日本暗殺秘録 [DVD]
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フォーマット | 色, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | 中島貞夫, 片岡千恵蔵, 鶴田浩二, 高倉健, 千葉真一 |
言語 | 日本語 |
稼働時間 | 2 時間 22 分 |
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商品の説明
【解説・ストーリー】
「桜田門外の変」に始まり大久保利通暗殺事件、二・二六事件など、日本暗殺の歴史百年をオールスターで描く一大巨編。
【キャスト】
片岡千恵蔵、千葉真一、高倉健、鶴田浩二
【スタッフ】
原作:鈴木正
脚本:笠原和夫、中島貞夫
監督:中島貞夫
【公開日】1969年10月公開
【スペック】
●映像特典
◆予告編
◆特報
◆フォトギャラリー
DUTD03338/COLOR/本編142分/片面2層/1.主音声:モノラル/16:9LB(シネスコ)
【販売元】東映株式会社【発売元】東映ビデオ株式会社
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- 言語 : 日本語
- 製品サイズ : 25 x 2.2 x 18 cm; 100 g
- EAN : 4988101183074
- 監督 : 中島貞夫
- メディア形式 : 色, ワイドスクリーン
- 時間 : 2 時間 22 分
- 発売日 : 2015/3/13
- 出演 : 片岡千恵蔵, 千葉真一, 高倉健, 鶴田浩二
- 販売元 : TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- ASIN : B00Q9KO83K
- 原産国 : 日本
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,291位DVD (DVDの売れ筋ランキングを見る)
- - 323位日本のミステリー・サスペンス映画
- - 1,648位日本のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
イメージ付きのレビュー
4 星
少なくはない欠点を、帳消しにしそうな迫力
公開は小学生の時、中学生になってから、場末の二番館三本立て上映の一本として、観賞した憶えあり。 幕末の桜田門外の変から、昭和の二・二六事件まで九つの暗殺事件をピック・アップ。 各事件によって尺の違いが甚だしく、安田財閥の創始者が刺殺された安田善次郎暗殺事件(菅原文太出演)、陸軍皇道派真崎甚三郎更迭を不服とし統制派永田鉄山を斬殺した相沢三郎(高倉健)による相沢事件なんか、「あれ、もう終わりなの?」というくらいの呆気なさ。 血盟団事件のみ異様に長く、登場人物も全体の半分以上を占めるのではないか。 前蔵相井上準之助を射殺した小沼正を、若く暑苦しい千葉真一が熱演。 しかし、日蓮宗の僧侶であり過激な日蓮主義者へ走った井上日召に扮する片岡千恵蔵、当時66歳に注目。 今この歳頃の男優たちは妙に若作りをしていて見苦しい限りだが、千恵蔵はしっかりと自らの年齢を受け容れ迫力あるテロリスト像を、内面から湧き出るオーラを漲らせながら自然体で演じている。 それにしても、ラストの二・二六事件において、製作当時45歳だった鶴田浩二が、32歳で銃殺刑に処せられた磯部浅一をそれなりに演ったのにも拘らず、あまりにも尺が短くおざなりの感アリアリ。 さらに、井上日召と同じく強烈な日蓮主義者で、首魁の一人として死刑となった北一輝を全く無視したのは、どうにも納得が行かないことを付け加えておきたい。 思えば、あの頃は大忙しだった菅原文太、高倉健、歌手としても仕事が多かった鶴田の三名は、日程の都合でちょっと顔を出す程度くらいしか出来なかったのだと推測してしまう。 しかし、決して少なくはない欠点、アラを帳消しにしてしまう迫力は否定出来ず、画質全篇に漂い、醸し出すレトロスペクティブ感、ノスタルジックな雰囲気は嫌いになれないのだよな。 最後に、大隈重信遭難事件において、爆撃犯の来島恒喜の役を当てられた吉田輝雄は、今や忘れ去られた存在かもしれないが、若い頃のギラギラ感は只者じゃないことを示していたのでは?
