ミッドセンチュリーの椅子を直す 同性カップルの癒しの北欧スローシネマ「ヒューマン・ポジション」から本編映像「椅子のある生活篇」公開
- アンダース・エンブレム , アマリエ・イプセン・ジェンセン , マリア・アグマロ , ラース・ハルヴォー・アンドレアセン , マイケル・マーク・ランハム , エイリク・スリニング , スティアン・スキャルタット , 西村美須寿 , クレプスキュール フィルム , シネマ サセクション
- 2024年09月09日
病気の療養から復職した新聞記者がなにげない日常や社会との繋がりから心の居場所を見出してゆく、静かな癒しの映画「ヒューマン・ポジション」が9月14日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。本編映像「椅子のある生活篇」が到着した。
今回解禁された本編映像は、様々な「生活と椅子」をテーマに編集されたもの。新聞社に勤めるアスタと彼女のガールフレンドのライヴの二人の家の屋根裏には、修理を待つ椅子たちがたくさん。しかし取材に行く先々でも、打ち捨てられた椅子が気になり、家に持ち帰ろうとするアスタ。「他の動物はしないよね?」と、人間特有の“椅子に腰かける行為“とは何かを二人で考える。そしてまた、椅子を修理する。元の塗装を剥がし、やすりをかけ、そしてまた元の姿を取り戻せるよう、焦ることなく二人で手を加える。傷ついたアスタがライヴと共に過ごす不確かだけれど着実な、静かな日々の一歩一歩に癒される。
何気ない日々のスナップショットを並べたような描写と共に、柔らかな色彩に包まれたこの作品は、静かな佇まいで絵の具が乾くのを見るかのように進む。何かを声高に叫ぶわけでもなく、世界で最も裕福な国の一つといわれるノルウェーに対する、微妙な疑問とメッセージをそっと囁くように投げかける。心拍数を安定させながら、心乱さず高揚させてくれる物語は、”語らずに語る”全てが愛おしいスローシネマだ。
「ヒューマン・ポジション」
監督・脚本・編集:アンダース・エンブレム
撮影:マイケル・マーク・ランハム
音楽:エイリク・スリニング
製作:スティアン・スキャルタット、アンダース・エンブレム
出演:アマリエ・イプセン・ジェンセン、マリア・アグマロ、ラース・ハルヴォー・アンドレアセン
原題:A Human Position
日本語字幕:西村美須寿
2022年/ノルウェー/カラー/ビスタ/78分
© Vesterhavet 2022
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サセクション
配給:クレプスキュール フィルム