名匠オタール・イオセリアーニの日本未公開作を含む全監督作21本をデジタルリマスター版で上映する〈オタール・イオセリアーニ映画祭 〜ジョージア、そしてパリ〜〉が、2月17日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムで開催される。

“ジャック・タチやチャップリンのよう!”(テレラマ)などと評されるオタール・イオセリアーニ。母国ジョージア(旧ソビエト連邦グルジア共和国)で映画を撮り始め、上映禁止などの措置を受けてパリに移住した後も精力的に活動。作品群はカンヌ、ヴェネチア、ベルリンなど各国映画祭で数々の賞に輝き、揺るぎない評価を得ている。
このたび日本劇場初公開となるのは、マチュー・アマルリックが映画初出演を飾った「月の寵児たち」と全編セネガルで撮影された「そして光ありき」(この2作はヴェネチア国際映画祭審査員特別大賞を受賞)、さらにジョージアの歴史・文化を紐解いた3部作ドキュメンタリー「唯一、ゲオルギア」など。
反骨精神とユーモアをもって、混沌とした世の中をノンシャランと笑い飛ばす名匠の映画世界にどっぷり浸れるまたとない機会だ。
上映作品一覧
〈長編12本〉
「落葉」
「歌うつぐみがおりました」
「田園詩」
「月の寵児たち」 *劇場初公開
「そして光ありき」 *劇場初公開
「蝶採り」
「群盗、第七章」
「素敵な歌と舟はゆく」
「月曜日に乾杯!」
「ここに幸あり」
「汽車はふたたび故郷へ」
「皆さま、ごきげんよう」
〈中編3本〉
「四月」
「エウスカディ、1982年夏」 *劇場初公開
「トスカーナの小さな修道院」 *劇場初公開
〈短編5本〉
「水彩画」 *劇場初公開
「珍しい花の歌」 *劇場初公開
「鋳鉄」
「ジョージアの古い歌」
「ある映画作家の手紙 白黒映画のための七つの断片」 *劇場初公開
〈ドキュメンタリー〉
「唯一、ゲオルギア」(3部作) *劇場初公開
オタール・イオセリアーニ監督プロフィール
1934年2月2日、ジョージア(旧ソビエト連邦グルジア共和国)のトビリシに生まれる。44年にトビリシ音楽院に入ってピアノ・作曲・指揮を、53年から55年にかけてモスクワ大学で数学・工学を学ぶ。その後、56年から61年までモスクワのソ連映画学院の監督科に在籍し、卒業後は編集技師として働く。62年に中編「四月」を監督するが、「抽象的、形式主義的」という理由で上映禁止に。66年に長編第1作「落葉」を発表すると、公開禁止となるも、2年後の68年にカンヌ国際映画祭出品。そこで西側に初めて紹介され、国際批評家連盟賞とジョルジュ・サドゥール賞を受賞、イオセリアーニの名は一躍世界に知られる。79年に拠点をパリに移し、84年の「月の寵児たち」、89年の「そして光ありき」、96年の「群盗、第七章」で3度のヴェネチア国際映画祭審査員特別大賞を受賞。06年に「ここに幸あり」、10年に「汽車はふたたび故郷へ」、15年に集大成ともいえるシニカルな人間賛歌「皆さま、ごきげんよう」を発表している。
〈オタール・イオセリアーニ映画祭 〜ジョージア、そしてパリ〜〉
協力:ジョージア映画祭 配給:ビターズ・エンド