本作のレヴューを始める前に、このジャケットの図柄は酷い。『数量限定¥1,690税抜価格』と訴えたい気持ちは良く解るが、ジャケットの表面にデカデカと表示するセンスがどうかと思う。
これでリバーシブル・ジャケットならまだしも、そうでないのだから。これじゃ購買意欲失くしますよ、オルスタックソフトさん!
本作は本国では73年に公開され大ヒットを記録したようですが、日本では77年になって漸く陽の目を見、大阪ではロードショー公開すらされずにいきなり2番館へ直行した作品だったはずで、ジェンマの人気も既に地に落ちた感がありましたね。
ジェンマは『俺はどんなジャンルの作品でもちゃんと演技派こなせるんだ』新境地開拓のつもりで本作に主演したんでしょう。あまり成功しているようには見えませんが、この後「シマはもらった」にも出演したのは本人が満足したって事でしょう。
粗筋についてはアマゾンさんがパッケージに記載された粗筋を内容紹介欄にそのまま転載しているので、そちらを参照していただくとして、もうチョット補足しますと、
人の良いソニー(ジュリアーノ・ジェンマ)とチャーリー(バッド・スペンサー)はマフィアのボス、アンジェロ(ロバート・ミドルトン)から邪魔者を殺すよう命じられますが、勿論そんな事の出来ない2人はオロオロしてる間に
邪魔者は何者かに殺され、そこに警察が絡んできてさぁどうなるのかぁぁぁぁぁと言うストーリーになっています。
この手の作品のご多分に漏れず、警察もアホそのものなんでそういったところで笑いを取ろうとしているんですが、あんまり笑えません。
女性が殆ど絡んでこないところがジェンマの作品にしては珍しいなぁと思いました。取り立てに行った貧しい一家に年頃の娘がおり、この娘と仲良くなるのかなぁと思ったんですが、そうはならず。
バッド・スペンサーと言えばテレンス・ヒルとのコンビでヒット作を連発していた(あくまでもイタリア本国では)人気者俳優ですが、残念ながら日本での知名度は全くと言って良い程低く、よっぽどの洋画通でないと知らないでしょう。
本作で演じた覆面レスラー役なんか正に適役の巨漢で見てくれは決して良くないですが、中々愛嬌のある役者さんで私は好きです。本作も彼のおかげで「シマはもらった」よりは笑える作品になってますね。
ジェンマとのコンビ作がこの1本だけに終わったのはこの人と共演するとジェンマが食われてしまうとジェンマ自身が思ったんではと勝手に推測しています。
『ジェンマはやっぱり西部劇だぜぇ』とつくづく思わせる作品でありました。ちゃんちゃん。