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第三帝国の “加担者” たちは何を語るのか? 「ファイナル アカウント 最後の証言」

ヒトラー率いるナチス統治下ドイツ〈第三帝国〉。そこに関わった市井の人々の証言を記録したドキュメンタリー「ファイナル アカウント 最後の証言」が、8月よりTOHOシネマズシャンテ、渋谷シネクイントほかで全国公開される。

 

 

親衛隊のエリート士官から、強制収容所の警備兵、ドイツ国防軍兵士、軍事施設職員、民間人まで、ユダヤ人大量虐殺〈ホロコースト〉を実際に目撃し、今では「現代史の証言者世代」と呼ばれる加害者側の高齢者たちの証言および、当時のアーカイブ映像を収めた本作。第77回ヴェネチア国際映画祭公式セレクション作品となった。

イギリス出身のドキュメンタリー監督ルーク・ホランドは、10代になって初めて、母がウィーンからのユダヤ人難民で、祖父母はホロコーストで殺害されたというルーツを知った。そして2000年代になり、“祖父母を殺した人間を捜す” 目的でこのプロジェクトに着手したという。「すぐに無理だとわかりました。しかし、彼らの仲間には実際に会うことができる。ヒトラーのために腕や銃を振り上げた人たち、残虐な犯罪を犯した人たちを通して、ホロコーストが繰り広げられた背景をよりよく理解できるかもしれないと考えたのです」。ホランドは2008年から10年を費やして250以上のインタビューを行い、本作完成直後の2020年6月、癌により71歳で他界した。

 

 

Story

ルーク・ホランド監督は、アドルフ・ヒトラーの第三帝国に参加したドイツ人高齢者たちにインタビューを実施した。ホロコーストを直接目撃した、生存する最後の世代である彼らは、ナチス政権下に幼少期を過ごし、そのイデオロギーを神話とするナチスの精神を植え付けられて育った。戦後ずっと沈黙を守ってきた彼らが発したのは、ナチスの受容や加担への後悔だけでなく、「手は下していない」という自己弁護や、「虐殺を知らなかった」という言い逃れ、果てはヒトラーを支持するという赤裸々な本音まで、驚くべき言葉の数々だった。監督は証言者たちに問いかける。戦争における“責任”とは、“罪”とは何なのかを。

 

「ファイナル アカウント 最後の証言」

監督・撮影:ルーク・ホランド
製作:ジョン・バトセック、ルーク・ホランド、リーテ・オード
製作総指揮:ジェフ・スコール、ダイアン・ワイアーマン、アンドリュー・ラーマン、クレア・アギラール
アソシエイト・プロデューサー:サム・ポープ
編集:ステファン・ロノヴィッチ
追加編集:サム・ポープ、バーバラ・ゾーセル
音楽監修:リズ・ギャラチャー
2020年/アメリカ=イギリス/ドイツ語/94分/カラー(一部モノクロ)/ビスタ/原題:Final Account/字幕翻訳:吉川美奈子/字幕監修:渋谷哲也/ナチス用語監修:小野寺拓也
https://www.universalpictures.jp/micro/finalaccount/
配給:パルコ ユニバーサル映画/宣伝:若壮房
©2021 Focus Features LLC.

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