3部作の第2で、前回の続きなので登場人物の安定感が増しています。
監督による撮影の苦労の説明も、DVDで見れます。
主演のフランス男は、相変わらず恋愛にだらしがなく(これがフランス人の価値観?)、あまり魅力的に見えない。ただ、第1作の終わりで、バルセロナ大学に留学のあと親のコネで高級官僚に就職したが、嫌気がさして退職し、文筆家を目指し、まず各種の有名人のゴーストライターに甘んじるが、やっと脚本書きの仕事を見つけても、プロダクションに大衆向けの三文ドラマに修正するよう指示を受けて苦労するあたりは、うまく描けていて共感が持てました。有名にはなれそうにないが、「自由」な仕事に就けた様子は楽しそうです。
相方のイギリスの女性(演じるケリー・ライリーさんは、SF『スピーシーズ』や刑事ドラマ『Above Suspicion』も良かったし、『エデン・レイク』では悲惨な役柄でも引き受けた。)は、純情で知的だが、重要な問題ははっきり主張する。ラスト近くで、フランス男を平手打ちするのが、すがすがしかった。
20世紀の英仏関係は良好ですが、イギリス女性の弟さんが、少し大人になって、ロシアのバレリーナにアプローチして結婚することになり、第1作の留学生仲間がサンクト・ペテルブルグに集まるという設定です。
英仏間を快走するユーロスターから、ペテルブルグの可愛い路面電車まで、鉄道ファンにとっては見どころです。製作は、ロシアが1990年に民主化した少しあとで、この映画のストーリーのように、普通の国としてヨーロッパのメンバーになるとみんな大歓迎した、短い貴重な時期の遺産にもなってしまいました。・・・いつかまた、そんな平和な時代が来るかもしれませんが。
フランス男の浮気の相手を演じたルーシー・ゴードンさんは、美しいが少し不安な影を感じさせる人でしたが、この映画のあと若くして亡くなったそうです。