2組の夫婦4人の互いの複雑な関係をベースに、2人の夫殺人事件の顛末を、任意の取り調べに応じたシンシア(デミ・ムーア)の供述を映像にしながらストーリーは展開していく。結構ややこしい。
まさにDVDもあと15分ほどで終了という時点で、辛うじて釈放されたシンシアは、廊下で2つの殺人容疑者として収監された親友ジョイスと目が合う。これが話の大転換点となる。シンシアの頭をかすめた後ろめたい「真実」は、取り調べで彼女が供述した事実、我々が映像で見せられたストーリーとは全く異なるものだったのだ。その「真実」を語る決心をしたシンシアは主任捜査官ウッズ(ハーヴェイ・カイテル) の待つ取調べ室に戻っていくのだが、観る者の立場からすると、この時点で「実は全部ウソで・・・」と言われてもあっけにとられるばかり。
シンシアは自らの保身よりも友情を選択した。冒頭とエンディングの映像を観れば、2人は「肉親」に持つような愛情で結ばれていたであろう事が察せられる。どんな辛い時も助け合い、固い友情で結ばれてきた2人の関係を思い起こせば納得のエンディングである。あるべき形に落ち着いた安堵感が残った。
この作品当時はデミ・ムーアとブルース・ウィリス(親友ジョイスの夫役)はまだ夫婦だったことを考えると、緊迫感溢れる中、面白おかしいい場面がいくつもあったことに笑みすることと思う。