愛という言葉では単純すぎる、ロルナ本人すらもきっと表現しがたいだろう様々な感情の入り混じりを、私たちも体感できる作品です。
ロルナの行動は、情に由来するものかも知れないし、 罪悪感やあるいは防衛本能の働きによるものかも知れません。
彼女の心境を想像するにつけ、自分も様々な感情を思い出しました。
人間の感情の複雑さを映画という媒体で、ここまで表現できた所がすごいと思います。
人が不自然死するわけですから、監督次第では、もっと残酷に、もっとショッキングに色付けできたと思いますが
あえてそこは避けて、ひとりの女性の変化を中心に描いている所に、商業主義とは対極の人間主義というか、監督の優しさを強く感じます。