仲代達矢演ずる主人公の一文字秀虎は、戦国時代なら奇跡のような年齢です。
肉体の衰えも顕著に見られ、寺尾聰演ずる長男太郎に家督を譲る方針を発表する。
根津甚八演ずる次郎は一瞬不本意な態度を見せつつも受け入れるが、
隆大介演ずる三男の三郎が噛み付く。秀虎は毛利元就の三子教訓状にもある三本の矢を教え説こうとするも、三郎は膝を使って三本の矢をへし折り見立ての甘さを批難するが、これが秀虎の逆鱗に触れ勘当される。ウィリアム・シェイクスピアの悲劇”リア王”と同じ展開になります。
主人公の秀虎は無慈悲な血を血で洗う戦を繰り返し、因果応報を絵に描いたような晩年を迎える。
ピーター演ずる狂阿弥と行動を共にし、二人の演技所作で一つの独特な世界が形成されています。
もう一方の主要な役である楓の方演ずる原田美枝子の能の動き、デビュー作となった野村萬斎演じた鶴丸の人形劇のようなすり足の動きも欧米ウケが良かったと思います。そして、ワダ・エミが衣装デザインでアカデミー賞を受賞。武満徹は勅使河原宏など数多くの映画音楽を担当されてますが本作はベストの一つでしょう。
戦の場面では、矢がビュンビュンと飛び交い、特に落馬のシーンの迫力は凄まじい。時代劇として見れば一番カッコよかったのは井川比佐志でしょう。先に話が来た高倉健は断って後悔していたという逸話もあったようです。終盤に秀虎が三郎の気持ちに気づいた時には時すでに遅し、本当の跡取りを失い失意の中朽ちる。秀虎役の仲代達矢と三郎役の隆大介は無名塾の師弟関係で適役だったように映りました。従来の時代劇とは違い、主人公は耄碌し始めた老いぼれで序盤はどうなんだろうと思いましたが、また観たいなと思わせる映画でした。共感したり心揺さぶられる映画もいいが、作品世界のスケールの大きさを感じさせてくれる映画もなかなかです。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
乱 [DVD]
¥9,800 ¥9,800 税込
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥9,800","priceAmount":9800.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"9,800","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"xPjP6WAZoVSv011JSJMt69ZZUvjxckup0QmYaLGUqUV0vk%2BGEl1915FzmwHNfmuMoiBAAaOwhq0ThmrI63lE2DjK%2FQyHCAIAsPY2plqlTApqYG6QDS80l8uei5EM0CFRwyTtqjfVnq3sfk6S%2FPADoBYZ%2F5jAGwb1S4F9Snm9XUCFx90eGVWc7A%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
フォーマット | 色, ワイドスクリーン, ドルビー |
コントリビュータ | 原田美枝子, 仲代達矢, 根津甚八, 井手雅人, 寺尾聰, 隆大介, 黒澤明, 小国英雄 |
稼働時間 | 2 時間 42 分 |
【まとめ買いフェア開催中】よりどり2点以上で5%OFF
アウトドア用品、ファッション、食品・飲料、母の日ギフト、父の日ギフト関連商品など、10万点を超える対象アイテムからよりどり2点以上で5%OFF。 セール会場はこちら
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
Amazonより
シェイクスピアの『リア王』をもとに、人間の業をまざまざと描き出す、黒澤明監督晩年の戦国絵巻。一文字家の党首・秀虎(仲代達矢)は3人の息子に家督を譲ろうとするが、それがもとで兄弟の骨肉の争いが始まり、やがて秀虎は発狂してしまう…。
監督本人いわく「自らのライフワーク」と語っただけあって、そこには自身の人生観を凝縮させたかのような壮絶な思いと、仏にすら見放されたかのような人間たちに対する祈りといったものが見え隠れする。
前半のクライマックスとなる三の城炎上の際、一切の効果音をやめ、武満徹の音楽だけで、荘厳な地獄図絵を見せつける演出のすさまじさ。ワダエミがアカデミー賞衣裳デザイン賞を受賞など、それぞれのスタッフワークもすばらしい。(的田也寸志)
レビュー
監督・脚本: 黒澤明 脚本: 小国英雄/井手雅人 撮影: 斎藤孝雄/上田正治/中井朝一 音楽: 佐藤勝 出演: 仲代達矢/寺尾聰/根津甚八/隆大介/原田美枝子/宮崎美子/ピーター/田崎潤
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
登録情報
- アスペクト比 : 1.78:1
- メーカーにより製造中止になりました : いいえ
