「ハンカチは貸すためにある」
この名言を聞いてから僕は、ハンカチを忘れたことがない。
『マイ・インターン』という映画は、七十歳のインターンであるベンが、若き社長ジュールズの生き様を変えていく物語である。
七十歳のインターン?と思った人もいるかもしれないが、ベンは四十年間ずっと仕事に打ち込んで生きてきて、年をとった今でも自分の居場所を見つけたいというとても仕事熱心な人だった。
僕は『マイ・インターン』に出てくる、そんなベンという人物から三つのことを学んだ。
一つ目に学んだことは、何事もまず一歩引いてみることだ。人は多くを語りたがる生き物らしい。僕もこの映画を見るまでは、多くのことを語ってしまった経験がある。一歩引くには、まず自ら助言しないことが大切らしい。映画の中で、ベンは「こうしたほうが効率的だ」とか「それは失敗につながるかも」と何度も思っているだろうなと思っていたが、それを口に出すシーンはほぼゼロで、上司や仲間から「これはどう思う?」や「助けて、ベン!」と頼られた時に助言や助け舟を出していた。そしてベンの凄いところは、少ない言葉でアドバイスをしているところだった。ぼくは学校の班活動で話すとき、つい長く話してしまって、みんなから「長いな」とか「ややこしいな」という風に思われていたかも…と、この映画を見てから反省した。
二つ目に学んだことは、好きな名言を持つことだ。あなたは好きな名言を持っているだろうか。映画の中でベンは「正しい行いは、迷わずやれ」という名言を紹介していた。失敗してもいい、笑われてもいい、自分の信じる道を歩めばいいという意味らしい。この名言を聞いて、僕は、電車の中や道端で困っている人がいたら、「正しい行いは、迷わずやれ」という言葉を思い出して席を譲ったり、声を掛けたりしている。
最後に学んだことは、ハンカチを持つことだ。ベンは映画の中で「ハンカチは貸すためにある」という名言を述べている。正直なところ、この映画を見るまでは、ハンカチを持っていく意味なんてあるのかと思っていた。実は、「ハンカチは貸すためにある」のあとにベンは「女性が泣いた時のため、紳士のたしなみだ」と言っている。実際、映画の中で一人の女性が泣いている時、ベンが女性にハンカチを渡しているシーンがあった。そのシーンを見てかっこいいなと素直に思った。だから僕は、学校・旅行どんな時でもハンカチを忘れないようにしている。
『マイ・インターン』は、働く女性にエールを送る映画でもあるし、ベンからは人生のヒントを与えてもらった。そんないろんなことを僕に教えてくれた。
さぁ、あなたもまずは明日から、ベンにならってハンカチを持ってみよう。