イマジナリーの映画専門家レビュー一覧
イマジナリー
「M3GAN/ミーガン」のプロデューサー、ジェイソン・ブラム率いる制作会社ブラムハウス・プロダクションズと、「ソウ」「ハンガー・ゲーム」シリーズを手掛けるライオンズゲートがタッグを組んだホラー映画。悪夢に悩まされる絵本作家のジェシカは、環境を変えようと幼い頃暮らしていた家に引っ越す。そこで次女のアリスが古びたテディベアを見つけるが……。出演は「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」のディワンダ・ワイズ。
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俳優
小川あん
ある意味で主役は、主人公ジェシカの継娘のアリス。名前からしても「アリス・イン・ワンダーランド」? これは、ホラー映画ではなくて、ファンタジーでしょう。そもそもイマジナリー・フレンドはホラーではなくて、心理学で一種の現象とされている。それが本作では擬人化して、過去のトラウマと結びついた。開けゴマ!的な瞬間や、深層世界を見るのは楽しいけれど。あの、あからさまに怪しいお婆ちゃんの消え方は無茶苦茶だし、もっと違った形でコミットしたほうがよかったのでは?
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翻訳者
篠儀直子
ホラー映画として進行していたのが、クライマックス以降完全にバトル映画と化して全然怖くなくなるのも、女性たちが連帯して戦うのも、以前ここで取り上げた「死霊館のシスター 呪いの秘密」と同じなので、最近のトレンドなのだろうか(特に後者についてはそうだろう)。恐怖がじわじわ迫ってくる描写も、主人公が夫の連れ子姉妹との関係に悩みつつ、自分の過去へと降りていくというアイディアも悪くないと思うが、フリだと思えた箇所がいくつか結局機能しないままだったのは、息切れしちゃったの?
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編集者/東北芸術工科大学教授
菅付雅信
「ゲット・アウト」「M3GAN/ミーガン」で知られるブラムハウス・プロダクションズと「ソウ」シリーズのライオンズゲイトがタッグを組んだホラー。少女が愛するテディベア人形が巻き起こす恐怖を描く。プロットを聞いただけで「ミーガン」×「TED」かよ?と想像すると、想像以下の展開に。テディベアを使った恐怖描写があまりに凡庸で、せめてミーガン人形のようなダイナミズムが欲しいもの。こんな安易な企画でも、子どもにはぬいぐるみへの要らぬ恐怖心を与えてしまうだろうから、製作陣は猛省してほしい。
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