第24回「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」

 2021年に、日活ロマンポルノは生誕50年の節目の年をむかえました。それを記念して、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げる定期連載記事を、本キネマ旬報WEBとロマンポルノ公式サイトにて同時配信いたします。

 衛星劇場の協力の下、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する番組「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の過去の貴重なアーカイブから、公式書き起こしをお届けしたします。(隔週更新予定)

■2016年1月放送「団地」

どうも、みうらじゅんと申します。「グレイト余生映画ショー in日活ロマンポルノ 民俗学入門」今回のテーマは、おまたせしました「団地」特集をおおくりいたします。

【団地】:だんち とは日本住宅公団によって計画的・集団的に開発された住宅区域のこと。

その時、股間がうずいた 郊外にそびえ立つ、愛と欲望のベットタウン、団地。暇を弄ぶ主婦たちの危険な火遊び。奥さん、声もれてますよ。亭主元気で留守がいい。専業主婦は家事と情事に大忙し。その時、新たな歴史が始まる

団地って最近では、あまり聞きなれない言葉になってしまいましたけど、昭和の人間としては、日活で団地と聞くとピーンときますよね。 すなわち団地ピーンですよね。 そもそも団地が生まれた歴史というのを… 興味ないでしょ?でも、ここであえてご説明さしあげます。

最近ご無沙汰しております。 団地の歴史とそこに住む人

1960年代に日本に高度経済成長期というのがあったんすよね。多分、骨が成長で痛むような感じなんでしょう。骨がきしむほどに日本中が成長してた時期ですよ。寝てるうちに伸びるというでしょ?なんか、痛いなぁと思っていたら、もの凄く成長していた頃ですよね。

その時に地方の若者たちが職を求めて、都市に出てきたっていうことですよね。急速な人口増加により住宅難が都市でおこったということです。そして日本住宅公団が、団地というものを作って、都市部にやって来た人たちを住まわせるということ考えたんですよね。

そういう生活をしいている人達は中流といわれた人達であって、その中流サラリーマンが住むという時には、結婚して夫婦で住むということ人たちが多かったです。当然、新婚であるっていう事ですよね。それまでだったら一軒家に住んだわけですけど、団地なので薄い仕切りのあるところに、新婚がワンワンと、わんさか住んでいたということです。サラリーマンの奥さんとして、当時おしゃれだったのは、専業主婦であるということだったんですね。専業主婦、ここですよね、問題は。

■その欲求 【団地がい】 専業主婦たちの人間模様

当時はモーレツ社員といって、旦那がモーレツに仕事をしているもので、当然、奥さんは夜もなかなか構ってもらえない。外でモーレツなんで、家ではちょっとモーレツが下火になっていたんでしょうね。

当然、奥さんは暇を持て余すということになります。(イラストを出す)

朝の食事作ってあと、ちょっと暇だなぁと。そこでテレビつけたら、「よろめきドラマ」っていうのが流れていました。「いいだろ」なんてセリフを言って迫るような、そんなドラマです。そんなテレビをぼ~とみていると、夕飯の買い物で買った茄子や大根とか手元に転がっているわけですよ。どうやって暇を潰そうかって考えていた時にですよね…。んな時に、こんな4名が登場してくるんですよね。(イラストを出す)

配達員、営業マン、出前、クリーニング屋さんなどが出入りするわけです。暇な奥さんは、こういう(イラストの)状態ですからね「え~」てなりますよね。

団地の間取り図も解説いたします。この図は、スタッフの方が調べ上げた、この日活ロマンポルノに出てくる団地のセットなんけども。結構、広そうに見えるでしょ?

2DKなんですけどもね。 実は、私も調べたんですけども、当時の規格で「団地間」というのがあって、横幅340cm縦が255cm、かつての家でつかっていた「京間」と呼ばれていたのは 382cm×286.5cmということで、団地は実はかなり狭い空間であるということですよね。 狭いところで、なぜ情事が発生するかというと、この間取り図でもわかるように、Hという字がでてきちゃうからですよね。

さあそういうことで4本観てください。

今回紹介する4作品でございます。

新・団地妻 ブルーフィルムの女

1975年製作。珠瑠美さん主演。

団地妻 昼下りの情事

1975年製作。西村昭五郎監督作、白川和子さん主演。これが第一号の団地妻ですよね。この作品から団地妻という言葉がはやったということでございます。

団地妻 肉欲の陶酔

1979年製作。鹿沼えりさん主演作です。

団地妻 ニュータウン暴行魔

1987年製作。ロマンポルノ後期の作品です。ココらへんで団地もニュータウンに変わっているということですよね。

各作品はamazonFANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です

それでもあなたも、グレイト余生を!

 

出演・構成:みうらじゅん/プロデューサー:今井亮一/ディレクター:本多克幸/製作協力:みうらじゅん事務所・日活

衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」を放送!

※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集

【日活ロマンポルノ】
日活ロマンポルノとは、1971~88年に日活により製作・配給された成人映画で17年間の間に約1,100本もの作品が公開された。一定のルールさえ守れば比較的自由に映画を作ることができたため、クリエイターたちは限られた製作費の中で新しい映画作りを模索。あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、「女性」を美しく描くことを極めていった。そして、成人映画という枠組みを超え、キネマ旬報ベスト・テンをはじめとする映画賞に選出される作品も多く生み出されていった。 日活ロマンポルノ公式ページはこちらから
 
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過去の「キネマ旬報」記事からよりすぐりの記事を掲載している特別連載【あの頃のロマンポルノ】の全記事はこちらから

 
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