DOG DAYS 君といつまでもの映画専門家レビュー一覧

DOG DAYS 君といつまでも

「ミナリ」でアカデミー賞助演女優賞に輝いたユン・ヨジョンと「コンフィデンシャル/共助」のユ・ヘジンがダブル主演を務め、犬を介した人々の出会いを描くハートウォーミングストーリー。自宅周辺が犬の糞で汚れることを苦々しく思っていたミンサンは……。共演は「国際市場で逢いましょう」のキム・ユンジン、「ビニールハウス」のキム・ソヒョン。
  • 映画監督

    清原惟

    何匹かの犬と何人かの人間たちの群像劇。娯楽的なタッチでありながらも、それぞれの人物が丁寧に描かれている。動物病院の院長先生や大御所建築家など、信念を持って働く女性たちが出てくること、その社会的立ち位置が見えてくることにも好感を持った。初めはめちゃくちゃ嫌な人だった動物病院のオーナーがいろいろなことを経て改心するのは、エンタメ的ご都合主義にも見えなくもないが、人は変わることができるのだというきらめきも感じた。動物たちの芝居がとにかくすばらしかった!

  • 編集者、映画批評家

    高崎俊夫

    犬の映画といえば「トッド・ソロンズの子犬物語」や「ほえる犬は噛まない」を思い浮かべるのは少数派だろうか。どちらも愛犬家からみれば正視しがたい酷薄でブラックな受難劇。やはり本作のような登場人物がすべて〈善意〉というオブラートで包まれたヒューマンドラマこそが本流だろう。ある動物病院を舞台にそれぞれ階層も違う老若男女が交差しながら予定調和な大団円へと辿りつく。地味めなキム・ソヒョンとユ・ヘジンの恋の行方を含め、どこかウェルメイドな模範解答の味気なさも。

  • 映画批評・編集

    渡部幻

    現代における犬と人間の共生のヒューマンコメディ。日に日に家族のかたちは多様化している。共に生きれば犬も猫も家族であり、亡くせば片腕をもがれたような喪失感を感じる。人と同じように葬式をあげることも増えたが、資本主義的な発想や伝統的な考え方、何より凝り固まった人の意識が、その変化に追いつかないことがある。この映画は、人間の養子と保護犬、迷子犬の課題を重ね、死別、安楽死などのエピソードにリゾート開発の問題を盛り込んでお涙頂戴だが、人も犬もみな丸く収まるという娯楽作。

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