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ガラスの部屋 [DVD]

4.2 5つ星のうち4.2 24個の評価

仕様
価格
新品 中古品
DVD, 色, ドルビー, ワイドスクリーン 1枚組
¥5,200 ¥5,648
フォーマット ワイドスクリーン, ドルビー, 色
コントリビュータ レイモンド・ラブロック, セルジオ・カポーニャ, アラン・ヌーリー, ミタ・メディチ, ペピーノ・ガリアルディ, ロベルト・ムローロ
言語 イタリア語, 日本語
稼働時間 1 時間 28 分

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商品の説明

レイモンド・ラブロック主演、哀愁のメロディーに乗って大ヒットした青春ラブロマンスの衝撃作、ついに世界初ソフト化決定!

●学園闘争中のイタリアを舞台に偶然出逢った男女3人の不思議な三角関係を斬新に描いた青春ラブロマンス。

●公開当時爆発的ヒットとなり、主演のレイモンド・ラブロックは一躍人気スターとなり、幾多のCMにも出演した。

●TV放映時の吹き替え版も収録!

学園闘争で流血の日々が続くボローニァ大学。試験勉強のためリミニに帰ろうとしていた医学生マッシモ(A・ヌーリー)は、恋人アンジェラ(M・メディチ)としばしの別れをおしむため、
友人ロベルト(D・メレ)から車を借りた。このドライブの途中で、二人はファシストの学生に暴行されていた若者、グイド(R・ラブロック)を助けた。そして、この青年の純粋さに、二人
は次第に魅かれていった。グイドの実家は金持ちであったが、彼は両親を交通事故で失ない、妹があるだけだった。翌日、マッシモはグイドのアパートにアンジェラを残しリミニに帰って行った。
その日の午後、グイドはマッシモに聞いたエデーラ(C・グレコ)という、中年女のアパートを訪ねた。女を抱いたことのないこの若者が、自分に何を求めているかを知ったエデーラは、やさしく
グイドを抱擁したが、グイドの肉体はさめていた。アパートにもどると、アンジェラが一人編物をしていたが、孤独と愛の飢えに泣くグイドに、やがてアンジェラは唇をかさねて行った。
二週間後、試験の終ったマッシモがもどってきた。愛と友情を両立させ、三人の暖かい関係を保とうとするグイドは、故意にアンジェラとベッドで抱き合っている光景を、マッシモに目撃させる
のだった。しかし、グイドのこの行動を理解できないマッシモは、去って行った。数日後、グイドとアンジェラは彼の家を訪ね、和解を求めた。三人の関係を純粋に求めるグイドの言葉に、
マッシモもいつしか心をやわらげていた。そして三人は車でグイドの実家に向った。

監督・脚本:セルジオ・カポーニャ
製作:ジュリアーナ・スカピーノ
撮影:アントニオ・ピアザ
音楽:ロベルト・ムローロ
主題歌:ペピーノ・ガリアルディ
主演:レイモンド・ラブロック
ミタ・メディチ
アラン・ヌーリー

[発売元]
ジェットリンク

登録情報

  • アスペクト比 ‏ : ‎ 1.78:1
  • 言語 ‏ : ‎ イタリア語, 日本語
  • 製品サイズ ‏ : ‎ 30 x 10 x 20 cm; 83.16 g
  • EAN ‏ : ‎ 4988013055469
  • 監督 ‏ : ‎ セルジオ・カポーニャ
  • メディア形式 ‏ : ‎ ワイドスクリーン, ドルビー, 色
  • 時間 ‏ : ‎ 1 時間 28 分
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/3/21
  • 出演 ‏ : ‎ レイモンド・ラブロック, ミタ・メディチ, アラン・ヌーリー
  • 字幕: ‏ : ‎ 日本語
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語 (Dolby Digital 2.0 Stereo), イタリア語 (Dolby Digital 2.0 Stereo)
  • 販売元 ‏ : ‎ ポニーキャニオン
  • ASIN ‏ : ‎ B006JJBB0E
  • ディスク枚数 ‏ : ‎ 1
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 24個の評価

カスタマーレビュー

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5つのうち4.2つ
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
このレビューは、ジェットリンク発売、ポニーキャニオン販売の DVD『ガラスの部屋』(PCBE-53556)にたいするものです。

ネタバレを含んでいます。
また、長文です。
ご容赦ください。

1960年代後半から70年代初めにかけて、当時の世相を反映した、多くのキャンパスドラマが世界中でつくられました。
玉石様々ななか、代表作を挙げるとすれば、Stuart Hagmann 監督『いちご白書』とJames Bridges 監督『ペーパーチェイス』だと思います。

Sergio Capogna 監督『ガラスの部屋』も、そんなキャンパスドラマのひとつなのですが、このふたつの傑作には及ばないものの、忘れがたい印象を残す作品です。