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上位レビュー、対象国: 日本
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2015年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
徳川末期から太平洋戦争まで日本では数多くの暗殺事件が起きた。安政の大獄を強行した井伊直弼、(本作品には出てこないが薩長同盟を実現させた坂本龍馬)、明治維新の元勲で初代内務郷だった大久保利通、初代内閣総理大臣、枢密院議長で韓国の民族運動家・安重根によって射殺された伊藤博文、安田財閥の祖であった安田善次郎等数知れない。本作品ではで民政党の総務を任され総理大臣候補であった井上準之助を血盟団事件で暗殺した千葉真一が演じる小沼正を主人公にドラマ仕立てで描いている。小中学校を首席で卒業しながら貧困のため高校に進学できなかった彼は或る居酒屋で働くことになる。資金繰りが着かなくなったため店員たちの恨みを買いながら倒産する。正はいつしか社会全体の仕組みに憎悪を感じるようになり、日蓮宗の僧侶である井上日召の影響を受け、「一人一殺」をスローガンにした「革命」思想に惹かれていく。井上の考えは政治経済界の指導者をテロによって暗殺してゆくというものであった。「紀元節前後を目途としてまず民間から血盟団が行動を開始すれば、これに続いて海軍内部の同調者がクーデター決行に踏み切り、天皇中心主義にもとづく国家革新が成るであろう」というのが井上の構想であった。自動車から降りて数歩歩いたとき、暗殺部隊の一人である小沼正が近づいて懐中から小型モーゼル拳銃を取り出し、井上に5発の弾を撃ち込んだ。だがその後も暗殺は後を絶たなかった。当時の日本は議会制民主主義が根付き始めたが、1929年(昭和4年)の世界恐慌に端を発した大不況、企業倒産が相次ぎ、社会不安が増していた。1931年(昭和6年)には関東軍の一部が満州事変を引き起こしたが、政府はこれを収拾できず、かえって引きずられる形だった。犬養政権は金輸出再禁止などの不況対策を行うことを公約に1932年(昭和7年)2月の総選挙で大勝をおさめたが、一方で満州事変を黙認し、陸軍との関係も悪くなかった。しかし、1930年(昭和5年)ロンドン海軍軍縮条約を締結した前総理若槻禮次郎に対し不満を持っていた海軍将校は、翌年首相官邸を襲撃し、犬養を暗殺する。所謂5.15事件である。さらに、1936年(昭和11年)2月26日から29日にかけて、日本の陸軍皇道派の影響を受けた青年将校らが1483名の兵を率い、「昭和維新断行・尊皇討奸」を掲げて2.26事件事件を引き起こした。将校は近衛歩兵第3連隊、歩兵第1連隊、歩兵第3連隊、野戦重砲兵第7連隊らの部隊を指揮して、岡田啓介内閣総理大臣、鈴木貫太郎侍従長、斎藤實内大臣、高橋是清大蔵大臣、渡辺錠太郎陸軍教育総監、牧野伸顕前内大臣を襲撃、総理大臣官邸、警視庁、陸軍省、参謀本部、東京朝日新聞を占拠した。そのうえで、彼らは軍首脳を経由して昭和天皇に昭和維新を訴えた。しかし天皇は許容せず、軍と政府は、彼らを「叛乱軍」として武力鎮圧を決意し、包囲して投降を呼びかけた。反乱将校たちは下士官・兵を原隊に復帰させ、一部は自決したが、大半の将校は投降して法廷闘争を図った。事件の首謀者は銃殺刑に処された。この時暗殺された高橋是清はケインズ理論を既に理解しており、不況下らが脱却を図ろうとしたが高橋は軍部予算を海軍陸軍問わず一律に削減する案を実行しようとしたが、これは平素から海軍に対する予算規模の小ささ(対海軍比十分の一)に不平不満を募らせていた陸軍軍人の恨みに火を付ける形となっていた。このように明治維新以降の日本の近代史は暗殺の例に事欠かない。民主主義が機能しない中での「暗殺」は是か非か。本作品は鋭い問いを突き付ける。
2022年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ラストに出てくる字幕は当時の大学紛争時代の当事者へのメッセージだったのかもしれないが、暗殺は思想ではなく手段であろうと思う。ただ、誰かのために行ったものの、国民のためにといって成した暗殺の結果は、より悪い結果をもたらしているのが歴史の皮肉である。映像の評としては、桜田門の変は雪の演出過剰が気になるところ(あの吹雪ではそもそも行列が来ないのでは?と思える)。来島恒喜の大隈重信襲撃の部は秀逸。さすが、頭山翁の弟子である。もっともこの事件のくだりでは被害者の大隈重信による事件後の来島恒喜に対する評を描くべきだったのではとも思う。ギロチン社の部は暗殺としてはお粗末だが、処刑前の暗殺者の心情表現の部分は画としてうまくまとめた感がある。ギロチン社と対比してあるのが、井上準之助暗殺の部。