- 梱包サイズ : 20 x 14 x 3 cm; 358.34 g
- EAN : 4988104021540
- 監督 : 黒澤明
- メディア形式 : 色, ワイドスクリーン, ドルビー
- 時間 : 2 時間 42 分
- 発売日 : 2003/3/21
- 出演 : 仲代達矢, 寺尾聰, 根津甚八, 隆大介, 原田美枝子
- 字幕: : 日本語
- 販売元 : 東宝
- ASIN : B000086F7U
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 105,781位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年7月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
巨匠が描く作品は前評判や制作費などが話題になるが、2021年の現在に観てみると素直に評価できるのではいかと、黒澤明の「乱」を観てみた。
リア王がベースになっているようだが、王のいない現代に、誰の目線で映画に没入すれば良いのかが明確ではない映画だ。つまり、主人公にエンパシーを感じることができず、さらに、統治さられているであろう百姓は一切出てこない設定で、主人公以外に出演する武士の誰にもエンパシーを得られないのである。あえてエンパシーを感じるとしたら、神や仏の境地からの人間を見下す感覚だろうか。
とにかく、映像が美しい。馬が走るシーンが大音量の蹄音と合わさるとリアル感が増幅し印象深く、たくさんの兵士が騎乗で川を渡るシーンなどは圧巻だ。逆にリアルに城が燃えるシーンをさり気なく使う贅沢なカメラワークもリアル感が増す。
この主人公のように後継者を指名し、組織や理念を持続させることは難しい。預言者で言うとモーセ以外、イエス・キリストもムハンマドも成し遂げていない。しかし黒澤明は、この映画で見事に後継者を育成している。この映画の衣装担当のワダ・エミさんは、日本人女性初のアカデミー賞(衣装デザイン賞)を受賞したのが1985年。
黒澤明の娘の黒澤和子さんは、黒澤プロダクションで黒澤監督の秘書の仕事をしていたようだが、1988年に黒澤監督の進言で映画界入りし、1990年の「夢」でワダ・エミ衣装主任の下に付き、2019年には「万引き家族」の衣裳デザインで芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している。去年の大河ドラマ「麒麟が来る」で、戦国時代なのに衣装がカラフルだと感じていたが、実は、黒澤和子さんの衣装デザインだったのだ。
リア王も、この映画の主人公である一文字も、後継者の育成には失敗しているが、黒澤明監督が「乱」で描いた絵画のような衣装デザインは、娘の黒澤和子さんに見事に受け継がれているのである。
リア王がベースになっているようだが、王のいない現代に、誰の目線で映画に没入すれば良いのかが明確ではない映画だ。つまり、主人公にエンパシーを感じることができず、さらに、統治さられているであろう百姓は一切出てこない設定で、主人公以外に出演する武士の誰にもエンパシーを得られないのである。あえてエンパシーを感じるとしたら、神や仏の境地からの人間を見下す感覚だろうか。
とにかく、映像が美しい。馬が走るシーンが大音量の蹄音と合わさるとリアル感が増幅し印象深く、たくさんの兵士が騎乗で川を渡るシーンなどは圧巻だ。逆にリアルに城が燃えるシーンをさり気なく使う贅沢なカメラワークもリアル感が増す。
この主人公のように後継者を指名し、組織や理念を持続させることは難しい。預言者で言うとモーセ以外、イエス・キリストもムハンマドも成し遂げていない。しかし黒澤明は、この映画で見事に後継者を育成している。この映画の衣装担当のワダ・エミさんは、日本人女性初のアカデミー賞(衣装デザイン賞)を受賞したのが1985年。
黒澤明の娘の黒澤和子さんは、黒澤プロダクションで黒澤監督の秘書の仕事をしていたようだが、1988年に黒澤監督の進言で映画界入りし、1990年の「夢」でワダ・エミ衣装主任の下に付き、2019年には「万引き家族」の衣裳デザインで芸術選奨文部科学大臣賞を受賞している。去年の大河ドラマ「麒麟が来る」で、戦国時代なのに衣装がカラフルだと感じていたが、実は、黒澤和子さんの衣装デザインだったのだ。
リア王も、この映画の主人公である一文字も、後継者の育成には失敗しているが、黒澤明監督が「乱」で描いた絵画のような衣装デザインは、娘の黒澤和子さんに見事に受け継がれているのである。
2023年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中古で購入しました、丁寧な梱包で商品も奇麗で新品同様でした又機会ありましtら宜しく。