もっとも『いちご白書』や『ペーパーチェイス』と同じカテゴリーで捉えることには異論を持つ方もおられるでしょう。
なるほど、この映画は、大学という組織(あるいは社会的制度または装置)が、その理念に反して、若者の自尊心と人間的尊厳を踏みにじる矛盾を直接的に描いてはいません。
しかしながら、学生運動が勃興し、過激化した、あの時代だからこそ生まれた作品であるこは、確かなことです。
そのことについて、これから述べていきたいと思います。

その前に、まずは画質についていうと、とてもきれいです。
特典のオリジナル(イタリア語)予告編やビデオクリップの映像はひどくぼやけていて、経年を考えると、本編はリマスターされたものだと思います。
デジタル化された音声もクリアで、セリフもよく聞きとれます。
できることなら、Blu-ray化してもらいたいですが、この DVD の映像と音声のレベルなら後世に残す価値はあると思います。

経年といえば、僕は中学生の時に、テレビ放映されたものを見たのですが、もう40年以上前になります。
実に久しぶりに見直したわけですが、驚いたのは、Raymond Lovelock の Guido の印象が、記憶とかなり異なっていたことです。
僕の記憶にあった Guido は、華奢で、弱弱しいほど繊細でありながら、ナイフのような鋭利なものを秘めている美少年といったものだったのですが、実物は、むしろ美丈夫の青年だったわけです。
けれども、見すすめているうちに、この若者の童顔が時に翳り時に冷たい閃きを見せる印象的な表情が、僕の記憶に、前述したような人物像を刻んだのだと納得したのでした。
Mita Medici の Angela や Alain Noury の Massimo の印象は、ほぼ記憶と一致していましたが、いや、むしろもっと美形だと感じました。

この三人が、ついにベッドを共にするに至る関係を、公開当時、誰がいいだしたのか、いつのころからか、聖三角形という言葉で表現されるようになりました。
この表現は大げさでも皮肉でもないと、思います。
少なからず描かれるキスシーンやベッドシーンに扇情的な演出はなく、演じる俳優が美しいこともあって、端正な印象が残ります。
これは、この映画の美点のひとつでしょう。
そうだからこそ、ストーリーを追うだけでは、インモラルなエロティシズムに終わりかねない、このはなしを(特に青春期の)人と人とのリンクの、一必然として納得させています。

Capogna の演出については、通常のカラー映像と茶色がかったモノクロ映像の使い分けが特徴的です。
暴力的だったり、不穏だったり、緊張感がはりつめる場面はモノクロにして印象づけているのですが、斬新とまではいえないと思いますが、実験的な演出ではあります。
彼の作品は、この一本しか、日本では紹介されておらず、こうした実験的精神が持ち味なのか、例えば、フランス・ヌーヴェル・ヴァーグに触発されたような試みなのか、分からないのは少し残念です。

映像については、Antonio Piazza のカメラワークの出来ばえはなかなかのもので、特に屋外でのシーンに見るべきものがあります。
三人が車で、Guido の実家(豪邸)に向かう道中の景色は、とてもいいと思います。
冬のエミリア=ロマーニャ地方の冷ややかで透明な空気がよく伝わっています。
僕は、やはり冬に、この地を、バスを乗りつぎ旅をしたことがあるのですが、まさにこんな感じでした。

IMDb によると、この映画が、本国イタリアで公開されたのは、1969年4月19日とされています。
前年の68年1月、トリーノ大学で学園占拠が起こったのを皮切りに、次々と学園占拠の波が広がったのですが、大学側は警察を学内に招き入れる強硬策を取り、学生との対立は激しさを増し、左派の立場をとる多くの学生の急進化に対して、右翼が(映画のなかで、Guido を殴りつけていたように)攻撃をしかけるという、暴力の連鎖で社会が騒然としていた、そんな時代に、この映画は撮られました。

つまり、この頃、青春ドラマをつくろうとするなら、この現実を取り入れざるをえなかったわけですが、この映画に関していえば、単に時代背景として取り扱っているだけだとは、僕には思えません。

それがもっとも強く表れているのは、Guido の死によって聖三角形の関係が崩壊した後、Angela と Massimo の元々のカップルの関係もまた壊れてしまうという終盤の展開にあります。
Guido の思い出だけを胸に、冬枯れの風景のなか、ひとり去っていく Angela の後ろ姿にはりつめた、もう決して後戻りはできないのだという強い思い。
これこそ、時代の刻印であり、映画の作り手がもっとも伝えたかったものではなかったか、と思います。

