モアナと伝説の海2の映画専門家レビュー一覧
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俳優
小川あん
モアナがすべての海を繋ぎ、そしてまだ見ぬ人々を探し、航海に出る壮大なストーリー。結果、すべてを成し遂げて、故郷にもどる。全方位から船でモアナに会いにくる各島の村人たち。この姿形が私たちの世界にもあってほしいと、ファンタジーとアニメーションの力で思い知らされた。先祖を敬い、自然と共存する人たちは音楽と踊りで団結する。現代社会はそこからどんどん遠ざかっている。だからこそ、ディズニーが作り出す、この小さくて、でも愛に溢れた勇敢な女性像が必要なのだ。
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翻訳者、映画批評
篠儀直子
偉大な先人が生涯かけても達成できなかった危険な旅に、軽々しく友人たちを巻きこむところで「おいおい」となったが、ことの重大さをその後主人公にきっちり学ばせ、そのうえで物語をしっかり本筋に戻す安心設計。「お姫様(族長の娘)でないと主人公になれないのか?」という限界はあるけれど、このエンパワメント具合はやはり素晴らしい。マウイ(CV:ロック様)が、容貌と関係なく二枚目に見えてくるキャラ描写もさすが。動くタトゥーのミニ・マウイも、ココナッツの海賊も、可愛くてかっこいい。
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編集者/東北芸術工科大学教授
菅付雅信
ポリネシアの神話を基にしたディズニー・アニメ「モアナと伝説の海」の続篇。少女モアナが島の未来をかけた冒険の旅に出る。お供を連れて困難に立ち向かうという冒険譚の元型(アーキタイプ)をディズニーらしいミュージカル込みのジェットコースター・ムーヴィーに仕上げているが、悶絶しそうなほど話が陳腐で、映像がひたすら乱高下する構成のため、三半規管が狂いそうになる。子供向けのアトラクションに深い物語やメタファーなんかいらないと開き直った製作態度が腹立たしい。
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