ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件の映画専門家レビュー一覧

ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件

「インファナル・アフェア」シリーズ以来となるトニー・レオンとアンディ・ラウが共演したサスペンス・アクション。1980年代のバブル経済真っ只中の香港を舞台に、国民から100億ドルをだまし取った凄腕詐欺師とそれを追う執念の捜査官の攻防を描く。監督・脚本は、「インファナル・アフェア」3部作の脚本を手掛けたフェリックス・チョン。
  • 俳優

    小川あん

    製作費70億、贅沢だ! フィクションとはいえど80年代香港の金融業界が超エンタメ。主演二人の見事なスターっぷりが相性抜群◎。テンポ重視で、どんどん詐欺。どんどん人殺し。どんどん金儲け。この急速なスピードで成り上がっていく様は見ていて面白い。舞台も豊富で、なんじゃこりゃ、と思うような巨額のお金を費やしたオフィスや、明らかに危険な匂いのする廃墟のような取引場。アジア圏内だけに、親近感。トニー・レオンは、イケオジ。彼のベストアクト「花様年華」から25年かぁ。

  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    〈君の瞳に恋してる〉が流れるモンタージュ・シークエンスまで(前半部)は、ケレンにあふれ、アップビートでゴキゲン。ところが後半、展開が何だか駆け足気味になり、ジャンルまで変わったかのようになって、全体で見るとどうもバランスが悪い印象に。もしかしたら配信のミニシリーズにしたほうがいい題材なのかもと思ったら、この事件をもとにした連ドラはすでに2020年に香港で放送されているとか。けれども2大スターの顔合わせの魅力は絶大、70・80年代香港の再現も映画ファンには感慨深いかと。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    トニー・レオンとアンディ・ラウが「インファナル・アフェア」シリーズ以来、およそ20年ぶりに共演した、香港のバブル経済における金融詐欺事件をめぐるドラマ。詐欺師役のレオンと捜査官役のラウの15年にわたる駆け引きを描く。間違いなく魅力的なキャスティングなのだが、波瀾万丈な15年を圧縮して見せようと、映画は2時間総集篇のような慌ただしさ。さらにVFXがこれでもかと使われ、ゴージャスな犯罪譚がチープなルックに。化学調味料がふんだんに入った満漢全席の味わい。

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