いやー、これほど「どこから突っ込めばええねん」な映画も珍しい。
「フジャクルナ!」「アイアムベリーベリー、オコッタ!」
いやそれはこの映画を劇場まで足運んで、高い料金払って観た方々のセリフだと思いますが…。
陳腐な日本文化の描写は正直どうでもいいです。今更ですし。それよりサスペンス映画として何の緊張感もハラハラ感もないのが致命的。
まあバブル当時の日本を批判するのが目的の映画だったろうしそれは仕方ない。
一方で日本に対する好意的表現も見られます。ナカモト社のアメリカ人従業員が「この会社は機械に不具合が出るとすぐに上層部が直してくれる。俺が以前働いていたGMとは大違いだ」、コネリーの「日本人は失敗した人を責めず失敗した原因を探ろうとする。そうすればミスを防げる」というセリフも出てきます。日本に対する愛憎入り交じった作品なのかなぁと思いましたが、それにしても「ハマグリ社」て…自分はこのくだりで一気に脱力しました(原作にも出てくるんでしょうか…)。
中途半端な日本語を演者に喋らせるプロット、そもそも日本人役は日系人or外国人ばかりのキャスティング(タガワ、マコ両氏の流麗な日本語が光る)、中途半端なブシェミの起用方(あんな役出る必要あった?仕事選ぼうよ)、終盤の中途半端な拳闘シーン(あれ、俺ジャッキー映画観てんの?と思いました)、敵役のマヌケすぎるラスト…おまけに130分という中途半端に長い尺(この内容なら100分以下で充分)もこの映画のハンパさに拍車をかけてます。ホントにあの「ライト・スタッフ」のカウフマン監督が撮ったんでしょうか…と言いたくなる90年代の隠れた迷作です。数十年後には再評価されるのか…んなわけないか。何もかも中途半端な印象を残す本作に中途半端な3点を献上します。