1968年10月、ゴダールはアメリカにいた──。幻の映画をめぐるドキュメンタリー「1PM-ワン・アメリカン・ムービー」
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ジャン=リュック・ゴダールが1968年に渡米し、映画撮影した様子を記録したドキュメンタリー「1PM-ワン・アメリカン・ムービー」が、4月22日(土)より新宿K’s cinemaほかで日本初公開。また同館では、68年の五月革命を予見したゴダールの問題作「中国女」、同作をめぐるゴダールのドキュメント「ニューヨークの中国女」も併せて上映される。メインビジュアルが到着した。

 

 

激動の時代を捉えたゴダール幻のアメリカ映画
「1PM-ワン・アメリカン・ムービー」(英題:1PM)

1971年/アメリカ/カラー/90分/BD
©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service
監督:D・A・ペネベイカー、リチャード・リーコック
撮影:ジャン=リュック・ゴダール、リチャード・リーコック、D・A・ペネベイカー 録音:ケイト・テイラー 編集:D・A・ペネベイカー
出演:ジャン=リュック・ゴダール、リップ・トーン、ルロイ・ジョーンズ、エルドリッジ・クリーヴァー、トム・ヘイドン、ジェファーソン・エアプレイン

1968年の秋、ゴダールは「1AM」(ワン・アメリカン・ムービー)なる企画のため、アメリカ合衆国の反体制的な政治と文化の状況に目を向ける。カメラを回すのは、ダイレクト・シネマの旗手リーコックとペネベイカーだ。だが、ヌーヴェル・ヴァーグを牽引した末に商業映画と訣別したゴダールと、ドキュメンタリー映画界の革命児たちの夢の共同作業は編集段階で頓挫。そしてゴダールが放棄したフッテージをペネベイカーが繋ぎ合わせ、「1PM-ワン・アメリカン・ムービー」が完成した。

ここでは、現実と虚構を掛け合わせようとするゴダールの目論見と、現実を未加工のまま提示しようとするダイレクト・シネマの手法がせめぎ合っている。黒豹(ブラックパンサー)党のエルドリッジ・クリーヴァーの談話や、ジェファーソン・エアプレインの印象的なパフォーマンスを捉えた映像から、ありえたかもしれないゴダール映画が想像される。

 

                        

 

 

ゴダールと若者たちの熱気に満ちた討論の記録
「ニューヨークの中国女」(英題:Two American Audiences)

1968年/アメリカ/モノクロ/41分/BD
©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service
監督:D・A・ペネベイカー、リチャード・リーコック
撮影:D・A・ペネベイカー、ジョン・クック 録音:ロバート・リーコック 編集:マーク・ウッドコック
出演:ジャン=リュック・ゴダールほか

アメリカでゴダールの名声が頂点に達していた1968年、「中国女」の配給権を取得したリーコックとペネベイカーは、ゴダールが各地の大学を巡る講演旅行を組織した。4月4日、ニューヨーク大学の学生たちと「中国女」をめぐって流暢な英語で当意即妙の議論を交わすゴダールを捉えたのが「ニューヨークの中国女」だ。同国でゴダールがどれほど若者の関心を呼んでいたかを生き生きと伝える貴重な記録といえる。

 

   

 

 

68年の五月革命を予見したゴダールの問題作
「中国女」

1967年/フランス/カラー/90分/BD
©Gaumont
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ラウール・クタール 編集:アニエス・ギュモ
出演:アンヌ・ヴィアゼムスキー、ジャン=ピエール・レオ、ミシェル・セメニアコ、レックス・デ・ブルイン、ジュリエット・ベルト、オマール・ディオップ、フランシス・ジャンソン、ブランディーヌ・ジャンソン

ゴダールの2番目の妻となるアンヌ・ヴィアゼムスキーを初めて起用し、夏のヴァカンス中にアパルトマンで、毛沢東主義をはじめとする新左翼の思潮について勉強会をする若者たちの生態を描く。戯画的なフィクションでありながら、テロリズムによる暴力の是非をめぐる不穏な議論が真剣に交わされるなど、凡百のドキュメントにも増して当時の雰囲気をよく伝えている。翌68年の五月革命を予見したと言われる作品。

 

   

 

配給:アダンソニア、ブロードウェイ 配給協力:ブライトホース・フィルム 字幕:寺尾次郎 デザイン:千葉健太郎 協力:仙元浩平

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