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イメージ付きのレビュー
馬鹿で愚かしくても好いジャン、 何かに夢中になることの大切さ
ＫＩＳＳがデビューした当時、「変なのが出て来たなあ」というのが正直な感想。 かなり後になってから「おっ」と思ったのは、メインの二人ではなく、ドラムの地味なピーター・クリスが切々と歌う「ハード・ラック・ウーマン」、これは常套手段のバラッドだけど名曲と言って好いと思う。 さらに驚いたのはバンド内の力関係が崩壊、本格的なディスコ・ブームに阿（おもね）る形で製作された「ラヴィン・ユー・ベイビー」で、修正能力の高さをきちんと示したこと。 ユダヤ系極貧母子家庭（母親は収容所体験が有り、彼女は両親と兄が目の前で殺されるのを目撃）に育ったジーン・シモンズが製作、何度目かの堕ち掛け“ＫＩＳＳ”ブランドの起死回生を図ったお馬鹿映画。 「生きているだけで勝者」という母の教えを受け、「生かされている限り上を目指す責任がある」と考えるシモンズは、70歳代になっても「金が総てさ」と言い切る。 そんなユダヤ流キャピタリズムの一環が根底にあり、自らをアーティストと言って憚らない決して少なくは無い日本のミュージシャンたちも、生み出す作品群が流通経路を辿って拡散される商品であり、ビジネスマンにも近くあるべきという認識をしっかりと持って貰いたいもの。 ここに登場するＫＩＳＳのライヴへ行こうとして紆余曲折する少年たちは、幼い頃チャック・ベリーに夢中になったシモンズ自身であり、同じユダヤ系のポール・スタンレーと音楽を志してもさっぱり売れず、ビジネス的に成功しても「キワモノ」、「下品」、「反社会的」、「神への冒涜」などと数限りない批判の憂き目に遭い、何度も何度も落ちぶれてはしぶとく復活を試みるプロセスと重なる。 今観直すと流石にショボくて古臭いが、何かに夢中になること、なれることの大切さを、愚かな青春を通して描いた佳作。
上位レビュー、対象国： 日本
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2020年9月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ＫＩＳＳがデビューした当時、「変なのが出て来たなあ」というのが正直な感想。
かなり後になってから「おっ」と思ったのは、メインの二人ではなく、ドラムの地味なピーター・クリスが切々と歌う「ハード・ラック・ウーマン」、これは常套手段のバラッドだけど名曲と言って好いと思う。
さらに驚いたのはバンド内の力関係が崩壊、本格的なディスコ・ブームに阿（おもね）る形で製作された「ラヴィン・ユー・ベイビー」で、修正能力の高さをきちんと示したこと。
ユダヤ系極貧母子家庭（母親は収容所体験が有り、彼女は両親と兄が目の前で殺されるのを目撃）に育ったジーン・シモンズが製作、何度目かの堕ち掛け“ＫＩＳＳ”ブランドの起死回生を図ったお馬鹿映画。
「生きているだけで勝者」という母の教えを受け、「生かされている限り上を目指す責任がある」と考えるシモンズは、70歳代になっても「金が総てさ」と言い切る。
そんなユダヤ流キャピタリズムの一環が根底にあり、自らをアーティストと言って憚らない決して少なくは無い日本のミュージシャンたちも、生み出す作品群が流通経路を辿って拡散される商品であり、ビジネスマンにも近くあるべきという認識をしっかりと持って貰いたいもの。
ここに登場するＫＩＳＳのライヴへ行こうとして紆余曲折する少年たちは、幼い頃チャック・ベリーに夢中になったシモンズ自身であり、同じユダヤ系のポール・スタンレーと音楽を志してもさっぱり売れず、ビジネス的に成功しても「キワモノ」、「下品」、「反社会的」、「神への冒涜」などと数限りない批判の憂き目に遭い、何度も何度も落ちぶれてはしぶとく復活を試みるプロセスと重なる。
今観直すと流石にショボくて古臭いが、何かに夢中になること、なれることの大切さを、愚かな青春を通して描いた佳作。
かなり後になってから「おっ」と思ったのは、メインの二人ではなく、ドラムの地味なピーター・クリスが切々と歌う「ハード・ラック・ウーマン」、これは常套手段のバラッドだけど名曲と言って好いと思う。
さらに驚いたのはバンド内の力関係が崩壊、本格的なディスコ・ブームに阿（おもね）る形で製作された「ラヴィン・ユー・ベイビー」で、修正能力の高さをきちんと示したこと。
ユダヤ系極貧母子家庭（母親は収容所体験が有り、彼女は両親と兄が目の前で殺されるのを目撃）に育ったジーン・シモンズが製作、何度目かの堕ち掛け“ＫＩＳＳ”ブランドの起死回生を図ったお馬鹿映画。
「生きているだけで勝者」という母の教えを受け、「生かされている限り上を目指す責任がある」と考えるシモンズは、70歳代になっても「金が総てさ」と言い切る。
そんなユダヤ流キャピタリズムの一環が根底にあり、自らをアーティストと言って憚らない決して少なくは無い日本のミュージシャンたちも、生み出す作品群が流通経路を辿って拡散される商品であり、ビジネスマンにも近くあるべきという認識をしっかりと持って貰いたいもの。
ここに登場するＫＩＳＳのライヴへ行こうとして紆余曲折する少年たちは、幼い頃チャック・ベリーに夢中になったシモンズ自身であり、同じユダヤ系のポール・スタンレーと音楽を志してもさっぱり売れず、ビジネス的に成功しても「キワモノ」、「下品」、「反社会的」、「神への冒涜」などと数限りない批判の憂き目に遭い、何度も何度も落ちぶれてはしぶとく復活を試みるプロセスと重なる。
今観直すと流石にショボくて古臭いが、何かに夢中になること、なれることの大切さを、愚かな青春を通して描いた佳作。
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