レビューとしては不適かもしれないのですが…私の中学の頃の話から書かせてください。
なにはともあれ第27話『愛は流れる』でしょう。放送が待ち遠しくて、本当に指折り数えて待ったものです。待ちに待った日曜日午後2時の本放送…驚愕でした。当時のTVアニメとは次元の違う水準の映像が次々と…そして予想を上回る過剰な展開…圧倒されました。『愛は流れる』は私(と仲間)の中で伝説になりました。それは後年の圧倒的な劇場版マクロスですすら超えられない程の衝撃だった、と記憶します。
当時、ビデオデッキは高級品で我が家にはありませんでした。なので本放送時に我が家のテレビにかじりついたものです。映像を目に焼き付けようと必死でした。数年後、再放送を録画できたときは随分嬉しかったものです。
…そのビデオテープもすでになく、今回20年ぶりぐらいで再見しました。その感想は…。
あれ…
以外と…絵が不安定ですね。『愛は流れる』の回‘だけ’はなんでもかんでも凄いという印象だったのですが…時折(スタープロ風の)ヘンな動画が入っています。展開も強引すぎるような気がします。…あまりにも簡単に全滅する地球…それをアッサリ受け入れる主人公達…う〜ん。もう私もいい歳だから昔と感じ方が違うのかも…。
でも、全体としては『愛は流れる』はヤッパリ凄い回でした。現在の水準でも(!)息を呑むような作画が何度か現れます。キャラクターでもメカ描写でもアクションでも…。それに展開だって強引というより初めから狙っていたのでしょう。『愛は流れる』一本に賭けて意図的に暴走し勢いとある種の断定で押し切った良さです。
そんなわけで、20年のブランクを経て今また観た『愛は流れる』は、すこし違う見え方でした。純粋に作品としてだけ見るなら不安定というべき…かもしれませんが今観ると制作陣の若さと暴走が心地よい…そんな風に再確認できました。十分伝説として(私個人のなかに)残す価値のあるフィルムだと確信できたのです。
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さて、私にとって第27話『愛は流れる』について書ければこのレビュー終了でもいいのですが、一応本DVDに納められている残りの三本について、少しだけ書いてみます。
第25話『バージンロード』…『愛は流れる』と逆の意味で驚愕の作画。当時のガッカリ感を思い出し辛くなります。ガマンができず早送りしてしまいました…(涙)。
第26話『メッセンジャー』…以外な発見の一本。話しとしては『愛は流れる』よりも面白い気がします。こういうアクションのない回のほうが面白いと感じるとは…歳をとったのかもしれません。
第28話『マイアルバム』…ラブコメ風味としてもそこそこ楽しめる後日談です。作画も安定感があります。この回を見たときは延長部分への期待が高まったものなのですが…。
というわけで、このDVDには初代マクロスの各要素をちりばめた第25話から第28話の四本が収められています。マクロスを思い出すには最適かもしれません。