暗殺者の小沼正を通して事件背景や世相を深く描いているが、井上日召の一人一殺が強調されるが一殺多生の部分が意図して削られているのが気になるところか、どちらかというと「お題目だけをとなえても...」のくだりは宗教では人を扇動できても人そのものや国は救えないという一つの結論が強調されてているように思える。あと暗殺を利用している桜会のだらけきった雰囲気が、真に暗殺を行おうとする者の心情との対比でうまく描いているといえる。この点が続く226事件の部では不足。226事件の実行の画は何故か意図してかモノクロで描かれる。こちらも雪をうまく使えばきれいな画がとれたのではないだろうか、配役された俳優陣は重厚なのだが実に残念、内容としても消化不良の感がある。尺が足りなくなったのか意図したのかは不明だが、青年将校の背景、世相の描き方が不十分なのと、北一輝の思想が出てこないのが残念。裏でおいしいところを持っていく陸軍の将官どもを悪代官風にでも描けば、暗殺という手段の表にある殉ずる者と裏に潜む者の醜さとの対比ができ、暗殺というものにある深みを出せたのではないだろうか?
2021年11月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
冒頭の若山さんが圧倒的に凄すぎて、あとの話しは長くても短くてもほとんど記憶にないですw
2018年2月12日に日本でレビュー済み
先日、IRA、アイリッシュ共和軍の公然組織の政党名が「シンフェーン」というゲール語の意味が「我らのみ」であると知った。そしてわたしは「我ら」という「等」を持たない孤絶した「我のみ」であると思った。昨夜観た映画で、主演の千葉真一演じる血盟団員「小沼正」は同志(村井国男)に向かって。「俺、わかったよ。「革命」ってのは「俺たち」でやるんじゃないんだな。「俺」がやるんだ・・・」
監督中島貞夫、脚本笠原和夫の1969年作品『日本暗殺秘録』は、先日かわぐちかいじの『テロルの系譜』を読んだ折りに知り、是非観たいと思っていた。
若山富三郎、片岡千恵蔵、高倉健、鶴田浩二、菅原文太、田宮二郎、里見浩太郎、藤純子といったオールスター・キャスト。それだけでエンターテインメントとして第一級の作品だが、微瑕を言えば、冒頭、桜田門外の殺陣のシーンで、黒澤ー三船や、今井正ー中村錦之助ほどの凄まじいまでの迫力が感じられなかったことだろうか。
タイトルの通り、この映画は日本の暗殺ーテロルの歴史をオムニバス形式で描いている。
143分。登場する暗殺事件は、 幕末桜田門外の変から昭和11年の2.26事件まで九つ。140分で九つの暗殺事件を描くなら、ひとつのエピソードあたり15分ほどになってしまって、事件の背景などは描きようもないのではないかと思っていたが、この映画のメインは、昭和7年に起こった血盟団事件で、次に2.26事件と、ギロチン社事件に多少の時間をかけているが、その他は、単に何時何処で誰が誰によって殺されたというシーンのみである。だったら初めから井上日召と血盟団事件の作品にすればいいのではと思うが、やはり、幕末ー明治ー大正、そして戦前と、絶えることなく連綿とつづく権力の支配・圧迫と被支配・屈従の「歴史」が続いていることを示唆する必要があったのだろう。
暗殺の前にも暗殺があり、テロルの後にもテロルがある。その変わらぬ国の風景の背後に何が潜んでいるのかを暗示する必要があった。
興味深かったのは、「ギロチン社」の古田大次郎も、血盟団の小沼正も、また2.26事件の磯部浅一も、異口同音に「革命」というタームを用いること。大杉栄虐殺の復讐に起ち上がったギロチン社の面々は、言うまでもなくアナキストであり、血盟団は右翼と言っていいだろう。
作品が作られた当時、「政治の季節」と言われた60年代後半~70年代にかけての時代の精神というものも影響しているのだろうが、そもそも竹中労が指摘するように、「左右を弁別せざる」思想にわたしは共鳴する。
戦いは左右の水平上の闘いではなく、上下の垂直方向の戦いであるべきなのだ。
政治的なスタンスをいうなら、わたしは勿論右ではないが、だからといって、左派かというとそうでもないような気がする。そもそも現在のこの国で、言葉の正確な意味での「右翼・保守」或いは「左翼・革新」というものが如何なるものであるのかがよくわからない。
戦後、俳優山村聰は映画『蟹工船』(1953年)を監督し、また国鉄下山総裁の轢死事件に材を取った、井上靖原作の映画『黒い潮』を撮っている。同時期、佐分利信は、2.26事件に取材した『叛乱』(1954年)の監督をしている。これこそ正に「左右を弁別せざる」時代背景ではなかったろうか。
わたしには「右」も「左」もないように思える。ただ、上(かみ)と下(しも)、富裕の貧困の対立があるのみだと。
映画は
「そして現代
暗殺を超える思想とは何か?」
と問いかけている。
けれどもそもそも「暗殺」或いは「テロル」とは「思想」だろうか?
