マーニー (ユニバーサル・セレクション2008年第5弾) 【初回生産限定】 [DVD]
フォーマット | 色, 字幕付き, ドルビー |
コントリビュータ | アルフレッド・ヒッチコック, ショーン・コネリー.ティッピ・ヘドレン.ダイアン・ベイカー.マーティン・ガベル.アラン・ネーピア |
言語 | 英語 |
稼働時間 | 2 時間 11 分 |
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商品の説明
【トラウマを持つ女と彼女を愛した男―。珠玉のロマンティック・スリラー!】
赤色の悪夢に取り憑かれた美女。彼女を脅かす忌まわしい過去とは?
若き会社社長のマーク(ショーン・コネリー)は、秘書の求人に応募してきたマーニー(ティッピ・ヘドレン)に心奪われる。美しいブロンドと端正な横顔に見え隠れする、どこか病的な素顔。やがて彼女は金庫破りの常習犯であることが判明。しかし、マークは彼女を警察には渡さず、妻として迎え入れた。赤い色に怯え、男性に対して異常な恐怖心を示すマーニー。マークは彼女の過去に隠されたトラウマを探り、その呪縛から彼女を解き放とうとするが…。
「007」シリーズで爆発的な人気を得たショーン・コネリーと、「鳥」のクール美女ティッピ・ヘドレン競演のロマンティック・スリラー・ヒロインの歪んだ深層心理を、斬新な映像で再現したヒッチコックの円熟技が冴える。
<特典>
●ドキュメンタリー
●プロダクション・フォト 他
★★どれが入っているかはお楽しみ!懐かしのユニバーサル映画劇場チラシをランダム封入!★★
2008年4月10日発売の「ユニバーサル・セレクション 1,500円キャンペーン 2008年第4弾」より封入開始!「ユニバーサル・セレクション 1,500円キャンペーン」商品内に、ユニバーサル映画・劇場公開時の完全復刻版チラシ(縮刷版 A6:ハガキサイズ)を各1枚ランダムで封入。
第5弾は70年代特集!この10タイトルがランダムに封入されます!
◆キング・コング◆JAWS/ジョーズ◆JAWS/ジョーズ2◆ザ・カー◆大地震◆大空港◆エアポート'75◆エアポート'77/バミューダからの脱出◆エアポート'80◆ジェット・ローラー・コースター
※映像特典、商品仕様、ジャケット写真などは予告無く変更となる場合がございますのでご了承下さい。
登録情報
- アスペクト比 : 1.33:1
- 言語 : 英語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4571264903520
- 監督 : アルフレッド・ヒッチコック
- メディア形式 : 色, 字幕付き, ドルビー
- 時間 : 2 時間 11 分
- 発売日 : 2008/5/15
- 出演 : ショーン・コネリー.ティッピ・ヘドレン.ダイアン・ベイカー.マーティン・ガベル.アラン・ネーピア
- 字幕: : 日本語, 英語
- 販売元 : ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
- ASIN : B00140FAWS
- ディスク枚数 : 1
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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まず、パッケージにある黒髪女性のうしろ姿のカットを初めて観た。ヒッチ先生の登場シーンを初めて観た。頭から1時間近くものくだりを通しで初めて観た!
なんだ、これは? 私の知っている『マーニー』とちがうではないか!
パッケージを確認してみれば、本編130分とある。そうです。私は切り刻まれたカットされまくり作品をいままで『マーニ―』の全編だと思っていたのです!!
