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ビー・ガン監督「凱里ブルース」 迷宮としての世界、ふたたび

一言「マニエリスム」と言ってしまえばよい。本作に寄せられた海外レヴューにある「逸脱」「横道にそれがち」「非線形さ」といった表現は、脱-中心化と脱-焦点化の〈原-身ぶり〉をもつマニエリスム芸術の特徴である。あるいは本作がタルコフスキー「ノスタルジア」(83年)、ヴェンダース「パリ、テキサス」(84年)、ホウ・シャオシェン「憂鬱な楽園」(96年)、アピチャッポン「世紀の光」(16年)など、数限りない映 […]

中国映画が、とんでもない!

2020年代3号目の『キネマ旬報』は、現代中国映画の「深い理解への入口」へと読者をお誘いしてみたい。そして、いま始まろうとしている20年代の映画体験、20年代の世界を生きることに備えよう。このたび公開される、中国から届いたアートフィルムには驚くべき贅沢さ、大胆な構想、鋭敏な知性が躍っている。まずは素直な驚きに身を委ねてみよう。

あまりに痛く、美しいトランスジェンダーの少女がふみだす一歩 映画『Girl /ガール』

『ガール』という映画に予備知識もないまま興味をもったのは昨年5月、カンヌの映画祭公式ページで授賞セレモニーの中継を見た時のことだ。カメラ・ドールを受賞した監督ルーカス・ドンと共に登壇した金髪のひとりは、小公子のような黒いリボンで襟元を飾り、消え入りたげな微笑みを湛えてそこにいた。

PTSDに苦しむ男性の空想世界を描いた感動の実話 映画『マーウェン』

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ(1985—90年)、『フォレスト・ガンプ 一期一会』(1994年)などで知られるロバート・ゼメキス監督。その最新作『マーウェン』は、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の被害に遭った男性が、アートとイマジネーションで自身を癒すというストーリーである。

巨匠“ゴダール”を知る人物が語る、驚異の思考とは?

映画史に燦然と輝くシネアストにして生きた伝説、御年88歳を迎えるジャン=リュック・ゴダール監督の最新作『イメージの本』がいよいよ日本公開となる。(4月20日よりシネスイッチ銀座ほか全国にて) 現在はスイスのレマン湖畔ロールに住み、おいそれとは公の場に出なくなって久しいゴダール。映画史における神話的存在である彼は、その隠れ家のような場所でどのようにして映画を作っているのか?

今なぜ“女王映画”が人気なのか? その魅力と注目点

『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』 ◎3月15日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国にて (c)2018 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED 英国は女王の時代に栄える――それほど英国の歴史に詳しくなくても、この言いまわしは耳にしたことがあるだろう。ここで言う女王とはまさしく“ゴールデン・エイジ”を築いたエリザベ […]