転覆に転覆を重ねても、またいかなる体制であろうとも、国家がある限り権力があり、権力のあるところには支配がある。映画の中で田宮二郎の言う「我々の革命は、失敗はもとより、成功もまた死のはずだ。生きて二階級特進など、貴様ら、本気で革命をやろうと思っておるのか!・・・連夜紅灯の下に酒を飲み、女を抱き、自己の栄達のために革新を語る。たとえ成功してもそれでは単なる政権の交代、自分たちが権力を握るためのさもしい権力抗争に過ぎんではないか!」という心情に心打たれる。
狂気(兇器)の沙汰と言われ「思想以前」と言われても、それが故に、わたしはそこに人間性の哀しき美の発露を見る。
働けば血を吐き働かなければ喰えなくなる現在(いま)の俺の態(ざま)を見てくれ
喰うために全力をあげてなお足らぬこの世になんの進歩があろう
ー 渡辺順三 (1929年 昭和4年)
監督中島貞夫、脚本笠原和夫の1969年作品『日本暗殺秘録』は、先日かわぐちかいじの『テロルの系譜』を読んだ折りに知り、是非観たいと思っていた。
若山富三郎、片岡千恵蔵、高倉健、鶴田浩二、菅原文太、田宮二郎、里見浩太郎、藤純子といったオールスター・キャスト。それだけでエンターテインメントとして第一級の作品だが、微瑕を言えば、冒頭、桜田門外の殺陣のシーンで、黒澤ー三船や、今井正ー中村錦之助ほどの凄まじいまでの迫力が感じられなかったことだろうか。
タイトルの通り、この映画は日本の暗殺ーテロルの歴史をオムニバス形式で描いている。
143分。登場する暗殺事件は、 幕末桜田門外の変から昭和11年の2.26事件まで九つ。140分で九つの暗殺事件を描くなら、ひとつのエピソードあたり15分ほどになってしまって、事件の背景などは描きようもないのではないかと思っていたが、この映画のメインは、昭和7年に起こった血盟団事件で、次に2.26事件と、ギロチン社事件に多少の時間をかけているが、その他は、単に何時何処で誰が誰によって殺されたというシーンのみである。だったら初めから井上日召と血盟団事件の作品にすればいいのではと思うが、やはり、幕末ー明治ー大正、そして戦前と、絶えることなく連綿とつづく権力の支配・圧迫と被支配・屈従の「歴史」が続いていることを示唆する必要があったのだろう。
暗殺の前にも暗殺があり、テロルの後にもテロルがある。その変わらぬ国の風景の背後に何が潜んでいるのかを暗示する必要があった。
興味深かったのは、「ギロチン社」の古田大次郎も、血盟団の小沼正も、また2.26事件の磯部浅一も、異口同音に「革命」というタームを用いること。大杉栄虐殺の復讐に起ち上がったギロチン社の面々は、言うまでもなくアナキストであり、血盟団は右翼と言っていいだろう。
作品が作られた当時、「政治の季節」と言われた60年代後半~70年代にかけての時代の精神というものも影響しているのだろうが、そもそも竹中労が指摘するように、「左右を弁別せざる」思想にわたしは共鳴する。
戦いは左右の水平上の闘いではなく、上下の垂直方向の戦いであるべきなのだ。
政治的なスタンスをいうなら、わたしは勿論右ではないが、だからといって、左派かというとそうでもないような気がする。そもそも現在のこの国で、言葉の正確な意味での「右翼・保守」或いは「左翼・革新」というものが如何なるものであるのかがよくわからない。
戦後、俳優山村聰は映画『蟹工船』(1953年)を監督し、また国鉄下山総裁の轢死事件に材を取った、井上靖原作の映画『黒い潮』を撮っている。同時期、佐分利信は、2.26事件に取材した『叛乱』(1954年)の監督をしている。これこそ正に「左右を弁別せざる」時代背景ではなかったろうか。
わたしには「右」も「左」もないように思える。ただ、上(かみ)と下(しも)、富裕の貧困の対立があるのみだと。
映画は
「そして現代
暗殺を超える思想とは何か?」
と問いかけている。
けれどもそもそも「暗殺」或いは「テロル」とは「思想」だろうか?
