18世紀初頭あたりに、スコットランドの田舎、ハイランド地方に実在した義賊だという。イギリスの義賊といえばロビン・フッドがまず思い浮かぶだろう。
ロブ・ロイという、どことなく気を引く名前だが、ロビン・フッドほど知られていない理由が、この映画を観てなんとなく想像できたように思う。牛を追って生計を立てる一族の頭目が、地方の小貴族に騙された恨みを晴らすという、どちらかといえば私怨をはらう目的で闘いに立ち上がる。
階級差別に立ち向かったという意味では、英雄と呼ぶこともできるのかもしれないが、どうにもお話のスケールが小さい…。日本のねずみ小僧の方が、義賊と呼ぶにふさわしいのではないかとさえ感じてしまった。
余談だが、ロブ・ロイという名の甘めのカクテルがある。
スコッチウィスキーとスイート・ベルモットに、1ダッシュのビタースを加えてシェイクする。チェリーを添えてできあがり。ナイトキャップにはいいかもしれない。
この映画も、何も考える必要なく、ぼんやりと観るうちに退屈して眠りに落ちることができそうだから、ナイトキャップ代わりにはいいかもしれない。