私は初めて『マーニ―』のノーカット版を堪能させていただきました…
しかし、こんなことあるか? ぜんぜんちがう作品といってもいいくらいだ。やはり映画はおカネを払って観てくださいということなのか…
前作の「鳥」同様、この「マーニー」も紛れもない死者の走馬灯である。じつは、この映画の主人公はペギー・ニコルソンという女性であり、大きな電車事故で死んだ。映画を良く見ていれば分かることだが。
この映画では色が非常に重要であり、ヒッチコックは色でいろいろなことを語っている。まず、緑。これは「墓地(アメリカの)」を表現している。つまり既に埋葬されている。「死んでいる」のだ。
マーニーが母に会うシーンでは、マーニーはグリーンの服を着ている。これは既に彼女が死んでいることを示しているが、母は青い服を着、黄色い冷蔵庫の前に立っている。青と黄で緑。つまり、両者は同一人物だという示唆がされている。両者は、母娘ではないのだ。死をきっかけに時間軸を喪失した体内で記憶のパラドックスが発生している。
マーニーと母。両者はじつは、老いた自分と、若き日の自分なのだ。更に、ジェシーという名の少女は少女時代の死者自身である。
マーニーは、赤い色にショックを受けるという設定だが、一般向けの説明として、少女時代に自分に触った男を鉄の棒で殴り殺したため、赤がトラウマになったということになっている。
だが、マーニーが赤い色を怖がるのは、実際には「死者が死を認めたくない」のだ。自分が既に死んでいることを認めたくない。だから血を連想させる赤を見るとマーニーはショックを受けるのだ。
マーニーは泥棒という設定だが、これは「鳥」と同じで、老いた自分をまったく省みない世間に対する復讐心を示している。そして、マーニーがショーン・コネリー扮するマークと出会う直前、彼女は小脇に新聞を抱えているが・・・・そこには「Crash Kills 118」と書いてある。これは非常に重要なヒントである。ヒッチコックからの大きなヒントだ。
マークの正体。それは死者が生前、若い頃から何度も妄想の中で作り上げた理想の男性像である。死者は誰かに自分を救って欲しいと考えていた。マークはその願望の具現化である。妄想の中で生まれたマークは、だが、宿主である死者が死して尚、死者に夢を見せようとする・・・・
マークとマーニーの残業シーンでは、雷鳴が轟く。この雷鳴は「電車事故」の音である。だからマーニーは怖がっている。稲光は赤いが、これは事故でぶちまけられた犠牲者たちの血である。そして窓を突き破る木の枝。これは、事故時の身体損壊を表現している。
死の思い出である!死の思い出ほど厭なものはない。ヒッチコックは、その未知の表現に挑戦しているのだ。
競馬場でのシーンでは、ある男がマーニーに話しかける。「あなたはペギー・ニコルソンでしょう?」。これは死者の名前なのだ。また、競馬場でのシーンでは赤い水玉模様のシャツを着るジョッキーを見てマーニーはショックを受ける。
赤い水玉は穴だらけの死体である・・・・
マーニーは、遂にマークの会社の金庫から金を盗もうとする。マークの会社の金庫は緑だ。金庫はマーニーの身体の一部なのだ。
それにしても、このシーンが非常におもしろい。このシーンでは、生前の死者が一度だけ姿を現すのだ!画面は2つに分けられているが、あの老いた掃除婦(死者の生前の姿)は黙々と床にモップをかけながら、そのじつ、心の中では「金庫の金を盗んでみたい」と妄想しているのだ。このシーンはそういう風に見えるように意図して構成されている。
マーニーがマークに捕まった直後の車内のシーンもおもしろい。走る車。マークの側からは住宅街が見えるが、マーニーの側には山、或いは山林が見える。これも明らかに意図されている。「この人は死んでいます」ということを観客に知らせようとするヒッチコックの工夫なのだ。
死者の罪。それは「まだ生きている」とウソをつくことか・・・・緑色の服。緑色のソファ。緑色のプールの水。緑の金庫。緑は墓地(アメリカの場合)。死者は既に墓地に埋葬されている・・・・
そして一見賑やかに見えるあの狩りのシーン。あのシーンは実際には非常に不気味で恐ろしいものだ。狩りの参加者たちを先導(電車の運転手)する数人の人物はみな赤い服を着ている。これは・・・・彼らが血塗れだということを示している。つまりあの場にいた狩りの参加者たちの正体は、事故で死んだ118人の乗客たちなのだ!