ここで、Guido の葬儀の様子が克明に描かれるのも、Angela の孤独感を強調する劇的設定であると同時に、自殺の疑いから、遺体を霊柩車に載せたまま、教会のなかには入れなかった親戚たちもそうですが、そんなふうに仕向けるカトリック教会のあり方への批判、これもまた、この時代のテーマであったことを思い起こさせます。

Plagio(原題)とは贋作、法律用語としては教唆(ひとを欺き隷属させること)を意味します。
Angela が背を向けたのは、まさに、このような偽りに満ちた世界であったのです。

いまひとつ、Cosetta Greco 演じる工場労働者の女性の存在、これもまた、同時代に労働運動のあり方が変容し、過激化していたことを意識した設定でしょう。
一部の学生運動の担い手は、労働運動との連携に向かっていたということもあります。
しかしながら、この人物像の造形は、明らかに彫り込みが浅く、意図が先行して、表現が追いついていないと思います。
Guido と Angela が関係を持ったことに衝撃を受けた Massimo が、この女性から励まされて勉学に復帰する気になるところなど、あまり説得力がないし、底の浅さを感じさせます。

最後に音楽についていうと、Mahler の交響曲第5番を Guiod のテーマにする凝った設定が成果を挙げていると思います。
残念なのは、日本語吹替版だと、この曲が歪んで響いていることです。
日本語吹替版の音質に難点があることは、複数の方々が、レビューで指摘されていますが、僕はこの点が一番気になりました。

あとひとつ、主題歌『MORNING』を、いま聴くと、歌詞からして Angela に捧げられたものなのですが、もしかしたら、1970年代になって高まる女性からの異議表明の運動を意識したものでもあるかも知れないと思いました。

そう思うと、Angela のこれからの、長い人生は、思い出に閉じこもるものではなく、冷たく汚れた世界に立ち向かう、新しい闘いがはじまろうとしているのかも知れません。

僕は、そんなふうに思いました。
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2021年10月6日に日本でレビュー済み
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中学3年か高校1年の頃に二番館か三番館で見ました。その時は美形のラブロック 、ベッドシーン、テーマ曲が印象的でしたが、今回、良く見ると、ラブロックの他の出演者が皆美形であること、テーマ曲はわずかなシーンにラジオから流れるだけであることなど、だいぶん、違っていました。まあ、あの時代の佳作な作品ですね。同じ時期に作られた時計仕掛けのオレンジのような強烈性はありませんが。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2012年2月28日に日本でレビュー済み
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定期的にソフト化有無を調べては一憂の筆頭にあった作品がやっと、という気持ち。
確か14,5年前に一度深夜映画で民放放送されたが、以後は再見の機会に恵まれず。
わたしは後発で知った世代なので当時の狂騒は古本のパンフを見て窺うだけだが
公開時のレイモンド・ラブロックの人気は今の韓流スター級だったそう。
どこかにビデオテープを残しているが、このストーリーが一般的な三角関係とはちょっと違い
ひとりの少女を青年2人が愛するといった単純なものではなかった、という記憶があるが
ちょっとうろおぼえ。ラブロック演ずる孤独な富裕層の青年が、確かカップルの青年を慕っていたように思った。
今で言うBLとはまたちょっと違うが、萩尾望都のトーマの心臓なんかが好きなひとは
きっと共感できるのではなかろうか。
とても淡々として、さほど芝居心のないラブロックという美青年のやる気のない感じが余計にあっさりとしていて
結構重いラストだったはずなのに、さほど感じられなかったのは、意外と作り手の功績かもしれない。
しかしものすごく見たいと思った頃に一向にソフト化されず、今こうして色々とラッシュのように発売されるのは
確かにありがたいことではある。>悲しみの青春とかドリアングレイとか、本当にびっくり。

鑑賞後記:(4th, May, 2012)
BGMがぶつ切りになっちゃう編集が拙いのは当時ではしかたないのかもしれないが、映像は予想以上に
クリアでキレイ。記憶にあるTV放映時画像が録画ビデオだったので酷かったから余計嬉しかったのもあり。
ストーリーは本当にシンプルで、今では考えられないような不器用さとプリミティブで炸裂だが
「青春」に相応しい美麗なキャスティングでその欠損を補って余りある。
ただ一番の名演は、マッシモ(アラン・ヌーリー)の年上のかつての恋人らしいエデーラさん。
親のすねかじって大学行ってるらしい3人の若者には完全にない、工場勤めの気丈な女性が
年下の恋人に優しく包み込む愛で満足している図は、切なく崇高でさえある。
自分がその年に近づいたから彼女の哀愁が沁みたのかもしれないが、彼女の少ない出演シーンが
妙に心に残ったのも確か。
(そして、「マッシモを」かつて愛した女性ということで、彼女の元に赴くグイド(ラブロック)は、
自身の本心を知りながら直視できずに、想いと共に自己昇華したギリシャ悲劇の少年のようで
限られた時期にこういった美しい在り様をフィルムに納めることのできた俳優は幸運だと思う。
それから当時の流行なのか、比較的リリカルなシーンで挿入されるマーラーの交響曲5番アダージョ。
かのヴィスコンティ「ベニスに死す」があまりにも有名だけど、こちらが先だとしたらこれまたびっくり。
確かにマーラーの優美な旋律はこれらにマッチしている。(トッド・ヘインズの「ベルベット・
ゴールドマイン」では交響曲6番が使われていましたそういえば。余談)
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2012年4月7日に日本でレビュー済み
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映画本編の内容については他の方が語られていますので、吹き替え版の感想を。

