映画24区が運営する『ぼくらのレシピ図鑑シリーズ』第1弾「36.8℃ サンジュウロクドハチブ」(17)のプロジェクトに、制作担当として関わった松本裕一さんは当時、加古川市の市議会議員だった。若き日に若松組や高橋伴明組、NCPや日活撮影所を拠点に制作部として映画制作に携わっていた経験を活かし、地元の加古川市に戻ってからは、まちづくり活動の一環としてフィルムコミッションの設立にもトライしてきた。
そんな経歴を持つ松本さんだが、当初は『ぼくらのレシピ図鑑シリーズ』のプロジェクトに懐疑的、むしろ反対だったという。それがなぜ、地域活性に映画づくりを活かせると考えるに至ったのか。現在は兵庫県議会議員である松本さんにお話をうかがった
自主映画界の女王、制服の天使とささやかれた女優、堀春菜。現在は二十歳を過ぎて大人の女優となったが、16歳のときに主演した幻のデビュー作「ガンバレとかうるせぇ」が撮影から6年の年月を経て、ようやく劇場公開される。
佐藤快磨(さとう・たくま)監督の長篇初監督作で、PFFアワード2014で観客賞を受賞。その後、かの有名な釜山国際映画祭のプログラマー、キム・ジソクに選ばれ、「ニューカレンツ」部門で海外初上映を果たした。このとき、堀春菜は佐藤監督とともにレッドカーペットを歩いた。運命的な出会いから話を聞いた。
音楽が禁じられた世界で、音に魅了された若者たちの運命を描く青春SFロードムービー 「サラバ静寂」。 本作を手掛けるきっかけとなった自身の映画制作への切望と、苦悩の日々の果てに出会った俳優・吉村界人との出会いを始め、本作を撮った3つの理由を宇賀那健一監督が真摯に語る。
平山監督の最新作「閉鎖病棟―それぞれの朝―」には、今を生きる人々への力強い励ましが込められ、清冽で濃厚な残像を残す逸品となったが、決して声高に叫んだりせず、押しつけがましくもない。これこそが、職人監督として長年第一線で撮り続けてきた平山監督の矜持だと思えるのだ。
「閉鎖病棟―それぞれの朝―」は、帚木蓬生氏のベストセラー小説の映画化で、信州の精神科病棟を舞台に患者さんたちの人間模様を描いた作品です。死刑囚でありながら刑の執行に失敗し病院に送られてきた秀丸さんを笑福亭鶴瓶さんが演じ、それに綾野剛さん扮するチュウさん、小松菜奈さん扮する由紀など、同じ病院の患者たちが多彩に絡みます。
地域活性のための映画製作プロジェクト『ぼくらのレシピ図鑑シリーズ』第1弾は、兵庫県加古川市を舞台に作られた「36.8℃ サンジュウロクドハチブ」(17)。『ぼくらのレシピ図鑑シリーズ』とは、「1本の映画をつくり上げた時間(過程)が、地域にとってかけがえのない財産になる」をコンセプトに、地域の「食」や「高校生」とコラボしてシティプロモーション効果を持つ青春映画を作るプロジェクトだ。
映画24区が、『ぼくらのレシピ図鑑シリーズ』という地域活性のための映画製作プロジェクトを、安田真奈監督の「36.8℃ サンジュウロクドハチブ」で始めたのは2年前だ。現在は第2弾の池田エライザ監督作「夏、至るころ」が撮影を終えて編集中である。
地域活性のための映画づくりと言っても、出資者、言い換えるとライツホルダーがたくさん存在する映画製作環境では、本当に地域活性に映画が貢献したのか疑問が残るプロジェクトが少なくない。
だが、『ぼくらのレシピ図鑑シリーズ』は、そこがブレないプロジェクトにしたいのだと、プロデューサーの三谷さんは言う。それには、地域で一緒にプロジェクトを進められる人材が必要と、11月から東京で「地域プロデューサー養成講座」を始める。
『ニーチェの馬』(2011年)で映画監督からの引退を表明しながらも、いまだ世界中からリスペクトされ続けるハンガリーの巨匠、タル・ベーラ監督(64歳)。1994年に手がけた伝説の作品『サタンタンゴ』(4Kデジタル・レストア版)公開に併せて、8年ぶりに来日を果たした。
意外かもしれないが、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットの初共演作である。現在のハリウッドにおける最大のスターである二人の共演を実現しうる監督は、タランティーノをおいてほかにいるだろうか?
