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切ない恋物語から40年前の名作まで 9月の「誰かに教えたくなるシネマ」

Stephan James as Fonny and KiKi Layne as Tish star in Barry Jenkins' IF BEALE STREET COULD TALK, an Annapurna Pictures release.

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毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開ながらの傑作など、様々な掘り出し映画との出会いを映画専門家レビューと共に提供します!

過酷な運命を生きるふたりの愛の軌跡

映画『ビール・ストリートの恋人たち』


バップより8月21日リリース

(C)2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All Rights Reserved.

映画『ビール・ストリートの恋人たち』あらすじ

幼い頃から共に育ち、自然と愛を育んでいった19歳のティッシュと22歳のファニー。黒人が厳しい差別を受けている時代、苦労してふたりで住む家を見つけた彼らだが、その矢先、ファニーが無実の罪で逮捕されてしまう。

 

映画『ビール・ストリートの恋人たち』映画専門家レビュー

恋人が無実の罪で捕まり、さらに彼女は妊娠中という、なんとも過酷な状況から始まる本作。幼馴染みで自然と互いを意識し、徐々に距離を縮めていくふたりの恋物語が回想として挟まれ、その初々しさに癒されるものの、彼らが直面している厳しい現状を思うと胸が締め付けられる。そんな中決して諦めず、彼を励まし続けるティッシュの強さは、唯一この物語に希望を与えてくれる存在。めでたしとは言い難いが、ラストに映る彼らの“家族の風景”は美しく、幸せに満ちていた。

 

災害を呼ぶ家族、今度は大地震。

映画『THE QUAKE/ザ・クエイク』


インターフィルムより8月23日リリース

(C)2018 FANTEFILM FIKSJON AS. ALL RIGHTS RESERVED

映画『THE QUAKE/ザ・クエイク』あらすじ

ノルウェーのガイランゲルを襲った巨大津波から3年。地質学者のクリスチャンら家族は、オスロで生活していた。ある日知人の研究者が事故で亡くなり、クリスチャンは彼が残したデータから新たな地殻変動の予兆を察知する。

 

映画『THE QUAKE/ザ・クエイク』の映画専門家レビュー

巨大津波に巻き込まれたあのノルウェー人一家が、今度はM8の大地震に巻き込まれる! 前作『THE WAVE /ザ・ウェイブ』のさらに上を行く衝撃に開いた口が塞がらない。冒頭から予期せぬトンネル事故が起こり、残されたデータに引き寄せられるパパ。するとやっぱり……予想は大的中。49階というとんでもない高さで宙ぶらりんになった娘を、パパがまさかの方法で救出を試みるなど、目を疑う衝撃シーンのオンパレードで心臓バクバク。今作でも自責の念に駆られるパパの行く末が心配だ。

 

気鋭・藤井道人監督の最注目作

映画『光と血


「光と血」製作委員会/オールイン エンタテインメントより8月25日リリース

(C) 「光と血」製作委員会

映画『光と血』あらすじ

いじめを受ける同級生に手を差し伸べる女子高生、恋人と婚約を果たした青年、仲の良い弟を持つ女性。それぞれのささやかな幸せはある日突然奪われ、絶望の淵に追い落とされた彼らの運命は加害者をも巻き込み交錯していく。

 

映画『光と血』の映画専門家レビュー

愛する人を奪われた者、罪に冒された者、罪を為した者……。ただ人並みに生きることすら困難な人たちが、それでも生きていく姿を圧倒的なリアリティで描いた本作。ほぼ無名の役者陣から、これ以上ないほどの演技を引き出した監督・藤井道人の恐るべき才能。嘘のない脚本を基にした嘘のない演技は、決してすべてでないが、憎むべき加害者に対しての共感さえも喚起させる。現実の悲しむべき事件・事故を重ねたテーマから、当事者たちの想いの一片を感じさせる意味でも価値ある秀作。

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“人生“という名の荒野にて

映画『荒野にて


ギャガより9月3日リリース

(C) The Bureau Film Company Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2017

映画『荒野にて』あらすじ

父を失い、天涯孤独となった15歳のチャーリーは、可愛がっていた競争馬のピートを連れ、トラックで逃走する。しかし、トラックが故障し、ピートと共に荒野を歩いて叔母の住む街を目指すが、さらなる別れが訪れる。

 

映画『荒野にて映画専門家レビュー

決して豊かではないが、父とふたりで平和な日々を送っていた青年に突如訪れた別れ。目の前で大切な人を救えなかった悔しさと天涯孤独となってしまった寂しさが、まだ15歳の青年に重くのしかかる。そして救いを求めて伯母の元を目指す彼に、またしても悲しい別れが訪れるが、それでも力強く、自らの力で生き抜いていく姿には感服。思春期の繊細な感情を見事に体現した新生チャーリー・プラマーの圧巻の演技を始め、作品の持つ“静かだけど力強い空気感”にたっぷり浸れる1本です。

 

豪華キャストがイタリアで大暴れ!

映画『レイダース 欧州攻略』


アクセスエーより9月3日リリース

(C) 2018 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.

映画『レイダース 欧州攻略』あらすじ

凄腕エージェントのリン・ザイフォンと美しき請負人チャオインは、長年のライバルで互いを意識し合う関係。“神の右手”と呼ばれる秘密集積回路チップが何者かに盗まれると、ふたりはCIAから要請を受けミラノへ向かう。

 

映画『レイダース 欧州攻略』の映画専門家レビュー

豪華アジアンスターたちが、イタリアを駆け巡る! そのロケ地の美しさに旅行気分で見られるアクション満載の痛快作。元EXO のクリス・ウーが衛星ミサイルも発動できる凄腕ハッカーを演じ、そのスタイルを活かしてアクションを惜しみなく披露。時折見せる怪訝そうな表情もまた最高。トニーを愛するライバル関係のティファニー・タンも美人で、ふたりのどきっとするラブシーンも見逃せない。超機密チップを盗んだ女の正体が明かされると、冒頭からの伏線がすっきり回収され、これまた爽快。

 

恐怖の報酬とはいったい何か

映画『恐怖の報酬 【オリジナル完全版】』


キングレコードより9月18日リリース

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映画『恐怖の報酬 【オリジナル完全版】』あらすじ

南米のある国に流れ着いた4人の犯罪者たち。ジャングルの奥地にある油井施設で発生した火災の消火のため、消火用のニトログリセリンをトラックで運ぶことになった彼らは、衝突しながらも道なき道を進んでいくが……。

 

映画『恐怖の報酬 【オリジナル完全版】』の映画専門家レビュー

約40年前の作品なので、当然CGもなくすべてが本物。爆発炎上する油井、周りの施設も本物。本当に巻き込まれて大丈夫ですかっていう人もいたり、あらゆる意味で伝わってくる本物感に、異常に集中して見入ってしまう。さらに僅かな振動で爆発するニトロを積んだトラックが道なき道を走破していく様は絶えず緊張させられる。4人の男たちは汗と泥にまみれ、目だけをギラつかせて暑苦しいことこの上無く、否応なく彼らの地獄の道行きに引きずり込まれる感覚はもうアトラクションです。

 

■前回の誰シネ(8月リリースタイトル)はこちらから

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