【第27回】グレイト余生映画ショーin日活ロマンポルノ

 2021年に、日活ロマンポルノは生誕50年の節目の年をむかえました。それを記念して、ロマンポルノの魅力を様々な角度から掘り下げる定期連載記事を、本キネマ旬報WEBとロマンポルノ公式サイトにて同時配信いたします。

 衛星劇場の協力の下、みうらじゅんがロマンポルノ作品を毎回テーマごとに紹介する番組「グレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」の過去の貴重なアーカイブから、公式書き起こしをお届けしたします。(隔週更新予定)

2014年3月放送「変態」

どうもこんにちは。みうらじゅんと申します。 「グレイト余生映画ショー In 日活ロマンポルノ -民俗学入門-」。 縮めてグレポミンの時間でございます。今回テーマは「変態」。 さて、どういう作品があるのでしょうか?皆さんと観ていきたいと思います。

その時、股間がうずいた 今宵の教材は、飽くなき性の追求『ポルノレポート 変態』。誰にも言えないパンドラの箱、常識では測れない快楽の骨頂とは?初めて知った新たな自分 赴くままに変態飛行その瞬間から新たな歴史が始まる

さあ、今回の「変態」来るべくして来たテーマって感じですね。 さぁ、一体「変態」とはなんでしょう?今も皆さんが軽く使っておられる「エッチをする」っていう「H(エッチ)」はHENTAIの頭文字ですよね。と、いうことはですね「昨日エッチしたんだ」ってことは、昨日「変態をした」ということになりますよね。 なぜ昔、セックスのことを日本では変態と呼んだのかってことですよね。さて、そもそもの「変態」とは何であるかということについて考えていきましょう。

■嬉し、恥ずかし、初H 変態の起源とその進化

変態とは芋虫が、蝶になる。 これも生物学的に「変態」と呼びますよね。元の形と全く変わってしまう様ということですよね。 それを人間に置きかえて考えますとね、「行為中、僕、変わっちゃうけどいいかな?」という、いわゆるコール・アンド・レスポンスが二人の間に必要ってことになりますよね。でも、違いますよね?一般に言われている変態は主に変態行為のことですね。 どんなに偉業を成した人でも「あの人、変態だもの」と言われてしまうと台無しです。 本来はそれほど破壊力を持つ肩書きとも言えるでしょう。

■このおじさん変なんです…正常と異常の変態心理学

でも、動物界で人間は、変態なんじゃないかなとも思うんですよね。 正常位という言葉を考えてみてください。 人間がおごった気持ちでつけたことがお分かりになるでしょ? 動物界は基本バックスタイルなわけですから、それを人間だけが正常というのはどうか? 

さあ、じゃあこの絵の中で一体誰が真の変態なのか?お分かりになりますでしょうか?

①縛られ側 ②プレイヤー ③絵師 ④見る側

答えは、それが仕事である、ないしはこの関係性に愛がある場合、これはラブ・ノーマルと言えるでしょう。

じゃあ、人間界における変態とは何でしょう? 

これは大正時代の出版物「変態性欲の研究」(大正10年出版 著:羽太鋭治)で一応、定義がなされてるわけなんですけどね。「一言以て云えば、正常ならざる性欲即ち不自然なる性欲の謂ひである。」と書かれています。 でも、ある人にとってはこれ(フリップの絵)が正常だって言う人もいるわけですよね。 

なぜ「変態」が忌み嫌われるかというと、パートナーの合意がない場合です。 合意の上であれば「趣味」ですよね。「不自然だ」と思っているパートナーに強要してはならないってことですよね。 人がそれぞれあるように、「変態」も色々あまた、その定義はそれぞれだということでしょうがね。

そういうことで今回の『ポルノ・レポート 変態』これは、かなり暗い作品で、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年製作 監督:ラース・フォン・トリアー 出演:ビョーク)を観た時のような気持ちがします。心して観て下さい。 

それでは、今月のラインナップでございます。

ポルノ・レポート 変態』 1976年製作。

大人のオモチャ ダッチワイフ・レポート』 1975年製作。

のぞき』 1983年製作。

団鬼六監修 SM大全集』 1984年製作。

※各作品はamazonFANZAをはじめする動画配信サービスにて配信中です。

自分はどうなんだろう?って考えながらご覧くださいませ。それではあなたもグレイト余生を!

出演・構成:みうらじゅん/プロデューサー:今井亮一/ディレクター:本多克幸/製作協力:みうらじゅん事務所・日活

衛星劇場では、サブカルの帝王みうらじゅんが、お勧めのロマンポルノ作品を紹介するオリジナル番組「みうらじゅんのグレイト余生映画ショー in 日活ロマンポルノ」を放送!

※人気コーナー「みうらじゅんのグレイト余性相談室」では、皆様から性のお悩みや、疑問を大募集

【日活ロマンポルノ】
日活ロマンポルノとは、1971~88年に日活により製作・配給された成人映画で17年間の間に約1,100本もの作品が公開された。一定のルールさえ守れば比較的自由に映画を作ることができたため、クリエイターたちは限られた製作費の中で新しい映画作りを模索。あらゆる知恵と技術で「性」に立ち向い、「女性」を美しく描くことを極めていった。そして、成人映画という枠組みを超え、キネマ旬報ベスト・テンをはじめとする映画賞に選出される作品も多く生み出されていった。 日活ロマンポルノ公式ページはこちらから
 
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過去の「キネマ旬報」記事からよりすぐりの記事を掲載している特別連載【あの頃のロマンポルノ】の全記事はこちらから

 
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