前作『君の名は。』に続き、『天気の子』のプロデュースを務めたのは、川村元気。いまや日本屈指のヒットメーカーとして押しも押されもしない存在といえる彼が、今作で果たした役割とは?
『雲のむこう、約束の場所』(2004年)以来、撮影や色彩設計として長年にわたり新海ワールドのビジュアルを支えてきたキーパーソン・三木陽子。今作では助監督として新海監督を全面的にサポート。
数々の名ドラマを手がけてきた脚本家の岡田惠和と、俳優としても活躍するアーティスト、銀杏BOYZの峯田和伸が、銀杏BOYZの楽曲をモチーフにした小説を発表、映画化した話題作『いちごの唄』。年に一度、七夕の日にだけ会う男女のロマンチックなラブストーリーで、石橋静河は、織り姫もといヒロインの天野千日(ちか)を演じた。
平成を代表するベストセラー時代小説家・佐伯泰英。1999年に時代小説に転向した佐伯は、今日までの20年間で、累計発行部数6500万部を誇る作品群を発表している。その初の映画化作品となる『居眠り磐音』が、令和になって初めて公開される時代劇映画というのも何かの定めだろうか。映えある一本目の主演を任された松坂桃李にとっても映画の時代劇主演は初挑戦。
古今東西、映画史には脈々と「ミュージシャン兼俳優」の異形の輝きが刻まれている。内田裕也と萩原健一はその中でも、最重要級の存在だ。そしてある時期、それぞれと出会い、タッグを組み、永遠の傑作群を残した神代辰巳監督も。ささやかながらここで、3人の“奇跡の軌跡”を振り返ってみたいと思う。
初の長篇商業映画『湯を沸かすほどの熱い愛(以下『湯を沸かす』と略)』(2016年)で高い評価を受けた中野量太監督。その彼が、直木賞作家・中島京子の小説「長いお別れ」を映画化した。これは認知症になった山﨑努の父親と、それを支える松原智恵子の母親。竹内結子の長女・麻里、蒼井優の次女・芙美という一家4人の7年間にわたる触れ合いを描いたもの。
『モテキ』から7年。この間、常に新作を待望され、いずれもその期待に応えてきた大根仁の長篇第5作は、韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』のリメイク。何をやっても「定評のある」大根は、人々の記憶にも新しいヒット映画をどのように見せてくれるのか。
手塚眞監督はひと目で「三浦涼介に決めた!」その理由 ヴィジュアリスト・手塚眞監督の“ふたつの伝説”―1985年の伝説のカルト・ムービー『星くず兄弟の伝説』、その再来となった2016年の『星くず兄弟の新たな伝説』 […]
強い女性を演じさせたら、戸田恵梨香は抜群の威力を発揮する。オフの時に見せるきりりとした眼差しや、はっきりとした物言いも関係しているが、演技に関して言えば、表に見せていた強さを維持できず、その端正な表情が綻んだと […]
出版社の陰謀!?原作者が語る『翔んで埼玉』の誕生秘話!
「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせておけ!」「埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!」……過激なセリフが飛び交う、埼玉dis(叩き)が魅力のギャグマンガ『翔んで埼玉』が、発表から30余年を経てついに実写映画化。都会と地方の間で引き裂かれる埼玉版『ロミオとジュリエット』に、映画オリジナルで愛と革命のエピソードがたっぷりと加わったギャグ・アクション大作となった。麗しき高校生二人に、二階堂ふみとGACKTが初共演。
『半世界』で炭焼き職人の高村紘を演じた、稲垣吾郎。公開は『クソ野郎と美しき世界』(2018年)が先だったが、撮影はこちらが先行していた。独立後初めての映画で、映画主演も『笑の大学』(2004年)以来、久しぶり。美しく優雅な男性や、エキセントリックな役を演じることが多かった稲垣だが、『半世界』では土にまみれ、灰にまみれ、日常にあくせくする中年男性としてそこに存在している。映画俳優として新たな地平に立った彼が、いま見据えるものとは?