1992年にスタートした、日本最大規模の子ども国際映画祭「キネコ国際映画祭」。その第29回目が11月2日(水)より二子玉川で開催され、6日(日)のクロージングセレモニーでコンペティション部門の授賞式が行われた。
子ども審査員12名と国際審査員たちの合同審査によって、映画祭に集まった19か国全45作のうち、コンペティション対象作品の35作の中から各賞が選出された。
【29th キネコ国際映画祭 コンペティション作品各賞】
キネコ長編グランプリ
「ドラゴン・プリンセス」監督:ジャン・ジャック・デニー/アントニー・ルー(仏)
ティーンズ長編グランプリ
「チョン・テイル〜燃ゆる炎〜」監督:ホン・ジュンピョ(韓国)
ティーンズ短編グランプリ
「代理試験」監督:キム・ナギョン(韓国)
キネコ短編グランプリ
「うちのじいじは字が書けない」監督:諸江亮(日本)
CIFEJ賞(国際子ども映画連盟賞)
「ぜんぶ、ボクのせい」監督:松本優作(日本)
世田谷区賞
「カタツムリとくじら」監督:マックス・ラング/ダニエル・スナドン(伊=独)
〈国際審査員〉
イーリス・ヘルホーフェン(ベルギー)
ミヒャエル・ハーバウアー(ドイツ/シュリンゲル子ども国際映画祭創設者兼ディレクター)
ジテンドラ・ミシュラ(インド/SIFFCYフェスティバルディレクター)
グランプリ作品は毎年秋に開催される「シュリンゲル子ども国際映画祭」をはじめ、各国の子ども国際映画祭で上映される予定だ。
また、クロージングセレモニーでは司会の井ノ原快彦さん、映画祭ジェネラル・ディレクターの戸田恵子さん、スペシャル・サポーターの齊藤工さんの生吹替えによる「ライブシネマ」も行われ、会場を沸かせた。そしてフィナーレでは全員がステージに集まり、来年の第30回を見据えながら閉幕を宣言。全日程で86,332名を動員し、大盛況のうちに映画祭は終了した。
【クロージングセレモニーでの各者のコメント】
戸田恵子
コロナ禍で心配していましたが、無事クロージングを迎えられて嬉しい。二子玉川という場所や環境にも恵まれました。何かをするということは大変だが、「映画」で繋がって素晴らしい作品を紹介したいという気持ちで開催し続けている。井ノ原さんや齊藤さんが参加できるような映画祭になって嬉しく思います。
井ノ原快彦
映画祭を初期から長く繋げてくださったおかげで、今ここに僕たちがいます。またキネコの季節がやってきたと、みんなが思うような映画祭になる、キネコをもっと広げていく役割かな、と思っております。
齊藤工
(自身製作の「映画の妖精フィルとムー」を上映した後)世界中では、映画の文化がない国がある。南米や東南アジアなど映画文化のない国でも初めて見る映画でもわかるようにと作った作品。自分にとって“映画は窓の存在”だと思っている。窓が開くことで、疑似体験できるのをストーリーに乗せた。言葉を超えて、映画を楽しんでもらいたいです。
キネコ長編グランプリ「ドラゴン・プリンセス」アントニー・ルー監督
ありがとうございます。このような賞をもらって本当に光栄に思います。共同監督のジャンとアニメの国、日本で上映できたことは嬉しく思います。
ティーンズ長編グランプリ「チョン・テイル〜燃ゆる炎〜」ホン・ジュンピョ監督
素晴らしい賞をいただき本当に嬉しいです。ハードな内容の作品ですが、ティーンズのみなさんに受け入れられたことはとても嬉しいです、ありがとうキネコ。素敵な賞をありがとうございました。