転覆に転覆を重ねても、またいかなる体制であろうとも、国家がある限り権力があり、権力のあるところには支配がある。映画の中で田宮二郎の言う「我々の革命は、失敗はもとより、成功もまた死のはずだ。生きて二階級特進など、貴様ら、本気で革命をやろうと思っておるのか!・・・連夜紅灯の下に酒を飲み、女を抱き、自己の栄達のために革新を語る。たとえ成功してもそれでは単なる政権の交代、自分たちが権力を握るためのさもしい権力抗争に過ぎんではないか!」という心情に心打たれる。
狂気(兇器)の沙汰と言われ「思想以前」と言われても、それが故に、わたしはそこに人間性の哀しき美の発露を見る。
働けば血を吐き働かなければ喰えなくなる現在(いま)の俺の態(ざま)を見てくれ
喰うために全力をあげてなお足らぬこの世になんの進歩があろう
ー 渡辺順三 (1929年 昭和4年)
2021年9月21日に日本でレビュー済み
暗殺者というのは、今だとすぐに=テロリストと見なされるが、中国の史記では刺客列伝の項目があって悪人とは見なされていない。この映画で採り上げられている暗殺者もまた、みな国を憂うがゆえの行為として描かれていて肯定的である。よってテレビでの放映など一度もない。私自身は有料放送のWOWOWで観た。
いきなり若山富三郎による桜田門外の変が出てくるが、割かれた時間の長さから、主役はやはり千葉真一演じる小沼正だろう。ちなみに小沼は戦後も生き延びて右翼に強い影響を与えた。
いきなり若山富三郎による桜田門外の変が出てくるが、割かれた時間の長さから、主役はやはり千葉真一演じる小沼正だろう。ちなみに小沼は戦後も生き延びて右翼に強い影響を与えた。
2022年4月7日に日本でレビュー済み
暗殺の歴史のオムニバスという変則的内容。
桜田門外ノ変、大久保利通暗殺から2・26事件まで
豪華俳優陣がこれでもかというように出演する。
全体の7割、140分中およそ100分が血盟団事件で占められている。
元蔵相暗殺犯役に千葉真一氏、井上日召役に片岡千恵蔵氏。
貧困、病気、愛する女性の死、財閥支配への憎しみ、若者の心の葛藤。
小沼正役の千葉氏のここでの演技は素晴らしい。
当初はこの血盟団事件だけで1本の作品にする予定だったようだが
途中からオールスター作品にすることになってしまったため、
他の暗殺事件もいくつかプラスすることになった模様。
見ていて若干チグハグな感じは否めない。
顔見世興行のようになってしまったのは残念だがよくこんな反体制映画が
できたものだ。
桜田門外ノ変、大久保利通暗殺から2・26事件まで
豪華俳優陣がこれでもかというように出演する。
全体の7割、140分中およそ100分が血盟団事件で占められている。
元蔵相暗殺犯役に千葉真一氏、井上日召役に片岡千恵蔵氏。
貧困、病気、愛する女性の死、財閥支配への憎しみ、若者の心の葛藤。
小沼正役の千葉氏のここでの演技は素晴らしい。
当初はこの血盟団事件だけで1本の作品にする予定だったようだが
途中からオールスター作品にすることになってしまったため、
他の暗殺事件もいくつかプラスすることになった模様。
見ていて若干チグハグな感じは否めない。
顔見世興行のようになってしまったのは残念だがよくこんな反体制映画が
できたものだ。
2023年3月6日に日本でレビュー済み
かなりオ−ルスタ−が👍映画としてはテンポ良く暗殺の歴史が分かります!千葉さんの部分が一番ながい