CATEGORY 特集記事

草彅剛 「今まで演じてきた中で一番クズな役かもしれない」

市井昌秀監督と草彅剛の熱い思いが詰まった、人間くさい家族の物語 市井昌秀が、12年間温めてきた『両親への想い』を込めたオリジナル脚本の監督作「台風家族」。葬儀屋だった両親が銀行強盗を働き、奪った2千万円と共に姿を消して10年。時効を機に両親を亡きものとして葬儀を行うべく、肉親の事件によって人生を狂わされた鈴木家の4兄妹が、久々に実家で顔を合わせる。長男の妻と娘、長女の恋人までも揃った鈴木家では、それまでの確執や遺産を巡る様々な思惑と感情が交錯し、台風のような一日が繰り広げられる。一筋縄ではいかない人間くささに溢れた家族の物語だ。

2019年度 映画界事件簿「宮本から君へ」助成金不交付

この問題は「表現の自由」の侵害として裁判へ 真利子哲也監督の「宮本から君へ」はキネマ旬報ベスト・テンの3位に選出され、池松壮亮が主演男優賞を受賞するなど、2019年度を代表する秀作の一本である。文化庁所管の日本芸術文化振興会(芸文振)の審査を経て、1千万円の助成金交付が内定していた。 「負けてたまるか」は河村光庸プロデューサーのいまの心情だろう   ところが、出演者の一人、ピエール瀧が麻 […]

映画「主戦場」上映をめぐる『KAWASAKIしんゆり映画祭』の迷走

必要なのは、表現に関わる側の自衛と、享受する側の「表現の自由」を支える自覚  2019年10〜11月に川崎市で開かれた『KAWASAKI しんゆり映画祭』が、ドキュメ ンタリー映画「主戦場」上映をめぐって迷走した。一連の経緯 は、『あいちトリエンナーレ』「宮本から君へ」の問題と時期が重 なったこともあり、表現の自由の危機として注目された。  1995年に始まったしんゆり映画祭は、NPO法人KAWA […]

【追悼コラム】アンナ・カリーナ、自分の人生を生きる Anna Karina,Vivre sa vie

写真=アンナ・カリーナ(『女と男のいる舗道』より)(c)1962.LES FILMS DE LA PLEIADE.Paris   2019年のフランスは、アンナ・カリーナの死と共に暮れた。折からのストライキの影響でパリはいつになく静かだったが、それはまるでパリの街自体が、ひっそりと喪に服しているようにも感じられた。急逝の翌日、文化大臣フランク・リステールは次のようなコメントを発表している […]

追悼、映画俳優 梅宮辰夫 わが昭和のスター

梅宮辰夫は「昭和のスター」という存在を格別なものと思い、東映東京撮影所で身近にいた鶴田浩二や高倉健、菅原文太らへの哀惜の情をしきりと口にした。 だから旧年12月12日、梅宮辰夫逝去の報がテレビで流れ、その直後に『デイリースポーツ』に始まり、『毎日新聞』『日経新聞』『朝日新聞』『フライデー』『アサヒ芸能』『映画芸術』などと、追悼のことばを語るようにとの電話が次々にわが家にかかってくると、やはり梅宮辰夫は昭和のスターだったとの思いをあらたにした。

追悼、映画俳優 梅宮辰夫 ある夏の日の梅宮さんと坪内さん

梅宮辰夫のことを書こうとすると、坪内祐三のことが思い浮かぶ。二人が立て続けに亡くなったからではない。坪内が監督では内藤誠、俳優では梅宮辰夫を敬愛していたこともあるけれど(『新潮45』18年2月号で坪内は梅宮にインタビューした)、わたしがはじめて二人に会ったのが同じ夏の日だったからだ。 2010年7月21日(水)――わたしが企画、脚本を担当した色川武大原作の「明日泣く」(内藤誠監督、斎藤工、汐見ゆかり主演)の撮影初日、内藤の呼びかけに応じ、午前中は坪内が色川武大の父親役として、夜には梅宮が「地下カジノの地回り」の役で特別出演してくれたのだ。

  • 2020.03.03

誰も見たことのない、香取慎吾の“顔”を見よ

誰も見たことのない、香取慎吾の“顔”を見よ 誰も見たことのない香取慎吾を撮る 香取慎吾のアップが多い。しかも画面いっぱいに広がるほどの。 白石和彌監督作品「凪待ち」をDVDで見直してみて、改めて強く感じたことである。 「誰も見たことのない香取慎吾を撮る」。そんな意気込みでつくられたという本作がまず香取に与えたのは、彼がこれまでほとんど見せることのなかった〝陰〟の顔を持つキャラクター。ギャンブルにハ […]