2023年8月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本来なら巨大スクリーンで観るべき映画なのだろうが、DVD でも十分なスケールを感じる。また、音響もいい。音楽が武満徹だとは知らなかった。兎に角、良かった。✨
2020年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく長い、長すぎ。中盤、大殿が落ちぶれて気が狂っていくとこまでは面白かったが
そこからが異様に冗長。時間見たらやっと映画の半分切ったとこで驚愕・・どこまで続くんだと。
つまらない訳ではないが、かといって面白くないし、ダレる。途中からボケーっと眺めてました。
長いだけで見所もそんなになかったです。
あとメイクは不気味で良かったが、衣装はわりと酷かった。序盤からカラフルな着物ばかりで「ん?」と思ったが
場面によっては不自然なくらい衣装が綺麗だったりして、映画に集中できないところもチラホラ。
画面から小汚さが全然伝わらず、いかにも作り物という感じでそこだけちょっと萎えました。
正直に言いますけど莫大な予算かけてるんだから映画のスケールの壮大さはある意味必然なので、
黒澤明というネームバリューのおかげで過大評価されてませんか。
そこからが異様に冗長。時間見たらやっと映画の半分切ったとこで驚愕・・どこまで続くんだと。
つまらない訳ではないが、かといって面白くないし、ダレる。途中からボケーっと眺めてました。
長いだけで見所もそんなになかったです。
あとメイクは不気味で良かったが、衣装はわりと酷かった。序盤からカラフルな着物ばかりで「ん?」と思ったが
場面によっては不自然なくらい衣装が綺麗だったりして、映画に集中できないところもチラホラ。
画面から小汚さが全然伝わらず、いかにも作り物という感じでそこだけちょっと萎えました。
正直に言いますけど莫大な予算かけてるんだから映画のスケールの壮大さはある意味必然なので、
黒澤明というネームバリューのおかげで過大評価されてませんか。
2019年11月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古い映画ですが迫力ありました。衣装や景色も美しかったです。ただ個人的にはこのようなおどろおどろしい作品はあまり好きではないので申し訳ありませんが-1とさせていただきました。映画そのものは出来栄えも良くさすが黒沢監督だと思います。主演の仲代達也さんがぴったりの役だったと思います。原作のシェイクスピアのリア王も見てみたいです。
2023年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
長男の太郎は、次郎の謀略によって殺される。次男の次郎は、一文字家に恨みを持つ楓の方に誑かされて無謀な戦を仕掛けたところを攻め込まれ滅びる。三男の三郎も、大殿との和解に至るが、次郎の軍勢に殺されてしまう。それを見た大殿は、気が狂って死んでしまう。楓の方は、一文字家への復讐を成就させるものの、その結末を見ることなく殺される。末の方も、楓の方にそそのかされた次郎によって殺されてしまう。楓の方暗殺は、次郎の部下の機転により失敗し、これで終わりかと思われていたが、終盤に殺されたことが判明してしまう。このシーンはショックだった。
ここで見てきたように、主要な人物達は皆その思いや野望を遂げることなく殺されてしまう。まさに悲劇である。観客(=神仏の視点)としてこの映画を見る我々自身が、各々の悲劇を追体験していくことでそう感じるのである。なぜなら、我々は少なくともどれかのキャラに共感し、感情移入するからである。どのキャラを好きになっても、悲劇を味わうしかないというところが肝である。物語終盤、おちゃらけた道化を演じていた狂阿弥が、大殿の悲劇に際し、悲しみの感情をあらわにし、神仏に悪態をつく。それこそがこの物語の理不尽さの最たるものである。
そして、ラストシーンでは、帰ってくることのない末の方を待つ鶴丸が、夕日をバックに城跡にただ一人佇み、末の方から預かった阿弥陀如来の掛け軸を落としてしまう。これは、お互いを憎しみ合い、殺し合うという行いに、神仏すらも救いを差し伸べられないほどの愚かさがあることを表現している。
狂阿弥の表現する慟哭が”動の無情”なら、こちらのシーンは”静の無情”という構造になっている。
物語は静かに幕を閉じ、我々観客(=神仏)はただ人間の愚かさと世の中の無情を思うのみである。
ここで見てきたように、主要な人物達は皆その思いや野望を遂げることなく殺されてしまう。まさに悲劇である。観客(=神仏の視点)としてこの映画を見る我々自身が、各々の悲劇を追体験していくことでそう感じるのである。なぜなら、我々は少なくともどれかのキャラに共感し、感情移入するからである。どのキャラを好きになっても、悲劇を味わうしかないというところが肝である。物語終盤、おちゃらけた道化を演じていた狂阿弥が、大殿の悲劇に際し、悲しみの感情をあらわにし、神仏に悪態をつく。それこそがこの物語の理不尽さの最たるものである。
