きみがくれた物語の映画専門家レビュー一覧
きみがくれた物語
「きみに読む物語」などの人気作家ニコラス・スパークスのミリオンセラー小説を映画化。ノースカロライナの小さな海沿いの町で偶然出逢い、恋に落ちたトラヴィスとギャビー。永遠の愛を誓い二人の子供を授かった夫婦の前に、あまりにも過酷な運命が立ちはだかる。監督は「ロスト・イン・トランスレーション」や「マリー・アントワネット」の製作を務めたロス・カッツ。出演は「白鯨との闘い」のベンジャミン・ウォーカー、「X-ミッション」のテリーサ・パーマー、「96時間』シリーズのマギー・グレイス、「カリフォルニア・ダウン」のアレクサンドラ・ダダリオ、「グローリー 明日への行進」のトム・ウィルキンソン、『ヤング・スーパーマン』のトム・ウェリング。
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翻訳家
篠儀直子
主演男優の声が、撮影所時代のハリウッド映画に登場する男性スターの感じだなあと思っていたら、そこからしばらく、古典期ハリウッド映画を思わせる「ケンカ友だちが恋に発展する」話が展開(しかも女性を婚約者から奪うという黄金パターン!)。主人公が困難な選択を迫られる後半部分のほうがこの映画の推したい部分なのかもしれないが、むしろいま述べた前半部分こそが捨てがたい。とはいえ終盤のとあるセリフにもほろり。米国南部湿地帯のロケーションがめざましい効果を上げる。
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映画監督
内藤誠
アメリカ南部の小さな町で獣医をしているベンジャミン・ウォーカーの隣に犬を飼う医学生のテリーサ・パーマーが引っ越してきて、爽やかな青春の気分で物語は始まる。原題が「選択」となっているだけあって、人生はちょっとした選択で決まってしまうという大河ドラマ。原作は、ベストセラーらしいが、プロットを気にしないで書いたようで、行き当たりばったりの展開だ。「運命のいたずら」という話が多いけれども、獣医が主人公だから、愛犬家にはお薦めできるし、舞台の風景も美しい。
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ライター
平田裕介
舞台となるのは海辺の町、出てくる人間のほとんどが人畜無害、泣いて笑ってフォーリン・ラブという展開と、どこを切ってもニコラス・スパークスの世界。これがチャニング・テイタムやらライアン・ゴズリングやらレイチェル・マクアダムズといった面々だとハマるし、うっかりウットリもしてしまうわけである。だが、今作の主演男女はスラッシャー・ムービーの序盤で殺されるような風貌とオーラ。こうなると途端に陳腐に思えてきてしまう。そんなニコラスの不思議を学ばせてもらった。
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