第45回 城戸賞準入賞作品シナリオ全掲載&受賞作品選評

1974年12月1日、「映画の日」に制定された城戸賞が45回目を迎えた。本賞は映画製作者として永年にわたり日本映画界の興隆に寄与し、数多くの映画芸術家、技術家などの育成に努めた故・城戸四郎氏の「これからの日本映画の振興には、脚本の受けもつ責任が極めて大きい」との持論に基づいたもので、新しい人材を発掘し、その創作活動を奨励することを目的としている。これまでも「のぼうの城」(11)、「超高速!参勤交代」(14)など受賞作が映画化され大ヒットした例もあることから本賞の注目度は高く、今回は史上最多の421篇の応募があった。その中から10篇が最終審査に進み、町田一則氏の「黄金の虹」が準入賞を受賞した。その全編をご紹介するとともに、最終審査に残った10篇の総評を掲載する。

物語の世界を深く楽しむ。“読書の秋”は原作ありの映画を観よう

秋と言えば“読書の秋”。10月も後半に差し掛かり肌寒い日も多くなってきましたが、そんなときは暖かいお部屋でゆっくり読書をして過ごすのも良いですよね。また、読んだ本の映像化作品を観て、その作品の世界観をさらに深めてみるのもお薦めです。そこで今回は、“読書の秋”にちなみ、小説やコミック原作の映画をピックアップしました。原作と合わせて、是非、チェックしてみてください。

「地域映画」は、本当に地域のためになるのか?

女優の池田エライザが今夏、地元の福岡県に戻り、田川市で映画「夏、至るころ」を監督したニュースは、映画ファンを驚かせた。超多忙である女優が初監督を務めることはもちろん、九州出身のリリー・フランキーや高良健吾など有名俳優が続々出演したからだ。

3人が見つめる向こう側、稲垣吾郎主演「半世界」

「こっちも世界なんだよ」-映画「半世界」 「半世界」とは、言い得て妙なタイトルだ。戦前に活躍した写真家、小石清が1940年に催した写真展の名前で、監督の阪本順治は、数年前の再展示を見てこの言葉、そして内容に感銘を受けたそうだ。小石は日中戦争の従軍カメラマンとして中国に渡るが、そこで撮った写真は『象と鳩』など、日常を切り取ったものばかりだった。 全世界に対する、半世界。半分の世界というより、マクロに […]

「死ぬまでにこれは観ろ!」 樋口真嗣(映画監督)×松崎健夫(映画評論家)【後編】

前編に続き、キングレコードの「死ぬまでにこれは観ろ!」シリーズを樋口真嗣、松崎健夫の両氏に語っていただいた。特撮を手掛ける樋口監督ならではの作品チョイスや、松崎氏の人生を狂わせた映画の話も登場する。

「死ぬまでにこれは観ろ!」 樋口真嗣(映画監督)×松崎健夫(映画評論家)【前編】

アクションやドラマ、ホラーなど多彩なバリエーションに富み、S級からZ級までを揃えたラインナップで映画ファンの心を掴んできたキングレコードの「死ぬまでにこれは観ろ!」シリーズが今年で6年目を迎える。

『ROMA/ローマ』の衝撃、Netflixは「映画体験」を変えるのか?

『ROMA/ローマ』の衝撃、Netflixは「映画体験」を変えるのか? ついにこの時がきたか―多くの映画ファンはそう思ったかも知れない。 Netflixオリジナル作品『ROMA/ローマ』のヴェネチア国際映画祭での金獅子賞受賞、そして米国アカデミー賞での作品賞をはじめとする10部門ノミネートである。

『2001年宇宙の旅』でも話題!映画を進化させたUHDの実力とは?

特別対談:麻倉怜士(オーディオ・ビジュアル評論家)×樋口真嗣(映画監督) ブルーレイを進化させた「Ultra HD Blu-ray」(以下、UHD)が2016年に登場してから丸2年。現在、300タイトル以上が揃い、市場規模も順調に推移している。新作はもちろん、昨年末には製作50周年を記念し新たにプリントされた70ミリフィルムを基に製作された『2001年宇宙の旅』UHD版がリリースされ話題になるなど、強力なビッグタイトル、画質力・音質力・作品力の高い作品が市場を牽引している。

激変する視聴環境、18年ヒット作からみる発見と課題

音楽の力で今冬を席巻した『ボヘミアン・ラプソディ』。Netflixをはじめとする配信による新作公開の増加。映画の共通体験の場としての劇場のあり方が問われる中、ハリウッドの映画人たちはどこへ向かうのか?

“世界の映画祭を席巻”中国映画界で何が起こっている!?

最近の中国映画界は、海外の映画祭で高評価を得た作品と、エンタテインメント色の強いヒット作という、異なる特徴を持った新世代監督の台頭で二極化している。 『迫り来る嵐』や『象は静かに座っている』(中国公開は未定)は映画ファンから支持されても、本国での興行的成功は期待しにくい。最近はネット配信などでの回収も見込めるとはいえ、作家性、資金調達、市場のバランスを取るのが難しいのはどこの国も同じだ。