ツイスターズの映画専門家レビュー一覧

ツイスターズ

「ジュラシック・ワールド」製作陣が贈るアクション・アドベンチャー。アメリカ・オクラホマ州で巨大竜巻が多数発生。竜巻の研究に没頭している気象学の天才、竜巻インフルエンサーら、知識も性格もバラバラな寄せ集めチームが前代未聞の“竜巻破壊計画”を企てる。出演は「トップガン マーヴェリック」のグレン・パウエル、「ザリガニの鳴くところ」のデイジー・エドガー=ジョーンズ、「イン・ザ・ハイツ」のアンソニー・ラモス。監督は「ミナリ」のリー・アイザック・チョン。
  • 俳優

    小川あん

    さすがの「ジュラシック・パーク」製作陣はオクラホマの麦畑、そよぐ草の立体感といい、自然を生き生きと見せるのがお上手。しかし、たちまち巨大な竜巻が美しい風景と地元の人の生活を奪う。ちょうど試写室を出たときに、空がドヨンとしてて、しばらくは震えてたのでかなり没入していた。パニック映画を見ると、もしそうなったときに助かる方法を心得た気持ちになる。実際に竜巻に遭遇した人のインタビューとメイキング映像も合わせて楽しんだ。車にドリルが装備されてるの、いいなぁ。

  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    こんな非常時に「フランケンシュタイン」の上映を続けている場合か!とか思うが、スクリーンが破れたその先に、まさに人間が自然=神に挑戦する光景が広がっているという趣向なのだろう。竜巻が繰り返されすぎてこちらが慣れてしまうのが難だけど、最初の竜巻の壮絶な描写は、のちの展開に非常に効果的。「ミナリ」の監督が起用されたことは誰もが意外に思うだろうが、CGと人物描写とのバランス感覚と、風景を取りこむセンスが抜群。魅力的な次世代スターの顔合わせもあって、今後伝説になる映画かも。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    米オクラホマ州を舞台に、巨大化する竜巻に対し竜巻破壊計画を企てる若きチームの奮闘を描く。スピルバーグが製作総指揮で、彼が以前に製作総指揮を務めた「ツイスター」(96)よりもスケール感&VFX感がアップ。今回は監督が「ミナリ」のリー・アイザック・チョンで、もっと人間ドラマが描かれているかと思いきや、シナリオが凡庸であくまで竜巻中心の筋運びでガッカリ。才能ある若手映画作家がブロックバスターを手がけると、予算とVFXはふんだんだがドラマ性や美学性が稀釈されるというハリウッド・システムの悪しき最新例。

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