そして、ラストシーンでは、帰ってくることのない末の方を待つ鶴丸が、夕日をバックに城跡にただ一人佇み、末の方から預かった阿弥陀如来の掛け軸を落としてしまう。これは、お互いを憎しみ合い、殺し合うという行いに、神仏すらも救いを差し伸べられないほどの愚かさがあることを表現している。
狂阿弥の表現する慟哭が”動の無情”なら、こちらのシーンは”静の無情”という構造になっている。
物語は静かに幕を閉じ、我々観客(=神仏)はただ人間の愚かさと世の中の無情を思うのみである。
2023年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
邦画の時代劇はほとんど見たことなかったけど、すごい面白かった。
他の国からのトップレビュー
Lawrence Niederhoffer
5つ星のうち5.0
Great Movie
2022年4月9日にカナダでレビュー済みAmazonで購入
A lot of action , great acting
BORIES
5つ星のうち5.0
Trop bien
2024年5月10日にフランスでレビュー済みAmazonで購入
La fin du clan ennemi du Toranaga de la série Shogun personnage inspiré de Tobunaga ieyatsu, la Napoléon Japonais. Je conseille avec ce film Der Schatten des Shogun avec toshiro mifune qui prolonge la série tv, formant un triptyque intéressant pour ne pas rester sur sa fin avec la série télévisée
André Ramello
5つ星のうち5.0
Best Kurosawa IMO
2018年11月22日にメキシコでレビュー済みAmazonで購入
I loved the movie and it’s by far the best King Lear interpretation I’ve ever seen. Beautiful story, nice acting, epic scenes.
Puerludens
5つ星のうち5.0
Capolavoro
2020年2月1日にイタリアでレビュー済みAmazonで購入
Il Re Lear nel Giappone dei Samurai. Un capolavoro di Kurosawa da guardare e riguardare per coglierne ogni minimo dettaglio. Purtroppo il BD non è all'altezza dello standard, un un'immagine discreta e talvolta un po' sgranata, ma questo non inficia assolutamente la visione da parte di ogni cinefilo degno di questo nome e di chiunque abbia volglia di avvicinarsi con il piede giusto al Grande Cinema.
Lucía
5つ星のうち4.0
Ojo a los comentarios
2014年3月17日にスペインでレビュー済みAmazonで購入
Es una excelente película, pero agradecería a Amazon que no colgara comentarios que no corresponden exactamente a ese producto, o que se haga más evidente. Este dvd trae la peli sin más y en la opinión que aparece se hace alusión a un segundo disco con información que a mí me resultaría muy interesante y que fue lo que me animó a comprarla.. Al recibirlo y comprobar la página me dí cuenta de que se referían a la versión en blu-ray.. A partir de ahora estaré más atenta.