地獄少女の映画専門家レビュー一覧
地獄少女
2005年にTVアニメが放映開始し漫画、ドラマ等幅広く展開されたミステリーホラーシリーズを、「不能犯」の白石晃士監督が実写化。アーティストの魔鬼が遥を儀式の生贄にしようとしていることを知った美保は、恨みを晴らしてくれると噂のサイトにアクセスする。地獄少女・閻魔あいを「惡の華」の玉城ティナが演じるほか、「天気の子」で声優を務めた森七菜、アイドルグループSKE48の大場美奈らが出演。
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ライター
須永貴子
はまり役の玉城ティナをアイコンにした、地獄パートの完成度が高い。エコーをかけた音響とねっとりしたCGで、無限に歪む時空間を表現。和製ダークファンタジーの実写映画としては、最高レベルと言っていいのでは。わらべうたや和装が彩る世界観は、日本映画にしか作り出せないものなので、海外セールスすべき作品。人間の愛憎が原動力となる現世パートは、肉体が感じる痛みや苦しみを観客に伝えることに成功したことで、安っぽくなりそうなところをギリギリで踏みとどまっている。
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脚本家、プロデューサー
山田耕大
もとになった企画コンセプトは十数年くらい前からあり、それがテレビアニメと漫画が連動し、漫画は23巻で300万部を超え、テレビアニメは断続的ではあるが10年以上続いたらしい。なら、これは待望の映画化ということになりそうだ。知らなかった。勉強不足だ。で、作品は無難にまとめられている。設定もストーリー展開も平均値。際立ったものは特にない。面白くないかと言われれば、NO。面白いかと聞かれれば、素直にYESとは言えない。時々出くわすそういう作品の一つと言える。
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映画評論家
吉田広明
「純度」の低い連中を世界から一掃するため「神」を呼び出す儀式を組織するヴィジュアル系=カルト宗教系=厨二バンド、結束を図るのにキメセクを活用、そのスタッフにはなぜか地獄少女グループのメンバーが参加(コーラスに麿赤兒!)。ツッコミどころ満載で、ある意味面白いが、しかし多少荒唐無稽になっても絵の力で虚構に振り切れるアニメと違う実写の場合、実物と作り物の配分計算を間違うとかくもトンデモに、という教訓として受け止めるのが正しい鑑賞方法かと思う。
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