モアナと伝説の海2の映画専門家レビュー一覧

モアナと伝説の海2

第89回アカデミー賞、第74回ゴールデングローブ賞など数々の映画賞にノミネートされた「モアナと伝説の海」の続編。「アナと雪の女王」のディズニーが贈る、美しい南国の海を舞台にした感動のミュージカル・アドベンチャー。海と特別な絆で結ばれたモアナは、ある伝説を知る。かつて人々は海でつながっていたが、人間を憎む神に引き裂かれてしまったと。その呪いを解くためにモアナは、風と海の守り神・マウイや新たな仲間と共に世界を再びひとつにする航海に繰り出す。監督はデイブ・デリック・ジュニア。日本版声優は、モアナに屋比久知奈、マウイに尾上松也。
  • 俳優

    小川あん

    モアナがすべての海を繋ぎ、そしてまだ見ぬ人々を探し、航海に出る壮大なストーリー。結果、すべてを成し遂げて、故郷にもどる。全方位から船でモアナに会いにくる各島の村人たち。この姿形が私たちの世界にもあってほしいと、ファンタジーとアニメーションの力で思い知らされた。先祖を敬い、自然と共存する人たちは音楽と踊りで団結する。現代社会はそこからどんどん遠ざかっている。だからこそ、ディズニーが作り出す、この小さくて、でも愛に溢れた勇敢な女性像が必要なのだ。

  • 翻訳者、映画批評

    篠儀直子

    偉大な先人が生涯かけても達成できなかった危険な旅に、軽々しく友人たちを巻きこむところで「おいおい」となったが、ことの重大さをその後主人公にきっちり学ばせ、そのうえで物語をしっかり本筋に戻す安心設計。「お姫様(族長の娘)でないと主人公になれないのか?」という限界はあるけれど、このエンパワメント具合はやはり素晴らしい。マウイ(CV:ロック様)が、容貌と関係なく二枚目に見えてくるキャラ描写もさすが。動くタトゥーのミニ・マウイも、ココナッツの海賊も、可愛くてかっこいい。

  • 編集者/東北芸術工科大学教授

    菅付雅信

    ポリネシアの神話を基にしたディズニー・アニメ「モアナと伝説の海」の続篇。少女モアナが島の未来をかけた冒険の旅に出る。お供を連れて困難に立ち向かうという冒険譚の元型(アーキタイプ)をディズニーらしいミュージカル込みのジェットコースター・ムーヴィーに仕上げているが、悶絶しそうなほど話が陳腐で、映像がひたすら乱高下する構成のため、三半規管が狂いそうになる。子供向けのアトラクションに深い物語やメタファーなんかいらないと開き直った製作態度が腹立たしい。

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