粘土に宿った怨念が実体化し人を襲うホラー映画”血を吸う粘土”の正統な続編である。前作未見の方にも配慮があり、簡単な前作のおさらいが描かれるが、カカメとの戦いの重要なオチは前作鑑賞が前提となっているので、前作からの続けての鑑賞をおすすめする。
(以下、ネタバレ有)
前作の事件直後から物語は始まり、生存者2名のその後の状況に触れつつ、新たな惨劇が描かれる。内容は、前作のリメイク的性格を帯びており、クライマックスは前作のラストにつながっていき、一応の完結となる。
前作が習作的な色合いが濃かったが、今回は、所々に映像の遊びを取り入れ、粘土人形”カカメ”の動きもパワーアップ(?)し、一皮むけた感じがした。
しかし、粘土人形に襲われるコンセプトに無理があり、襲われるのを待っているとしか見えない被害者達の描写は不自然であり、粘土人形の動きにも一貫性が無く、チグハグな印象が強く、作品に入り込めなかった。
少女たちが惨殺される絵図は、ジャーロ映画に通じるものを感じたが、作り物の域を脱しきれないカカメに恐ろしさを感じることが出来ず、ホラー映画としての評価は☆2程度であった。
映像ソフトは、プレミアム価格となっているようだが、定価以上の購入はお勧めできない。