国公演まっ
ただ中のTEAM NACSです。

リーダーの森崎博之を始め、メンバー全員のインタビュー、福田雄一が語るTEAM NACS、
稽古場&札幌公演レポートなど、真摯に舞台へと臨むアラフォー男5人の姿勢がうか
がえる、胸いっぱい、お腹いっぱいの大特集です。

初演以来145年ぶりの再演「天日坊」に臨む、中村勘九郎のほか、井上芳雄、武田真治、
高橋一生、池田鉄洋、柳楽優弥、野村萬斎などのインタビュー、STAGE REVIEW、
REMEMBER:蜷川幸雄,7度目の「ハムレット」など充実の一冊となっております。

お楽しみに!

『アクチュール・ステージ#4』の詳細はこちら
http://www.kinejun.com/book/detail/tabid/89/pdid/978-4-87376-754-3/Default.aspx

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□┓ 3.エンタメ旬報――誰もが魔美のパパではない  
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藤子・F・不二雄先生の名作『エスパー魔美』に「くたばれ評論家」という回があります。
その中のあるくだりを、ご紹介させてください。

画家である魔美のパパが、評論家に作品をこき下ろされます。魔美は超能力を使ってその
評論家をこらしめますが、パパは評論家がひどい目にあって当然とは思っていないようです。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
魔美:だって!!あんなひどい批評を書いたじゃない!

パパ:マミくん、それはちがうぞ。公表された作品については、みる人ぜんぶが自由に
批評する権利をもつ。どんなにこきおろされても、さまたげることはできないんだ。
それがいやなら、だれにもみせないことだ。

魔美:でも、さっきはカンカンに怒ってたくせに。

パパ:剣鋭介(批評家の名前)に批評の権利があれば、ぼくにだっておこる権利がある!! 
あいつはけなした! ぼくはおこった! それでこの一件はおしまい!!
――――――――――――――――――――――――――――――――――

1)公表された作品については、みる人ぜんぶが自由に批評する権利をもつ
2)どんなにこきおろされても、さまたげることはできない
3)それがいやなら、だれにもみせないことだ

小学生ではじめてこれを読んだとき、作品を発表する人たちのとてつもない覚悟に畏敬の
念を抱きました。けなされるかもしれないというリスクを負ってでも、実名で世に自らの
創造力を問う――なんて…カッコいいんでしょう!

今でも、その気持ちは変わりません。ただ、それがあてはまらないケースもあるのだとい
うことを、仕事を通じて知りました。

F先生、誰もが魔美のパパではないのですね。
先生はそこまでご存知だったからこそ、この話を描かれたのですか?

(出版編集部・稲田豊史)


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□┓ 4.キネ旬総研 エグゼクティブ・ディレクター 掛尾良夫の『斬る!』     
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昨年の興行成績は2010年の2207億円に対して82.1%の1811億円と大幅な下落となった。
この結果について、映画館に行こう実行委員会や映画各団体で原因の究明が行われた。結論
としては、作品力が弱ったということで落ち着いたと聞く。そして、2012年も4ヶ月が過ぎ
たが、勢いが戻らないどころか、悪かった昨年に対して前年割れしている。

私は、この観客減の大きな原因のひとつがTSUTAYAとGEOの100円レンタル合戦にあると見てい
る。モノには適切な価格があるはずだ。映画という多くの人たちによって作り出された作品が、
劇場公開後、数ヶ月で100円というのは製作者や作品に対する愛が欠落していると思う。それは、
この業界で働いているという自身の誇りさえも傷つけている。

私は大学院で映画について教えているが、DVDでもいいから、映画はたくさん見るよう話し
ている。生徒のひとりは、毎週末限度枚数の12枚を借りるようになったので、映画館で映画を
見る機会が減ったという。確かに苦学生にはありがたいことかもしれないが、一食抜いても、
映画館で映画を見ることの大切さを忘れないでほしいと思う。

今では恒常的になってしまったが、DVDの廉価版をはじめたのはハリウッドのビデオ部門だ
った。担当者の多くは、外資系を渡り歩きシャンプーや飲料で実績を残し、その手法でDVD
も売った。数千円で売られていたものが、しばらくすると1000円となる。キューブリックもイ
ーストウッドもおかまいなしだ。そのうち、DVDから配信という非物体となれば、モノに対
する思いなど消えてしまうのだろう。

かつて、映画が盗まれていると言って谷村美月は黒い涙を流していたが、こんな金額で流通し
ていたら、合法でも黒い涙は止まらない。


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□┓ 5.BOOK REVIEW ――『仕事をつくる―私の履歴書』/安藤忠雄 著
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世界的な建築家である著者が、これまで手掛けてきた建造物の写真と共に自身の半生を綴った
一冊。

建築家というと、施工主が出す資金で自らの思いを形にできる素晴らしい仕事のように思えるが、実際は予算、法律、気候、クライアントの無理な要求との戦いの連続であることがわかる。たくさんの制約の中で次々に打開作としての新しいアイディアが生まれ、それを未来の仕事につなげていく様子は、きっとどんな仕事に就いている人にも学ぶところが多い。

そんな真摯な姿勢と作品の完成度から、彼には海外からのオファーも絶えない。日本とは異なる条件の中、言葉も通じないチームの中でその土地の文化や風習を理解しながら後世に残る建物を造るというのはものすごい重圧だろう。自身の努力とは裏腹に何年もかかって準備をしたプロジェクトが、突然政府の都合で中心になることもある。

そんな数々の厳しい現場を乗り越えた著者が本書の最後に語る日本再生論は、いくつもの不可能を可能にしてきた彼ならではの説得力がある。



(広告営業部 有村和可菜)


■『仕事をつくる―私の履歴書』/安藤忠雄 著/日本経済新聞出版社
http://amzn.to/JQfvSf

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□┓ 6.インフォメーション
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■映画ファン、業界関係者必携!

『現代映画用語事典』5月下旬発売予定!

映画史、映画ジャンル、撮影・編集技術、映画産業、映画理論など、映画に関連する様々な
用語(人物名・作品名を除く)をコンパクトながら本格的に解説した最新事典。
収録用語数約400。各用語についての解説のほか、重要な用語については2~3ページ分の
長文で詳細に解説。
映画ファン、業界関係者、映画検定受験者は持っておきたい一冊。イラスト・図版あり。

http://www.kinejun.com/book/detail/tabid/89/pdid/978-4-87376-367-5/Default.aspx


■キネマ旬報ベスト・テンの歴史がこの一冊に!

『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』

『キネマ旬報ベスト・テン80 回全史』から判型も一新させた5年ぶりの改訂で、ベスト・テン
上位受賞者ランキングやジャンル別ベスト・テン結果の紹介など、コラムやデータも充実させ
た永久保存決定版の一冊。 5月17日発売!

http://www.kinejun.com/book/detail/tabid/89/pdid/978-4-87376-755-0/Default.aspx


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メルマガ KINEJUN Vol.054 (2012.05.07)
発行元:(株)キネマ旬報社 メルマガ事務局 http://www.kinejun.com/

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