“最後の映画作家” 甫木元空が、四万十川の地に暮らす一家を描く「はだかのゆめ」

“最後の映画作家” 甫木元空が、四万十川の地に暮らす一家を描く「はだかのゆめ」

青山真治監督に見出された才能・甫木元空が、高知県・四万十川の流れる土地に暮らす一家の物語を紡ぐ長編第2作「はだかのゆめ」が、11月25日(金)より渋谷シネクイントほかで全国順次公開。ティザービジュアルと特報、甫木元監督のコメントが到着した。

 

 

甫木元空(ほきもと・そら)は1992年生まれ、多摩美術大学映像演劇学科を卒業。2016年に劇場公開されたデビュー作「はるねこ」は、「EUREKA ユリイカ」の青山真治監督 × 仙頭武則プロデューサーのタッグがプロデュースした。
映画をベースに、ジャンルにとらわれず横断的に活動する甫木元監督は、「はるねこ」の生演奏上映をきっかけに結成した2人組バンド・Bialystocks(ビアリストックス/ボーカル・ギター:甫木元空、キーボード:菊池剛)でも知られる。2021年の1stアルバム『ビアリストックス』に収録された “I Don’t Have a Pen” は、NTTドコモが展開する〈Quadratic Playground〉のウェブCMソングに選出された。
2022年春、甫木元監督の大学時代からの恩師である青山監督が急逝。青山監督はかつて甫木元を〈最後の映画作家〉と評し、映画「はるねこ」のプレスシートに以下のテキストを寄せた。

 

新しい才能などもう現れないし、新しい映画などもう必要ない。
そもそも新しさという言葉にもはや価値を見いだせない。もちろん、それは失望から洩れる嘆息でしかなかった。
だが「最後の映画」との出会いという夢をまだ諦められずにいたこともたしかだった。
日本映画に現れた、甫木元空という「最後の映画作家」。
──青山真治(映画監督) ※「はるねこ」プレスシートより一部抜粋

 

四万十川のほとりに暮らす一家の幽かな生と確かな死、土地に刻まれた時間の痕跡を見つめる本作は、若くして両親を亡くし、高知県で祖父と暮らす監督自身の現在を半ば投影した物語でもある。「EMエンバーミング」(99)「東京公園」(11)「空に住む」(20)といった作品で〈死〉に目を向けた青山真治の志がここに引き継がれ、新たな世界に向けてわたしたちの視界を広げていく。

主演は映画「うみべの女の子」やNHKドラマ『きれいのくに』、NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の青木柚。そして俳優のみならず監督・小説家でもある唯野未歩子、シンガーソングライターで俳優の前野健太が共演。前作に続いて仙頭武則がプロデュースし、これからの日本映画を背負う若いスタッフたちに混じって、青山組の音響担当として「EUREKA ユリイカ」以降のほぼすべての作品を手掛けた菊池信之が参加している。

解禁されたティザービジュアルには、画家の竹崎和征と西村有が共同制作したペインティングを起用。こちらはテレビ東京ドラマ25『先生のおとりよせ』EDテーマであるBialystocksの新曲『差し色』のジャケットにも使用されている。特報では四万十川の風景とともに、青木柚演じる主人公〈ノロ〉と唯野未歩子演じる〈母〉のセリフの一部、Bialystocksの音楽に触れられる。

 

 

【甫木元空監督コメント】

音楽家であった母が弾くピアノにいつからか誘われるように歌を歌い、曲を作り始めたことが自分の表現の始まりです。そんな母の故郷高知県で映画を製作するために、4年前に高知に移住し脚本を書いてきました。
母と祖父と過ごした4年間、それは母にとって闘病期間ではありましたが、食事をつくり、洗い物をして、洗濯物をする、できる事をしながら生きるという事について賢明に模索する期間でもありました。
本作の主人公同様いつも何事にも間に合わないノロマな自分は、最後まで自分の余命をしりながら賢明に生きる母をただただ最後まで見つめる事しかできませんでした。
終わりに背を向け永遠を求めてしまう「はだかのゆめ」の中を彷徨いながら、いま一度生きてる者と死んでる者の距離を測り直し見つめ直す。運動の軌跡と弔いの音楽を移ろいゆく季節と水の流れと共に、終わりに向かう話ではなく、物語がそこから始まるような映画になればと思い製作しました。

 

Story

四国山脈に隔たれた高知県。いまだダムのない暴れ川の異名をもつ四万十川。太平洋に至るその流れと共に、生きているものが死んでいて、死んでいるものが生きているかのような土地で老いた祖父と、余命をそこで暮らす決意をした母、それに寄り添う息子のノロ。嘘が真で闊歩する現世を憂うノロマなノロは、近づく母の死を受け入れられずに死者のように徘徊している。そのノロを見守るように寄り添うおんちゃん、彼もまたこの世のものではないのかもしれない。息子を思う母、母を思う息子が、互いの距離を測り直していく、母と子の生死の話。

 

「はだかのゆめ」

監督・脚本・編集:甫木元空
出演:青木柚、唯野未歩子、前野健太、甫木元尊英
プロデューサー:仙頭武則、飯塚香織 撮影:米倉伸 照明:平谷里紗 現場録音:川上拓也 音響:菊池信之 助監督:滝野弘仁
音楽:Bialystocks 製作:ポニーキャニオン 配給:boid/VOICE OF GHOST
2022年/日本/カラー/DCP/アメリカンビスタ/5.1ch/59分
©PONY CANYON
公式サイト:hadakanoyume.com

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