マーニーは何か厭な予感に襲われ、その場を逃げ出す。怪我をする馬=Crashした電車。
ラストシーン。死者は、少女の頃に自分に触った男を殺したせいで赤が怖いとウソをついた。玄関を出ると、道路で遊んでいた少女たちが一斉にマーニーを見る。死者がウソをついたからだ・・・・
少女たちは歌う。Call for the doctor, Call for the nurse, Call for the lady with an Alligator purse・・・・
お医者さんを呼んであげましょう、看護婦さんも呼んであげましょう、ワニ皮の財布を持つ女の人のために・・・・この歌は、ラストを締め括るのに非常に重要だが、訳されていない。残念。
個人的には『裏窓』が最高に好きです。続いて『泥棒成金』や『知りすぎていた男』が好きです。
動物パニック映画の傑作「鳥」の翌1964年、鳥に襲われる悲劇のヒロイン役だったティッピ・ヘドリンを少女時代のトラウマを抱えた窃盗依存症の美女として起用し、彼女の再生を夫にまでなって手助けする献身的な会社社長役にショーン・コネリーを配した変わり種のサスペンス作品なのだ。
1925年から76年まで監督業だったヒッチコック監督にとっては終盤期に当り、集大成として「鳥」や「サイコ」等の世紀末的な暗い後味の傑作を生んだが、それに続く「マーニー」では一転して人間を深い心の闇から救い出すヒーローを描くのだから畏れ入る。
マーニーを演じたティッピは、ヒッチコックのお気に入りのキャスティングで、撮影中の監督からの酷いセクハラに耐えながら、成功を渇望した逞しさや気丈さが、そのまま画面に溢れていた。
一方、主人公マークを演じたショーンも、二代目若社長の奔放さと強引さをベースに、たとえ育ちは悪くとも気高く生命力溢れ、彼が育った社交界とは全く対極に居るマーニーに惹かれて一肌脱ぐ“奇特なる男”を熱演した。
ヒッチコック作品には珍しく、騙しシナリオのプロットや独創的なカメラアングルではなく、人間性に焦点を当てた物語重視の作風だったから驚いたのだ。
その点では「鳥」「サイコ」と違って普通のヒューマンドラマに近いため、らしくない作品とも言えよう。だが、偏愛する女優を呼び寄せてまで彼が撮りたかった、輝かしい監督業の集大成に選んだテーマが“人の光”だと知った時、本作に賭けたヒッチコック監督のそれまでの遠過ぎた道のりに一人合点が行った。
マークの亡き妻の妹であるリル役に、“普通”の観客の視点を与えたことも上手い作り方だ。実は序盤から彼女の最もまともな言動に観客は共感するので、変わり者の主人公二人へのリルの姿勢の変化によって観客は自然に二人の応援団になっていくから不思議だった。
マーニーの優れた知性と行動力、冷静さと自制心は一見すると完璧だが、その裏に隠れた怯えや闇を発見し、粘り強く掘り起こして癒していくショーン・コネリーに、得意なスパイ・アクション作品と共通する動じない男の信念を観る。
マークのやっていることは犯人隠匿、証拠隠滅なので真面目な日本人には共感しにくいが、ジェームス・ボンドもマークも、人を救うには時に超法規的な手段が必要であり、それほど覚悟が必要だと観客に悟らせる。
コネリーの吹替が定番の若山源蔵でない事と、シナリオの驚きがヒッチコック好きには少し物足りないものの、故ショーン・コネリーの強さと優しさが滲み出る、なかなか味わい深い傑作です。
偶然ですが、ショーン・コネリーが亡くなったというニュースあり。そのためこの作品、コネリーの圧倒的存在感に救われてる気がしました。
ヒッチコックの代表作と比べて低評価ではありますが、十分面白かったです。ただ、過去の「めまい」「サイコ」「レベッカ」「白い恐怖」「泥棒成金」等の要素をつぎはぎ再構築したような(言葉悪いが二番煎じみたいな)印象が強い作品ではあります。劣化してるとは言い切れませんが。
テイッピ・ヘドレンはこの作品の頃、ヒッチコック監督からセクハラ・パワハラを受けてたようですが、インタビュー映像見る限り、客観的に回答しており、かろうじて修復不可能な事態にはならなかったのかなと思いました(それならインタビュー自体拒否しただろう)。
監督との緊張関係が、スクリーン上のヒロインの病的で儚げな魅力に貢献していたとすれば皮肉です。対峙するショーン・コネリーの圧倒的な強さが彼女を支えているので、深刻に陥らずに良かったと思います。
あとリルさんも魅力的でしたし、お母さん役も女優の凄さを見せてくれました。音楽も素晴らしいです。