罪という名前を抱えたアニメ版キャシャーン。
良い意味で、まったくといっていいほど、原作を大切にはしていない。
だからこそ、ここまでの奥の深い作品に仕上がったのかもしれない。
最後まで見て思ったのは、生きることのすばらしさ、そして悲しさだった。
このアニメに出てくる唯一の人間の登場人物であるリンゴ。
彼女が象徴するのは、死というものが必然として現れる人間というもの。
そしてホロビから開放されたロボットや人間達とは違うのだけれども、
同じ最期をむかえるのだという存在でもある。
ホロビという設定を主軸においたルナ探しのたびは、
死を失ってしまったキャシャーンと同じ存在であるルナの対比。
そして、ルナが生をあがなうように、キャシャーンが死という存在そのもの
になる事で、この話も幕を閉じる。
命を燃やして生きること。それがすべてであるのだと、私は感じた。
哲学的だが、なかなかの作品だった。
このアニメは見る価値がある。