【楽日】03年ヴェネチア国際映画祭 国際批評家連盟賞 受賞 台北に実在する古い映画館。ここが閉館し取り壊されることを聞いたツァイ・ミンリャンは、急遽この劇場を舞台にした幽霊物語を企画する。しかし最終的に仕上がったのは、武侠映画の巨匠キン・フーの傑作「血闘竜門の宿(龍門客棧)」が流れる薄暗い映画館の中で、まるで幽霊のような登場人物たちが繰り広げる、滑稽かつ哀切溢れる人間ドラマ。ヴェネチア映画祭での本作の上映では、映画の終盤に5分間続く、からっぽの観客席をスクリーン側から捉えた不動のショットに、何かの間違いでは、と観客たちがざわめき立ったハプニングが今でも語り継がれている。出演はツァイ・ミンリャン作品に欠かせないリー・カンションに加え、この映画館に吸い込まれてゆく日本人旅行者役に三田村恭伸、さらに「血闘竜門の宿」の主演男優シー・チュンとミャオ・ティエンが、この日が最後(楽日)となる映画館の観客として顔を揃えている。「映画館」という格好の舞台を得て、観る者を果て無き迷宮世界へといざなう、ツァイ・ミンリャン監督の紛れもない最高傑作!
ツァイ・ミンリャン監督による人間ドラマ。閉館の日を迎えた台北の古い映画館“福和大戯院”を舞台に、往年の映画スターである老人、足の悪い受付の女など、まるで幽霊のような登場人物たちが織り成す滑稽で哀切あふれる人間模様を描く。
世界で注目される監督の一人として一躍名を馳せた台湾の巨匠ツァイ・ミンリャン監督作品。今日で閉館という台北の古い映画館を舞台に繰り広げられる、滑稽かつ哀切溢れる人間ドラマ。2003年ヴェネチア国際映画祭にて国際批評家連盟賞を受賞。