吹き替え音声の音質が悪すぎです。
昔のTV放送の音声だから…という問題ではすまないと思います。
ノイズが入ったりするだけならまだ良いのですが、明らかに、急に音が高くなったり低くなったりするんです。
全体的に高い部分が多いので試しにPCで半音下げて再生してみたところ、しっくりくる音質になりました。

私は実際のTV放送を見たわけではないので、どんな音程が正しいのかは不明です。
でも、吹き替え版を入れてくれるのなら、もう少しこだわって欲しかったです。
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2019年3月20日に日本でレビュー済み
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音楽が先行したけど中身も凄く良いと思います。
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2012年9月10日に日本でレビュー済み
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 ようやくDVD出たんですね。中学・高校時代に観た映画を購入していましたが、どうしてもこの作品だけが無くて焦がれていました。他の映画にも言えることなんですが、当時の記憶というのは曖昧なものでベッドシーンが記憶に鮮明に残っていてストーリーが定かでなかったものが多い(^^;;のでしたが、これは有る程度覚えていましたね。ラブロックは当時非常に人気があって、仏のアランドロン、ルノーベルレーと肩を並べていたような記憶ですが、これ一作で消えてしまいましたね。今見ると屈折した陰のある役柄で、なんかニヒルなかんじが強すぎて表情も今一つな感じも受けました。まぁいいんですけど。当時のイタリアの街並み(ボローニャ)と音楽はやっぱり懐かしくて良かったですね。どこぞの馬鹿タレントのテーマ曲になっているのが腹立たしいですよね。内容は星3つくらいですが、音楽と発売した努力に敬意を表しまして4つにしました。
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2017年8月23日に日本でレビュー済み
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高校生の時、親友と観に行った映画です。レイモンド・ラブロックの切ないガラスのような美貌にやられました。サントラがまたいい曲で。芸人ヒロシのテーマ曲に使われてましたが、初めて聴いた時忘れていたこの映画を思い出しましたよ。孤独な青年の愛を求める魂が哀しい。ラストシーンも好きです。
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2012年9月7日に日本でレビュー済み
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マーラーの交響曲第五番をふと聴いて、「ああ、『ガラスの部屋』、もう一度みたかったなぁ」と思って、気まぐれに検索したら、信じられないことに今年DVD化されていた!
即、購入ボタンを押した。
他の方も書いておられるが、このソフトを、今この時期にリリースしたその気構えに、心底感謝している。
たしかビデオにさえなっていなかったはずなのに………

私は公開同時代人ではなく、後の民放お昼のロードショー枠で、初めてこの作品と「ただ一度だけ」出会った。
とはいえ、レイモンド・ラブロックの日本での人気のことは昔の映画雑誌等でしっており、そこでの阿鼻叫喚状態を読むにつけ、正直内心ちょっと「ご遠慮申し上げたい」気分があって、TV視聴当時はかなり冷めた小生意気な気分だったことを記憶している。
が、そんな先入観・偏見は、作品世界に完全に粉砕された。
この映画体験は希有なものとなった。(たとえ、昼下がりのお茶の間鑑賞だろうと)

今からみれば、学生紛争といった時代色はある。
だが、三人の若者たちが醸し出す、気まぐれで場当たり的であるがその分奇妙に濃密、かつ寄る辺なく漂いゆく浮遊感・孤独感は、おそらく春樹世代のそれと同じであり、いつの時代にも変わらないものだろう。
儚いと同時に結晶化した、ある一刹那の心象風景が、フィルムの中で永劫回帰することの不思議さ。

ヒロシがこの映画の主題曲のカンツォーネをカバーしたのはちょっと嬉しかったりしたものだが、音楽も素晴らしい。
マーラーの挿入場面含めて、イタリア映画の音楽的叙情性をあらためて再認識できると思う。
(個人的には、『ベニスに死す』よりも、こちらの作品の方がマーラーらしい世界観だと感じている)
かくいう私自身も、DVDという形で再会できた幸せに、今、心が震えているのである!

本当に素晴らしい作品なので、映画好きの、十代二十代含めた幅広い世代の方に、是非ともおすすめしたい。
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