イタリアの主要映画祭で16部門以上ノミネートという偉業を達成したクライム・アクションの最高傑作。原作は6歳から犯罪に手を染め、12歳で殺人罪で有罪となったニコライ・リリンの自伝小説。ソ連崩壊の直前、犯罪コミュニティーの長である厳格な祖父から部族の掟や誇りを教え込まれながら育ち、激動の中で生き抜いた青年の葛藤と成長を描く。若者たちに“正しい犯罪者"としての掟や道徳を教え込む“ゴッドファーザー"を圧倒的存在感で演じるのは、日本でも抜群の人気を誇るジョン・マルコヴィッチ(『マルコヴィッチの穴』)。そして、『エーゲ海の天使』で米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した巨匠ガブリエレ・サルヴァトレスがメガホンをとり、青年の葛藤と戦いをシベリアの雪景色とともに繊細に、時に残酷に描き出している。
≪STORY≫
旧ソ連時代。政府に追放された犯罪者たちが住む危険地域、リバーバンク。部族の尊厳と掟を重んじる祖父クジアに育てられたコリマは、兄弟のように育ったガガーリンとともに掟や武器の使い方を学んでいた。ある日、彼らは政府の運搬車から物資を盗もうとするが、作戦は失敗。ガガーリンは捕まりそうになったコリマを救うため、政府の人間をナイフで刺し、刑務所へと送られた。それから長い時が経ち、出所したガガーリンがバーバンクへと戻ってくる。コリマは彼を暖かく迎え入れるが、部族の掟を守る彼と金のためなら手段を選ばないガガーリンの間には、少しずつ亀裂が生じ始めていた。そしてある事件をきっかけに、2人の絆は友情ではなく憎しみへと変わっていく…。